横浜市ノロウィルス集団感染 その8
横浜市ノロウィルス集団感染 その8
いのちを守る政党としてのあるべき姿
公明党は平和の党、人権の党、いのちを守る政党として発信を行ってきた。
私は「横浜市行政は事業の検証が貧弱である」と指摘してきたが、一方、1議員として、1政党のメンバーとして、横浜市行政の監視を行い、組織の改善を行ってきたかなど、自らの仕事を検証する必要がある。
また、先輩たちの仕事をきちんと受け継いできたかを、確認する必要があるとも思っている。
今回、ノロウイルス集団感染に対する横浜市保健所の弛緩した無責任体制の芽は以前から横浜市衛生局に存在していた。現健康福祉局と病院経営局の幹部職員の名簿を確認すれば、当時のメンバーが昇任して局の中枢を占めていることがわかる。
問題は、我々がその芽を摘む努力をしてきたのか?ということだ。
そして、当局側の説明のみを鵜呑みにしないで、自ら調査を行ってきたかという2点である。「調査なくして、発言なし。」は、公明党の結党以来の行動指針でもある。
念入りの調査の上での質問の前では、卓越した言い訳も無効となる。
甘い質問は、我々が仕事をしていないことを明白にするようなものだ。
当時、新聞にも大きく報道された、平成16年10月5日の決算第一特別委員会での大滝正雄元議員の衛生局に対する厳しい質問と指摘を思い出した。http://giji.city.yokohama.lg.jp/kensaku/cgi-bin/WWWframeNittei.exe?USR=kanyoks&PWD=&A=frameNittei&XM=000100000000000&L=1&S=15&Y=%95%bd%90%ac16%94%4e&B=-1&T=0&T0=70&O=1&P1=&P2=%91%e5%91%ea%90%b3%97%59+&P3=&P=1&K=202&N=1624&W1=&W2=&W3=&W4=&DU=1&WDT=1
平成15年、大滝議員は福祉衛生環境保全委員会の委員長だった。しかし、横浜市立脳血管医療センターで起きていた医療過誤を当時の衛生局幹部はその事実を委員長に対して話さなかった。
◆(大滝委員) 私は昨年、福祉衛生環境保全委員会の委員長といたしまして、市立病院の経営改革についての議論を丸1年かけて行ったわけですが、そのリーダーシップをとらせていただきました。
昨年の1年間、経営改革の問題について時間をかけさまざまな観点から議論をしてきただけに、今回の医療過誤問題、私は2つの点で大変大きなショックを受けました。
その1つが、実は経営改革の審議をしている真っ最中に起きていたということです。もう1つは、私どもの委員会における病院経営改革の議論というのは5月の末に終わっているのですが、この5月末に至るまで委員会にこのことが一回も報告されなかったということなのです。-略―
今回の手法と全く同じである。各区役所に情報を伝達する時間的余裕は十分にあったはずだ。だが、記者会見まで報告しない。非常に類似している。
大滝議員は衛生局の体質を隠ぺい体質、弛緩した無責任な体質と断じている。さらに、飲酒事件についても言及した。
◆(大滝委員) 人の命を預かっている最前線の現場で仕事をしているという組織全体の責任感とか緊張感の欠如があらわれた事件として、同じ脳血管医療センターで飲酒事件というのがあったわけです。
このときに非常に厳しい反省をされました。委員会においても議会の場においても陳謝されました。そのときの反省というのは今の時点においてもまだ生きていないと判断せざるを得ないのですけれども、これについてはどうですか。
◎(渡辺衛生局長) 今先生がおっしゃいました飲酒事件というのは平成14年11月に発生した不祥事でございまして、センターの責任感や緊張感の欠如、安全管理に対する認識の甘さが厳しく問われた事件でございました。
今回、内視鏡手術調査委員会報告書におきまして、組織運営のすべてについて見直しを行うため関係者全員で議論し速やかに対応策を策定し実行するよう指摘をされたことは、事件以後の我々の取り組みが組織全体の認識の甘さを変えるまでに至っていなかったということでございまして、真摯に受けとめているところでございます。
皮肉なことに、この飲酒事件を起こした医師の幹部は未だに脳血管医療センターに勤務しているし、事務職幹部職員は順調にその後昇任している。
人の命を預かって最前線で仕事をしていた飲酒事件を起こしていない当時の医師達全員が、センターから去った。反省など微塵もない不祥事を起こした側を温存した人事を行った。そして、不祥事を指摘した側へのパワハラを行った。
さらに、病院の立ち入りの調査を行う初代医療安全課の課長についての言及がある。
◆(大滝委員) ―略― 今月1日に医療法第25条の規定に基づく立入調査というものをされました。私は新聞発表でも承知いたしましたけれども、この立入調査は衛生局の医療安全課が行ったのですけれども、指揮をした課長さんが実はこの4月まで脳血管医療センターの管理課長だったということがきょうの新聞にも出ています。これはだれが見てもやはり指弾されてしまう。
これも横浜市でよく行われる常套手段の人事である。自分が行った不祥事を自らが調査したり、判断したりする側に異動するという人事。
結局、永い年月が経過しても横浜市衛生行政の無責任体質を少しも芽を摘むことができなかった現実を今回は見せつけられたように思う。
まさに去年の12月27日は人の命を預かって最前線の現場で仕事をしている部下達の報告を忘年会で聞くという、横浜市保健所という組織の責任感と緊張感の欠如があらわれた日だったと思う。
今年度、健康福祉局を審査する常任委員会の委員長は公明党である。そして、1月18日の常任委員会で今回の横浜市緑区の病院でおきた大規模なノロウイルス集団感染が議論されることとなった。
いのちを守る党として内外に発信している以上、この弛緩した横浜市の健康危機管理体制を改善すべく率先した議会での指摘を期待したい。
そして、1回限りの議会での質問で終わるのではなく、改善を具体的に保健所が示していかない限り、我々議員の仕事の実現力を問われることを肝に銘じるべきであろう。