横浜市林文子市長の男女共同参画と人事 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市林文子市長の男女共同参画と人事

横浜市林文子市長の男女共同参画と人事




この4月初頭、横浜市の元中学校校長が児童ポルノ禁止法違反疑いで逮捕されたことが各社に大きく報道された。

http://www.sankei.com/affairs/news/150408/afr1504080013-n1.html



この事件を機に、4月8日、市長の定例記者会見で記者との間で以下のような意見交換を行っている。


市長:先ほど教育委員会からその話を聞きました。今、事実確認を行っているという最中です。現在、警察での取り調べがあるということなので、事実確認の最中ということではありますが、もし同一人物であれば大変遺憾なことです。市長としても怒りを本当に隠せないし、また、教育委員会ではありますが、こんなことがあったということが、事実であればしっかりと対処していきたいと思っています。現在、教育委員会が事実確認を行っていますので、事実が確認できましたら、教育委員会から改めて詳細をご報告させていただきたいと思います。私も驚愕をしたのですが本当にそういうことであれば誠に申し訳ないです。そういう方が、中学校長であるかもしれないということで、大変なことだというふうに思っています。市教育委員会として、退職後でもいろいろな対応が出来ると思います。これが在職中の行為で事件等に関われば、既に退職している方でありますが、何かいろいろな対応を考えなければいけないなと思っています。そのことについてはちょっとお待ちいただきたいと思います。


記者:まだ事実確認中ということなのですが、つい先日は女性の活躍ということで管理職のパーセンテージはこれくらいにしますと目標を発表されたばかりだと思うのですが、ともすれば買春ですとか、児童ポルノというのは、私の中では、そもそも女性を蔑視する考え方があるとそういう商売に手を染めてしまうのではないかなという考えもあるわけですが、もう一度意識改革のようなものが必要ではないか、そもそも女性の活躍を掲げる前に、そのもっと前段の問題ではないかなと思いましたが、そういった問題意識はございますか。


市長戦後何十年かでいろいろ不幸なことがあって、それについてもずいぶん改正もされてきたものの、いまだにいろいろ問題があると思います。黄金町のまちぐるみの取組(注)は、いろいろな意味で街を変えていったというか、改善してきた事例もありまして、横浜市はそういうことについては行政と民間が協力してやってきた事例もあります。アートの街に変換をしてきましたが、そういう問題意識は強くあります。この度の教育関係者のようなことが起きないように、しっかりと取り組んでいきます。

http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/mayor/interview/2015/150408.html

http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/mayor/interview/2012/120620.html


さて、今回の定例会見での市長と記者のやりとりと、平成24年6月20日に行われた市長と記者とのやりとりを比較して読むと、本市の男女共同参画の本質的な問題が見えてくる。市の経営職員職が部下の女性職員に対し、性的発言のみならず、性的行為を行ったことが問題になったときのやりとりである。


記者:市の幹部の方が、セクハラで処分された話が出ています。懲戒事案ではないので、まだ公表されていないのですが、(事実が)あったのかなかったのかを含め、市長の見解を伺えますか。


市長懲戒事案ではありませんので、本来ここでお話することはできないのですが、3月に豊澤保健所長に対し、市長口頭厳重注意を行ったことは事実です。職員の不祥事につきましては、誠に申し訳なく、再発防止に努めていますが、大変残念でして、事実関係を調査した上で、分限懲戒審査委員会での審議を踏まえ、厳正に判断し、対処してきたつもりです。懲戒処分の場合は、社会的制裁という意味合いも含め、公表しているのですが、懲戒処分には至らないものの、その責任を認識してもらい、厳しく戒める必要がある場合は、管理・監督者からの指導として、文書訓戒や口頭厳重注意、これはいわゆる人事的措置ですが、行っています。今回はそういった事情で、御公表はしませんでした。こういった不祥事は、市長として申し訳なく思いますので、今後しっかりと再発防止に取り組んでいきます。


記者:今回は幹部の方だったわけですから、普通の職員の方と比べて、幹部は指導監督する立場であり、懲戒ではないにしろ、幹部がやったということについては、どうですか。


市長:誠に恥ずかしいことです。厳重に注意しましたし、反省していただかなければいけませんし、これから決してこのようなことがないよう、取り組んでいきます。


記者:保健所長のセクハラの件ですが、まず、処分は妥当かどうかについて、疑問を持たれている方もいらっしゃいます。セクハラで懲戒処分を受けている一般職員の方もいる一方で、豊澤さんは注意処分と、何が違うかさっぱりわからないのですが、その辺いかがでしょうか。何が違って、こういった処分なのですか。


市長:分限懲戒審査委員会での審議を踏まえています。(職員による不祥事等については)必ずこの会議を開いていますが、そういった市の見識もあり、しっかりと仕事をしている人達に(委員会で)審議いただいていますので、今までの基準に基づいて厳正に判断し、対処してきたと思っています。


記者 大変言い方が悪いかもしれませんが、幹部の方ということで、お互い良く知っている人達が審査をしているわけで、そうすると御説明いただかなければ、何となく不透明な感じがしますが、全く説明ができないというのは、理解ができません。


(事務局): 職員の懲戒処分に関しましては、先ほど市長が申しあげましたように分限懲戒審査委員会ということで、副市長3名、局区長級6名の合計9名の中で、事実関係を調査したうえで審議をして結論を出し、その上で懲戒処分にするか、あるいは人事的措置にするかを決定していますので、幹部だから処分が甘いということは決してなく、厳正に判断し対処した結果と考えています。


記者: 恐らく、セクハラの基準というものがあると思うのですが、どこからどこまでが注意処分になり、どこからどこまでが懲戒処分なのかが見えないので、分からない。仕組としては分かりますし、そういった具体的な事例に即して恐らく検討しているのだと思うのですが、その辺の判断がどうだったのか、さっぱり見えず、(市のスローガンである)「OPEN」ではないという感じがするのですが、いかがでしょうか。


(事務局): 横浜市では、平成15年に懲戒処分の標準例を策定し、こういうことをやったら懲戒処分で、こういった処分になる、ということをHP上で一般にも公表しており、もちろん、職員にも見られるようにしています。それによって、懲戒処分の判断の公正性、あるいは透明性を確保するのと、一方でそういったものを公表することによって、職員の不祥事を防止する目的で定めました。その中で、例えば、飲酒運転での事故のようなかなり重い刑事処分を伴うようなものについては免職ですし、業務上の公金の横領や、麻薬や覚せい剤の使用は免職ということで、例を明確に示していますが、セクハラは個別の案件毎に事情が違いますので、懲戒処分標準例では、セクハラについては、一番重ければ免職、あるいは停職・減給・戒告と、懲戒処分だけでも4段階の中で判断します。


記者: そうすると、今回のケースは大変軽い(処分)という見方なのでしょうか。


(事務局): 今回の件も、分限懲戒審査委員会の判断ですので、適正な判断、処分だったと考えています。


記者: 一般的に言って、本来、一般職員よりも幹部職員に厳しく接するべきではないかと思うのですが、市長としてはその辺いかがお感じでしょうか。


市長: 私は、分限懲戒審査委員会での審議をきちっとしてもらったと、厳正に判断し対処してきたと思っています。


記者: 市長としては、今回の処分は妥当だとお考えとのことでよろしいでしょうか。


市長: 分限懲戒審査委員会での審議において、今までも、きちっと厳正にやってくださった意見を踏まえてやっています。


記者: 意見を踏まえ、妥当だと判断したということですか。


市長: 御質問の意味が分からないのですが、見方の問題ということがあり、非常に難しいです。先ほどの御質問でも、線が引けないところがあるということをおっしゃっていましたので、今の御質問は悩ましいところです。ですから、基準の中で、分限懲戒審査委員会で今まできちんと審議をされてきている事実を踏まえ、このようにさせていただいているということです。


記者: 外形的に分かりやすいものは、先ほどの(懲戒処分)標準例のようなもので、そのとおりにできると思いますが、セクハラや、パワハラもあるでしょうが、そういったものは、それぞれ当事者の意見や、受ける方と行為した方で受け取り方がかなり違ってくると思うのです。ですから、3副市長と6局長(の分限懲戒審査委員会)の所に、全く関係ない第3者の目が、セクハラやパワハラの特にこの2つについては必要ではないかと思います。市長はよく民間導入をされますので、そういったところがあれば、身内びいきではないのかと言われないで済むと思うのですが、いかがでしょうか。


市長: そう思います。今日、私がなぜ残念に思ったかというと、私が信頼して一緒に仕事をしている副市長以下が、(今回の事案が)幹部だから手心を加えるといったことは絶対にないと思っているので、そう思われること自体、非常に残念なのです。そこは誠心誠意やってきたつもりです。ただ、そう思われても仕方がありません。ましてや、この方は経営幹部です。私も今のお言葉を受け止めて、本当に申し訳なく思います。ですから、今後も、今のお話を受け止めて、考えていかなければいけないことだと思いました。

http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/mayor/interview/2012/120620.html


さて、今年の2月、最高裁は職場で性的発言を部下にした上司に対する降格処分は妥当であると判決を下している。

http://www.asahi.com/articles/ASH2V52D5H2VUTIL01T.html


一方、横浜市の保健所長は、セクハラ処分後3年が経過しているが横浜市保健行政のトップにいる。そして、女性が活躍できるための意識改革を掲げる横浜市。意識改革は難しいのでは。