横浜市立大学のコンプライアンス2014 その1 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市立大学のコンプライアンス2014 その1

横浜市立大学のコンプライアンス2014 その1



新年早々の1月10日の朝日新聞の1面にアルツハイマー病研究の臨床データ改ざんの記事が報道された。官民連携の研究である。

http://www.asahi.com/articles/ASG190H05G18UUPI003.html


経済産業省、厚労省、文部科学省が24億円、製薬会社11社が計9億円を支出し、認知症研究の第1人である東大の岩坪教授を代表に全国38の医療施設が参加している。


しかし、何よりも驚いたのは、その改ざんに横浜市立大学が関わっている疑惑があることが書かれていたことである。「国立長寿医療研究センターと横浜市立大学に対し、重症の人を軽症のように書き換えるように指示した内部文書があるという。」国立長寿医療研究センターが朝日新聞の取材を受けているのに、横浜市立大学は取材に応じなかったと書かれていた。一点の曇りもなかったら、正々堂々と取材に応じればよいものを。


平成25年4月、横浜市立大学の理事長が、元本多常高横浜市副市長から元横浜市福祉局長の田中克子氏に交代したが、取材拒否は誰の指示によるものか、興味深い。横浜市立大学は横浜市民による税金が膨大に投入されている大学である。さらに、横浜市立大学には、現職の横浜市職員の経営責任職が派遣されている。


組織の危機を致命的にするものは隠蔽であると、横浜市のコンプライアンス研修の基礎編にあるにも関わらず、相変わらず旧態依然の反応を繰り返した。コンプライアンス研修も職務として施行されているわけだが、まさに実行ができないなら税金の無駄遣いである。


さて、今やインターネット時代である。当然のことながら、大学を志望する際に、インターネットによる情報は学生達にとって参考となる。もちろん、あふれる情報の中で、情報を選択することは難しい。


Googleで横浜市立大学と検索を検索してみる。

https://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4SUNC_jaJP394JP394&q=%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E5%B8%82%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6 +


大学のホームページの下に、横浜市立大学Wikipedia とある。これを検索すると、驚いたことに横浜市立大学医学部で起きた不祥事が時系列的に掲載されている。どれもこれも新聞等で報道された事件である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E5%B8%82%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6


同様に、横浜国立大学のWikipediaと比較すると不祥事の記載はない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6


これは、大変な違い様である。この違いを、横浜市立大学の幹部職員を占めている横浜市OB職員あるいは、横浜市職員、横浜市立大学を管轄している横浜市政策局が、どのような危機意識をもってとらえているかで、横浜市立大学が大学としての品格を将来どのように評価されることになるわけだが、一連の大学の主要な人事をみていると、それは無理なことだと思うようになった。


上記に示したように、横浜市立大学の理事長が、元本多常高横浜市副市長から元横浜市福祉局長の田中克子氏に交代した。

http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/corp/chairman.html


さて、以下の資料から横浜市立大学にハラスメント防止委員会は平成19年度には存在していたことになる。平成19年度、田中克子氏は横浜市立大学の事務局長であった。

http://www.yokohama-cu.ac.jp/campuslife/life/harassment/pdf110915/110501_1.pdf


Wikipediaにも記載されている横浜市立大学医学部教授の学位審査金銭授受問題は、内部通報によって発覚した。しかし、その内部通報制度が機能しないばかりか、ハラスメント防止委員会が情報漏えいを行ない、さらに通報者への報復人事が行なわれたことが横浜市議会でも指摘された。


横浜市議会のみならず、国会の文科省の委員会でも、公明党富田議員によってこの横浜市立大学の体質が指摘された。決して忘れてならないことは、この当時の大学幹部が田中克子現理事長であったことである。真の教育者のリーダーに求められる品性とは何かという問題でもある。


経営者として知られる稲盛和夫氏の著書から引用しよう。

人の上に立つリーダーにこそ才や弁でなく、明確な哲学を基軸とした「深沈厚重」の人格が求められます。謙虚な気持ち、内省する心、「私」を抑制する克己心、正義を重んじる勇気。・・・一言でいえば、「人間として正しい生き方」を心がける人でなくてはならないのです。


再度、元民主党高梨議員の発言を添付しよう。

 ◆(高梨委員) 今回の再調査申入書は、大学だけではなくて本市あてにも出されているわけです。言ってみれば大学のハラスメント防止委員会が渦中の教授と密接な関係にあって、ほとんどすべての情報がいち早くこの教授が知るところになっていて、公正に機能してはいない。だから大学だけではなくて本市もあわせて調査してほしいという理由が述べられているとお聞きしたのですが、それは事実ですか。


◎(神谷大学担当理事) 詳細は個人情報になりますので申し上げられませんけれども、・・・。


横浜市行政職が常に使用する常套文句。個人情報という都合よく使いわけるごまかし。これでは、こどもたちが尊敬する大学には到底なりえない。結局、2014年の新年早々から、横浜市立大学は朝日新聞の一面で話題となった。