危機的な横浜市男女共同参画 その２

危機的な横浜市男女共同参画　その２

保健所長セクハラ問題に対する横浜市女性幹部職員の姿勢は大丈夫なのだろうか？

最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である。沈黙は暴力の陰に隠れた同罪者である。マーテイン・ルーサー・キング牧師が残した名言である。見て見ぬふりをするのは、確かに楽だ。しかし、大人のその姿勢は常に大きな被害をもたらす。

昨今、大津市の中学校いじめ隠蔽問題が大きく報道されているが、この横浜市においてもひとごとの問題ではない。7月15日に報道された横浜市金沢区の小学校のいじめ。学校側が同級生の報告を見抜けなかったと指摘されていた。全く同じ構図である。

こども達が勇気をもって報告しても、大人たちが対応しない。その態度が、どれだけこども達の心を傷つけるか。しかし、大人たちは、あたかも“いじめ対策”を行っているかのように発信する。いじめ110番を開設している。

http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/soudan/soudan4000.html

横浜市のホームページで確認したが、今回の金沢区の小学校のいじめ問題が、横浜市教育委員会によって報道発表されている形跡がない。

さて、教育委員会担当副市長でもあった前山田正人副市長の提言を示す。“オリンパスの損出隠し、大王製紙の不正貸し付け、原発事故後の東電の対応。危険性に見合った安全対策を十分に講じていなかったこの三つの企業の共通点の一つが、社内の役員に女性が登用されていないことだった。

女性役員は職場での意思決定時に、少数意見を持つ人に多数意見に合わせるよう強制する「同調圧力」が低いという。また、少数意見は組織を活性化すると。

もう一つの共通点は、社外の空気を読めないと述べている。つまり、数十年同じ職場の空気を吸ってきた役員は、過去からの経緯や伝統を引きずり外部からの視点を軽視しがちだと。

そして地方自治体を例にあげ、首長も議員も女性が増えている。４年ごとに選挙で選ばれた議員が首長の行政執行をチェックする仕組みがあり、少なくとも「独善」を防ぐ制度がある。“女性は不正に対し、見て見ぬふりをしない。女性を幹部職員に登用したほうが組織の隠蔽体質は改善するとでも言いたかったのだろうか？

横浜市の平成24年度の人事異動を見てみると、女性局長、女性区長の数が確かに増えた。男女共同参画推進を図る市民局長は女性。女性区長は瀬谷区長を含め4名となった。確かに数は増えた。まさに林文子市長による女性の幹部職員への積極的な登用である。

しかし、少なくとも横浜市においては、女性の幹部職員への積極的な登用が、上記に示すような自浄作用が働くとは期待できないと私は思っている。

青葉区の育児支援放置後のこども死亡事例問題が起こったとき、「低栄養」という重大な所見を言わなかった(隠していた)医師、保健師の部課長、係長の全員が女性であった。

さらに、 “保健所長セクハラ問題”を、前年度まで取り扱い、処分までの段取りを行った人事部長は女性である。問題未解決のまま、無理やり終了として片付け、ご本人は昇任し異動している。

現在、相談者達が詳細な説明を求めても、現人事課長は説明を拒否。会おうともしない。前人事課長よりひどいことになっている。

保健所長が女性職員の尻を触りながらも市長口頭厳重注意、文書訓戒という軽い処分で「問題ない！」と判断した弁護士の名前も相談者に教えない。

保健所長が、相談者の許可なく行為者としての見解を一方的に自分達が主催する会議の場において発信し、そのことでセクハラの二次的被害にあっていることを人事課長に訴えても、人事組織課は行為者側に軸足を置き、ろくな調査もせず、対策をとらない。まさに、これこそ無視というパワハラである。大人の陰湿ないじめである。

こんな状況で、横浜市が男女共同参画を推進していると外部に発信できると思っているのだろうか。

危機管理時に市民の命を守るトップである保健所長のセクハラ問題である。役所の外では非常に大きなインパクトを与えている。もちろん内部でも。果たして、女性最高幹部職員たちは役所の内外の空気を読めているのだろうか？

横浜市の公務員のお父さんとお母さんたちは、セクハラという犯罪行為を隠蔽していると言われてもしかたがない。家に帰って、自分たちがしている仕事の内容を果たして家族に話せるのだろうか？話せない仕事を、こども達のためにもするべきではないだろう。

保健所長のセクハラが報道されても

何の対応もしない議員にも

同じことが言えるわけだが・・・。