横浜市立大学の展望(子宮頸癌ワクチン利益相反) その2 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市立大学の展望(子宮頸癌ワクチン利益相反) その2

横浜市立大学の展望(子宮頸癌ワクチン利益相反) その2

国内の製薬会社72社が、2013年度に医師に支払った講演料や原稿料を公表した。朝日新聞によると総額300億円が支払われており、謝礼1000万円超が184人とあった。http://www.asahi.com/articles/ASH305GJFH30UUPI006.html

日本は国民皆保険である。製薬会社から医師に支払われる金銭には、国民の税金や保険料が多く含まれているという警鐘が発信された。

さらに、医師の抵抗で公表が1年遅れたと翌日に報道された。その抵抗に一石を投じたのが田村憲久元厚生労働相であったと記載されていた。田村元厚生労働相は、製薬協の多田正世会長に「あなた方が襟を正さないと、資金提供の公開も法制化になりますよ。」と通告したのだ。

一方、米国では製薬企業が医師に支払った謝礼、飲食費、研究助成金などの情報を健康福祉省の機関によって一括公開されており、検索可能だという。報告漏れには罰則もある。医療保険制度改革で公的資金を投入する以上、医師と企業の関係の透明性を高めるべきだという考えが背景にあるという。

以前、ブログに記載したが、横浜市の健康福祉局は兼職という理由で地方公務員である本市の医師が、製薬会社が共催する「HPVワクチンの本音を聞いてみよう」というセッションで「行政の立場から」と講演しているが、講演費用、交通費などの公開はない。常任委員会でも最大会派の自民党からその行政職員としての中立性を疑問視されたが、平成27年度の人事でも大きな変化は殆どない。
http://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11729960101.html

今年度、健康福祉局長の交代があったが、トップから襟を正す姿勢が見られるかどうか、注目したいところである。また、いまだに産婦人科医らで作る子宮頸がん征圧をめざす専門家会議が、2年間で7000万円以上の資金提供を受けているにも関わらず、資金や労務提供の情報を公開していないことが報道されている。(毎日新聞220日)

一方、横浜市の初代の岩崎榮病院経営局長が推薦する、集中CONFIDENTIAL20149月)には、厚労省が子宮頸がんワクチンの接種勧奨再開ができないのは、ワクチン反対派を支持者に抱える政治家の存在と言及され、東京医科大学の西岡久寿樹先生が、新たな”敵”とも書かれている。
http://medical-confidential.com/confidential/2014/09/post-754.html
http://www.medical-confidential.com/about

さて、横浜市立大学医学部は、このような社会的な背景の中で、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議のメンバーである宮城悦子医師の利益相反を未だに公表していない。公表しない理由は以下の議事録で示されているように、日本産婦人科学会の理事会で宮城悦子医師が説明している。

兼業は大学の正式業務外あり、大学名で公開する必要がないという。また、この問題に関して平岩敬一弁護士が「全く問題ない」と発言し、大学に掛け合うとまで述べている。

さらに、情報開示の請求者を宮城悦子氏は「薬害オンブズマンの会の宗教団体記者」と特定した表現で言及している。横浜市のコンプライアンスは単なる法令順守ではないはずだが、その内容の正確性も含め、横浜市のコンプライアンスからすると、このような発言は感心できない。この議事録は公開されていて、容易にネット上で検索できる。
https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E5%B8%82%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%80%80%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E6%82%A6%E5%AD%90%E3%80%80%E5%88%A9%E7%9B%8A%E7%9B%B8%E5%8F%8D%E3%80%80%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BC%9A

横浜市は横浜市立大学の法人化に伴い、平成16年度より5名の委員で構成される横浜市立大学法人評価委員会を開催。去年から、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の利益相反は非常に大きく問題視されてきた。また、薬害オンブズパースン会議はその専門家会議が横浜市立大学医学部の宮城悦子医師に支払った金銭に対する公開質問を行っている。
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=872

また、斎藤貴男氏による子宮頸がんワクチン問題を追う(集英社インターナショナル)のWEBサイトにも宮城悦子氏は言及されていた。さらに、この4月、「子宮頸がんワクチン事件」という本が集英社から発売された。今や、全国に発信されている問題でもある。

http://shueisha-int.co.jp/vaccine/


ところが、この委員会では、医学部生の学内試験の組織的な不正行為を言及していても、この利益相反に関しては、何の言及もない。そして、文科省が選ぶ国内のスーパーグローバル大学の選にもれたことに対する検証も特にない。
http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/daigaku/houjinhyouka/kaigiroku59.html
この4月、横浜市立大学の理事長が交代した。時代のニーズにスピード感をもって対応したいという二見良之理事長には、今後大いに期待したいと思っている。
http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/corp/chairman.html