横浜市の鳥インフルエンザ対策 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市の鳥インフルエンザ対策

横浜市の鳥インフルエンザ対策



625日の読売新聞に、「横浜市が鳥インフルエンザの検査を衛生研究所から、別の施設へ変更する方針を決めた。」と報道されていた。


横浜市は現在、人のインフルエンザの検査も鳥インフルエンザの検査も横浜市衛生研究所という同一施設で行っている。


以前、「WHOの鳥インフルエンザに関する基本ルールでは、交雑によるウイルスの変異を避けるため、人と動物のウイルス検査を同一施設で行ってはならない。だから、横浜市の体制はおかしい。」と、このブログでも指摘させて頂いた経緯がある。

今年、中国で発生した新しいH7N9の鳥インフルエンザはその後、新たな展開を示していないが、今後も油断はできないだけにこの新たな方針に安堵した。

そもそも、然るべき知識のある医療専門職が然るべき部署に配置されていれば、横浜市は人のインフルエンザと鳥のインフルエンザを同一施設で検査することを開始しなかっただろうに。

人のインフルエンザウイルスと鳥のインフルエンザウイルスの交雑の危険性を考えて、新しく変異するウイルスが出現するのを防ぐのは医療専門職として基本中の基本なはずだが。

その後、環境創造局に確認してもらったところ、神奈川県も川崎市も、人のインフルエンザと鳥のインフルエンザはWHOの基本ルールに従って、別の施設で検査されている。

読売新聞によると、「WHOの鳥インフルエンザに関する基本ルールでは、交雑によるウイルスの変異を避けるため、人と動物の検体を同じ実験室で扱うべきではないとされている。」と書いてあったが、私の理解は違う。同一施設であってはならないと記憶している。

そして、私の指摘に対して環境創造局の専門職は、人のインフルエンザを検査している横浜市衛生研究所が鳥のインフルエンザウイルスの検査を行ってきたことに対して、課題があったことを認めた。私は、その専門職としての誠実さに敬服した。

一方、同じことを健康福祉局に問い合わせたところ、老朽化した衛生研究所の現実を顧みず、「渡り廊下でつながっている別館で行っている。検査をしている人が違うから大丈夫だ。」と主張していた。

人と鳥のウイルスが交雑しウイルスの変異が起こり、新しいウイルスが発生するようなことが起こったら、取り返しがつかないことになるはずだが、私の提案に対して健康福祉局は全くその方針を変えるつもりはなかったようだ。

人のインフルエンザと鳥のインフルエンザを同一施設で検査している横浜市衛生研究所の不備体制をテーマとした私のブログを見た複数の報道関係者より問い合わせがあったので、具体的な説明をした。そして、一部の報道関係者が環境創造局など横浜市を始め他都市の状況も取材したようだ。


この様な背景の中で環境創造局は、健康福祉局と意見交換。そして、今回の読売新聞の報道である。環境創造局担当者や専門職職員の勇気ある提言と迅速な行動力には恐れ入った。

結局、その組織の上に立つリーダーの姿勢が反映する良い事例だったと思う。


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