横浜市の健康危機管理 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市の健康危機管理

横浜市総務局ー産業医ー健康危機管理


2月20日の市長会見で、職員の残業時間が1663時間に達した問題で、林文子市長が「職員に申し訳ないし、あまりにもひどい。絶対になくしたい。」と改善を誓った。― 今日の神奈川新聞に掲載。


さらに、林市長は残業時間が最長となった職員について「放射線物質への対応で一番仕事に追われた人」と説明。「いくら緊急であっても、もっと仕事が分けられなかったのか」と指摘し、「もっと責任と意識を持って職場のマネジメントを行うよう職場の責任職に指示した。」と述べたとあった。


市長発言からこの職員は健康福祉局の所属であり、当時の放射能対策部の責任者は大場副市長、事務局は健康福祉局、その時の局長は立花 現危機管理監。


市長は、「もっと責任と意識を持って職場のマネジメントを行うよう職場の責任職に指示した。」とあるが、一体誰に指示したのか。誰に指示すべきなのか。


総務局は、平成17年に改正された労働安全衛生法の位置づけを市長に説明したのか? 過重労働対策は、首長の意思に左右される問題ではない。


厚労省は、長時間労働に伴う健康障害の増加が深刻化したため、過重労働による健康障害防止対策を労働安全衛生法改正の柱の一つとして位置づけ、長時間労働者への医師による面接指導の実施を義務づけた。(安衛法第66条の8)


つまり、事業者は、労働者の週40時間を超える労働が1月あたり100時間を超えた場合に、医師による面接指導を行わなければならない。過重労働対策を誤ると、事業者は安全配慮義務違反を問われることになる。つまり、法律遵守の是非の問題でもあるのだ。


また、新聞記事によると林文子市長は、「管理監督者に対する研修、超過勤務が多かった職員に対し、産業医などのフォローもしっかりやっていかなくてはいけないと言及した」とある。


市長は、横浜市の産業医が置かれている実情を全く認識していないらしい。一度、総務局人材育成・職員健康担当部長や職員健康課長から本市の産業医の数が足りているのか(法的根拠)など実情を聞いてみたらどうか。現場に行き、産業医・健康管理医(医師)に寄り添って、実態を聞くべきである。


私は「労働安全衛生法、産業医、健康危機管理」などは、昨年の決算総務局審査でも指摘したことであり、ブログでも警鐘してきた。


そしてさらに、驚いたことは、この長時間労働が健康福祉局で行われたという事実である。健康福祉局には、健康管理医といわれる横浜市職員の健康管理を行う行政医師が一番多く配置されている。



今回の問題は労働安全衛生法を認識し、職員の健康管理を行う立場の横浜市の行政医師幹部が、適切な管理が出来なかったことを露呈したようなものだ。


林市長ご自身が、きちんとした情報収集を行い、職員に寄り添った判断を行っていれば、このひどいマネジメントも改善することができたかもしれない。


新聞記事にある市長の「しつかり改善したい」に、期待をする。