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横浜のストロンチウム

横浜市の放射線対策部
横浜市のストロンチウム検出の是非について



311日から国民は、行政や放射線の専門家などの権威が発信することを信頼できなくなってきている。




政府が原子炉のメルトダウンの公表を迅速に行わなかったこと。NHKが福島原発の爆発映像を放映しなかったこと。そして、文部科学省が管轄する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を速やかに公開しなかったこと。等々・・・ そのことに気づいた。



一方、横浜市では放射線対策部の判断は健康福祉局の健康安全部が行っている。たった一人の保健所長と横浜市大医学部放射線科井上登美夫教授が、本市放射線対策のブレインである。何といっても彼らは医師である。


彼らが“流通しているものは安全だ”という考えを展開させ、最悪な事態を想定しなかったから、多くのこども達に汚染牛を食べさせてしまった。市民は横浜市の健康危機管理が脆弱なことに気づいた。



保健所には地域の状況を十分に把握し、発生が予想される健康被害に応じた対策を講じることが要求される。つまり、健康危機を未然に防ぐことが仕事なのだ。また、保健所の専門家達は、健康危機に際して落ち着いて適切に対応する力量を身につけることが要求される。


残念ながら、福島原発の放射能汚染においてその力量を備えていたのは、横浜市大医学部の放射線の教授でもなければ、保健所長でもなく、子どもたちのお母さんたちだった。

内閣や文部科学省、NHKや医師などは、一種の権威を持ち合わせている存在である。もちろん見方によっては、横浜市役所や横浜市会議員もそんな存在かもしれない。



権威をもった存在を誰もが信頼したいと思う。信頼していたほうが楽なこともある。

しかし、権威の小さな矛盾や嘘には気づかなくとも、大きな矛盾と嘘が見えてしまうと、それを無視することが難しくなる。



25日、以下のような報道が全国に発信された。

横浜市港北区の泥などから放射性ストロンチウムが検出された問題で、文部科学省は二十四日、“福島第一原発事故とは関連がない”との見解を発表した。市から送られた泥などの分析で、半減期が約五十日と短いストロンチウム89が検出されなかったことなどから、“過去の核実験の影響とみられる”と結論づけた。(東京新聞)




そもそも、横浜市のストロンチウムは、7年のマンションの屋上の堆積物を市民の方が同位体研究所に検査を依頼し初めて検出された。土壌ではない。7年のマンションの屋上であるならば、核実験、あるいはチェルノブイリの影響をあまり考えなくてすむ。


真剣に福島原発事故由来のものかを解明する気がある科学者ならどうするであろうか?まして、そのマンション屋上の堆積物からは約10万ベクレル/kg以上のセシウムが検出されているのだ。福島原発事故以外の影響の少ないマンション屋上の検体を調べたいと思うはずだ。


一方、本市の放射線対策部はどうであろうか?

健康福祉局健康安全部長(保健所事務職の最高責任者)は、“民間の建物だから”という理由で、市民の方が提供するマンション屋上の堆積物(検体)の文科省への提出を断った。


また、今までに協力を得るための話し合いの場を一度も持っていない。最初から市民の視点に立って解明する気などない。市民の方が表に出られないことを言いことに、色々な言い訳がよく考えつくものだ。誠実さの微塵も感じられないやり方である。


そして、このやり方が、再び林市長をリーダーとする横浜市の放射線対策への市民の信頼を更に失墜させることになる。



東京新聞の記事の最後に横浜市のコメントがある。

“ストロンチウムは市の調査よりも微量だったが、今後のストロンチウムなどの調査範囲の拡大を求めていくことには変わりはない”と述べた。


こんなコメントを出すくらいなら、横浜市健康安全部はマンション屋上の堆積物(検体)を文科省に提供すべきであったろう。言葉の遊びはもう終わりにしてもらいたい。




福島原発事故以来、多くの専門家が登場しているが、アインシュタインの残した名言を思い返すようになった。

“たとえ国家が要求したとしても良心に反することは決してしてはならない”という。


中部大学の武田邦彦先生が「横浜のストロンチウム問題」と題して書かれています。

ぜひ一読を。

http://takedanet.com/


琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬先生も見解を述べられていますので是非一読を。

http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/1aaba457e409db3245da43011ed0427c




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