横浜市財政局の現実 その1 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市財政局の現実 その1

横浜市財政局の現実 その1


「横浜市改革エンジンフル稼働」という東洋経済新報社から出版されている本があり、その見出しの威勢のよさときたら、首をかしげたくなるようなものがある。 “ヨコハマから日本が変わる。巨大市役所、3万人職員の挑戦。成果と課題を検証する。“と。



別にその後、ヨコハマから日本は変わらなかった。コンプライアンス推進ひとつとってみても、繰り返す不正経理を放置するほどの怠惰さ。不正防止内部通報制度もまともに機能しないから、議員側に通報がある始末だ。


林市政になっても状況は同じ。議会でも答弁の表現や手法も同じ。発展がなければ、進歩もない。それもそのはずである。中田市政当時の都市経営局、行政運営調整局の局部長の名簿を見れば、林市政の体制はそのままのメンバーで最高幹部が占められていて、運営されている。



だから、女性初の市長と期待しても、何か大きく変わるわけがない。中田市長は任期途中で横浜市を去ったが、中田体制はそのまましっかりと残った。ものが言えない組織風土を中田市長とともに作り上げ、中田市長に対し極めて従順であったメンバーに改革など期待することが無理な話だ。



さて、それでも気を取り直して、財政局の審査の準備に取りかかった。横浜市の財政は半端な額ではない。1兆円を超える大きな額である。この莫大な財をいかに効率よく運営し、その成果を具体的に検証し評価するシステムが構築されていることが、未来像を描くうえでも重要な課題であるはずだ。


少子高齢化に伴う10年、20年先の収入の予測。医療、福祉、介護等の支出の増大をどう抑制するか。また、各事業の優先順位の基準確立など、問題は山積している。他局の作文政策にはいつも辟易しているだけに、財政局に対しては、さすがに数字を使った上での局区の客観的調査と分析結果を期待した。


ところが、各区局からの事業に対する客観的評価基準(評価システム)もなければ、その基準に従っての分析もない。また、現場に赴いて深く具体的な調査もしていないから、事業に対する理解も浅い。これで、事業の成果あるいは不作をどう評価するのだろうか?


財政局は事業計画書と事業評価書があると反論する。しかし、その「事業評価書の記載要綱」には、「この事業評価書は、あくまでも個別事業を自己点検するためのものです」と。


さらに、その計画書・事業評価書の中には「本資料は、公正・適正に作成しました」と最初から記載されている。何故かとの問いに財政局の職員曰く、「以前 “うそ” が書かれていたから」との説明。


また、事業評価書の中には、事業の方向性について記載する箇所がある。「拡大・現状維持・縮小・休止・廃止」など申請者が判断をする。しかも、予算の申請時にだ。


縮小・休止・廃止の申請がいくつあるのか。予算取りのために精一杯の作文を書いてくるとの話も。本市の約3000もの事業(今回突然事業の数変更)を、少人数で担当し精査するという。精査する評価システムなどない。担当者それぞれの “判断” との説明。一度、「事業計画書・事業評価書」と、その「記載要綱」の一読をお勧めしておく。


全事業とはいわないまでも、今後横浜市の財政に大きく影響を与えると考えられる事業に関しては、深く掘り下げた検討を行ってみるなどしても良いのに、工夫がない。甘い自己評価と自画自賛の体質を容認している風土が残念だが財政局にもあった。


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