子宮頸がん征圧をめざす専門家会議主催の勉強会 その1 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

子宮頸がん征圧をめざす専門家会議主催の勉強会 その1

子宮頸がん征圧をめざす専門家会議主催の勉強会 その1


822日、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議主催の「これからの子宮頸がん予防対策、成功事例に学ぶ」勉強会に出席した。勉強会の問い合わせ先が、NPO法人子宮頸がんを考える市民の会。


子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の堀内吉久氏から「子宮頸がん自治体調査結果2012報告」と題して、横浜市立大学付属病院化学療法センター長・産婦人科准教授の宮城悦子氏からは「これからの子宮頸がん予防対策」と題しての講演だった。


この講演に出席するにあたり、私なりに調査を行ってきた。平成2291日に発信された東京大学大学院保健政策学の森臨太郎・渋谷健司氏の文書は非常に参考になった。そこには、当時、あまり一般的には問題視されていなかった子宮頸がんワクチンの利益相反のことが書かれていた。

http://medg.jp/mt/2010/09/vol-274.html


“ワクチン接種に要する費用やヒトパピローマウイルスの型の分布が国ごとに大きく異なるため、他国で行われた費用対効果分析はさほど参考にならない。我が国では過去に一件の子宮頸がん予防ワクチンの費用対効果分析が行われているだけである。



しかし、この研究、実はワクチンを販売している製薬企業が研究資金を供出し、その製薬企業の社員も研究者の一員として共著者となっている。研究費のことや 研究者のことは論文上には示されているが、利益相反の有無に関する記述が全くないことには唖然とする。


しかも、我が国特有の事情である子宮頸がんスクリーニング率の驚くべき低い浸透度(1020%、ちなみに、英国は81%、米国は82%)への対処は検討されておらず、さらに、欧米とは大きく異なる我が国のウイルス型分布は分析には反映されていない。”



その先見性のある発信にも関わらず、その論文を元に子宮頸がんワクチンの無料化は推進された。そのことも認識した上で、私は宮城悦子医師の講演を聞いた。



子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨中止の指示が厚生労働省から出されていたにも関わらず、勉強会での宮城悦子医師の主張は、「子宮頸がんワクチン推進」に一貫していた。


そのときの発言メモを示すと、厚労省が勧奨を中止したことは、将来汚点となる残念だ。WHOが安全性を認めているのにマスコミは、WHOの安全宣言などの情報を流さず、数人の重篤患者を意図的に取り上げ騒いでいる。



メディアのモラルを教育すべきだ。世界の産科医会から厳しい指摘を受けていて私もこまっている。厚労省や私たちは、患者団体から圧力を受けている。ワクチンを接種して副反応を発症した一部の患者さんのみを取り上げて騒いでいる。



(宮城悦子医師)の娘は接種してもなんともない。私(堀内吉久氏)の娘もなんともない。一部の副反応の患者さんを特化して取り上げているのはおかしい。外国では重篤な副反応が少ないが、日本はそれに比べて比較的多い。それは日本人が、海外に比べて「失神関連症例の発現」が多いからではないか。



現実に出現した副作用の多さに、定期接種開始後、たった2カ月で積極的勧奨中止を決定した厚労省の判断を私としては賢明な選択だと思っていた。子宮頸がんの予防には、がん検診という有効な方法もある。


だから、宮城氏の発言の内容には非常に驚いた。患者側によりそうはずの医師が、被害者たちの副作用の訴えを謙虚に受け止めていない。これでは、患者側に軸足をおくのではなく、学会という権威に軸足をおいているように思えてしまう。


今までにお会いした医師の先生方から、「医学における真の教師は、私達が診療をしている患者さんたちなのです。」と教えてもらっていただけに、私にとっては、にわかに信じがたい発言が目の前で繰り返されたのだ。


講演が終わり質疑応答となったので、私も質問させていただいた。「子宮頸がんワクチンで子宮頸がんが予防できたという実証されたデータがあるのか?」という、最も大事な質問である。なぜなら、実証されていないワクチンに公的資金を導入する必要性がないと思うからだ。


すると、宮城悦子医師は、「実証されたデータはない。」と回答された。さらに「データがない中で何を持って有効と決めたのですか?」と伺うと、「今後5~6年で、そのデータが発表されるはずだ。」と回答した。



この質疑応答の中でわかったこと。それは真の効果が実証されていない中で、公的資金が投入されたことと、世界的にも子宮頸がんワクチンは臨床実験の状況下にあることだった。


つまり、このワクチンの効用の正しい表現は、「子宮頸がんを予防できる可能性がある」であって、「子宮頸がんが予防できる。」ではないはずである。・・実は私も当初、同じような認識をしていた・・・。


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