横浜市こども青少年局の姿勢 その2(児童虐待) | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市こども青少年局の姿勢 その2(児童虐待)

横浜市こども青少年局の姿勢 その2(児童虐待)



横浜市に児童虐待の痛ましい事件が起こる度に、繰り返される議会での委員会審査と外部有識者による第三者委員会。児童虐待プロジェクトに、児童虐待連携プロジェクト。しかし、いつも区役所の人員体制あるいは児童相談所の整備体制の議論が十分行われてきたのだろうか?


平成22年8月、横浜市港北区の木箱に入れられ窒息死した事件と大阪市の2幼児遺棄の事件が起こった時、指摘された問題は行政側の整備体制だった。児童虐待件数が増加する中で、実際、その対応をする児童相談所の児童福祉司の数が少なすぎる。


米英やカナダ、韓国のケースワーカー1人当たり抱える児童虐待件数は平均約20件。これに対し、日本の児童福祉司は107件という研究結果があると、読売新聞(平成22年8月)に掲載されていた。長時間の張り込みや頻繁な訪問をしたくても、案件が次々と舞い込み、1件1件に時間がかけられないのが、現実ではないだろうか?


平成16年、17年と横浜市栄区では2年連続して重大なこどもの虐待事例が起こり報道された。その事件を受けて、こども青少年局の前進であった子育て事業本部が、児童虐待の早期発見と早期予防のために区の福祉保健センター強化のための増員、あるいは児童相談所の増員に力を入れた形跡は皆無である。


平成18年、横浜市中央児童相談所で起きたアルバイトの男性保育士による女児へのわいせつ行為の事件は、虐待を受けたこどもを守る「安全な居場所」であるはず一時保護所のイメージを根底からくずした。


その事件を受け、児相の質的なレベルアップ、専門職員の養成、児童相談所への常勤職員配置などが課題となり報道された。神奈川新聞は「一時保護所の子どもたち」という題で特集を組み掲載した。その取材能力に非常に驚かされた。


その後、痛ましい児童虐待事件が横浜市に毎年のように起こっているが、同レベルの掲載記事が神奈川新聞では皆無となった。そんな事件後の平成19年に、こども青少年局の求人情報を検索したが、児童相談所相談調査員も日中指導員もアルバイトで募集していた。


平成19年5月に児童虐待防止法が改正され、平成20年4月1日より、重大なこども虐待事例について、分析や、児童虐待の防止のための調査研究および検証を行うことが、国及び地方公共団体の責務とされた。


平成20年6月には厚生労働省は児童虐待相談件数が4万件を超えると公表。なんと、その相談件数の最多上位3位に横浜市があげられていた。この数字を見て、横浜市のこども青少年局と人事組織課は危機感をもったのだろうか?


そもそも、児童虐待の事例は、様々は要因が絡み、対応には丁寧な調査と時間がかかる。したがって、区役所あるいは児童相談所にいる児童福祉司の専門職員増員は急務であったはずだ。


瀬谷区では、平成23年1月、24年6月は児童虐待の重篤な事件が繰り返し起きた。しかし、職員の大幅な増員はなく、いかに現場が多忙であるかの予想がつく。


平成23年1月に死亡事例が起きた後、瀬谷区における体制の分析と改善は急務であったはずだ。24年6月に児童虐待の重篤事例が起こった時、自ら瀬谷区の実態調査を行ったが、死亡事件後の23年度に瀬谷区として現場の仕事環境の調査を丁寧に行い、職員の仕事環境の改善を図った形跡はなかった。


つくづく思うことだが、現場を十分みてこなかった幹部職員には根本的解決の施策は、まず期待はできないと痛感している。残念なことだ。
児童虐待の早期発見と早期予防のために区の福祉保健センターが果たす役割が大きいと言われて久しいが、常勤職の大幅な増員が図られているのだろうか?


平成20年に児童相談件数全国3位という公表を受けた後、横浜市人事組織課とこども青少年局はどのような連携をして、児童福祉司の増員を図ってきたのだろうか?


林市長は現場主義という言葉を良く使うが、児童虐待対策における現実的な対策ということは、単なる連携だけで解決される問題ではない。何度も行われる検証委員会だが、個々の事例に関する検証だけで、児童虐待対策のシステムの構築に対する言及がほとんどない。


声高に、“連携、連携”と言ったところで、1事例に対し対応する職員の体力と時間を確保しなければ何も変わらないはずだ。


平成25年度、私は市民・文化観光・消防委員会の委員長となった。横浜市には、文化を語る局がある。横浜市は国際都市しての自負があるかるかもしれない。しかし、横浜市は児童虐待対策において、国際都市として欧米、韓国などの諸外国に対して誇れる先進的な対策を行ってきたといえるだろうか?


国際都市としての横浜市役所の評価を行うのは、あくまでも横浜市民であり、外部の人間たちであることを横浜市職員も議員も忘れてはならない。


人間として、子供たちをどう守るか。今こそ、横浜市の品格のある組織文化が問われているのだが、果たしてどうであろうか?今年は、その確認を行う重要な1年だと思っている。

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