横浜市こども青少年局の児童虐待対策(平成24年度) その3 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市こども青少年局の児童虐待対策(平成24年度) その3

横浜市こども青少年局の児童虐待対策(平成24年度) その3

無理心中は想定外だった!(鯉渕信也局長答弁から)




615日、読売、朝日、神奈川、産経、毎日、東京新聞に14日に開催されたこども青少年局常任委員会で明らかとなった港北区母子心中の経緯が報道された。




記事には殺害にいたるまでの港北区役所と保育園、児童相談所の対応、そして鯉渕信也局長答弁、林文子市長の会見での発言などが掲載されていた。インターネットで検索できた記事を以下に添付する。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120615-OYT1T00233.htm

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001206150004

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20120615ddlk14040198000c.html



14日、こども青少年局の常任委員会開始とともにモニター中継を私は見た。局長答弁が始まったとき、自分の目を疑った。局長が嗚咽をもらしながら、職員が落胆している、落ち込んでいると話し始めたからだ。




まず、子どもが亡くなってしまったこと、平成20年から4年にわたり、区役所へ41回訪問し、役所職員が18回家庭訪問しながらも追いつめられ 子どもを殺してしまい 逮捕に至った母親の残念な結末に対しての涙が最初であるべきであろうに。常任委員会後、私と同じような感想をもった委員もいて、話題になった。




瀬谷区役所の現状もそうだが、要支援の数が非常に多く、現場の職員は非常に疲弊している。東京新聞の記事にも書かれていたが、実際、横浜市の職員が一人あたり受け持つ虐待件数は、全国の平均より約14件も高く44.5件であるという。そのような状況を改善しないでおきながら、なぜ局長は嗚咽をもらしながら、“職員がかわいそう。”というのか全く理解ができなかった。




局長自身、実際、要支援カンファレンスに参加したことがあるのであろうか? 児童相談所に自ら出かけて行って、自分の目で現場を確かめてきたことがあるのであろうか? あるいは、自身の職歴の中で、区役所という現場において窓口対応や市民対応等の経験をどれだけの期間積んできたのであろうか?




我々議員は必ずことが起これば現場へ行く。現場に行かずして、客観的な判断ができるわけがない。まして、“こどもが亡くなる。”という大きな事件が港北区では二度も起きているのだ。




こどもが木箱に入れられ窒息死したのは平成211119日。今回の事件で母親が初めて児童相談所に訪れたのが、平成21424日。ほぼ時を同じにしている。さらに前年の平成20年11月28日には、実母自ら「精神的な不安定さについての悩みがある!」と訴えていた。




平成22年度、木箱の事例に対し、こども青少年局は検証したことを発表しているが、改善への提言など今一度その中身を精査しようと思う。

http://www.city.yokohama.lg.jp/kodomo/katei/file/shiboujireikensyou22.pdf



平成22年港北区、戸塚区で起きた児童虐待事件をきっかけに、横浜市は市長直轄で児童虐待プロジェクトを大々的に設置したわけだが・・・。その後、プロジェクト事業に対する評価はどのように行っているのだろうか? 全くみえてこない中での、この有様だ。(待機児童のプロジェクトだけの効果は発信しているが・・・。)




また、局長は、“無理心中は判断が難しい。想定外だった。” という論調を委員会では貫きとおした。“想定外” という言葉は、慎重に使うべきだと私は思う。




平成227月に厚生労働省が発表した “こども虐待による死亡事例等の第6次報告” にはこう記載してある。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv37/dl/6-11.pdf

心中事例は、子どもを殺害した上で、加害者が自殺したとも考えられる(心中未遂の場合は、加害者は自殺未遂をしたと考えられる)。




つまり、心中事例では、子どもを殺害することに加え、加害者が自殺をしなければならない状況に追い込まれているとも考えられ、育児をはじめとする様々な悩みや不安等について、保護者が相談しやすい体制を整備するとともに、地域の母子保健対策や自殺予防対策と連携して取り組むことが必要である。




国は、平成22年に心中をも考慮した対策の指針を上記のように発信しているのだ。“難しい。想定外。” と答弁すること自体、恥ずべきことではないだろうか。




結局、常任委員会において、こども青少年局は始終、組織防衛にこだわり、自らの問題点を挙げなかった。人事と財政を掌握しているのは、区役所ではなく本庁の局であるにも関わらず。


勿論、人事を司る総務局がどうしてきたかも調査すべき問題である。



15日の午後、板坂健治 虐待・DV対策担当部長に更なる調査のため問い合わせをしたところ、区役所を回っていて留守だった。一体全体、今頃区役所を回って何をしたいのだろうか?




こども青少年局という本庁幹部の仕事の仕方・改善こそが、こどもの命を救う鍵であると私は思っている。できもしない作文と、改善もしない検証とに金と人をかけることだけは、いい加減にやめてもらいたいものだ。


不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba