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横浜市のコンプライアンス 放射線対策①

議会前の風景とその後―総務局 その1

横浜市のコンプライアンス 放射線対策①





2005年、今から6年前、東京・町田市長選をめぐる政治資金法違反事件が横浜市を揺るがした。副市長3名、局区長など88人もの横浜市幹部が処分されるという大変な事件だった。



2006年5月15日の神奈川新聞の社説―あきれる順法意識の薄さは痛烈だった。“市のトップがそろいもそろって政治資金法上、疑義があることに気づかなかった。あるいは気づいても、行動に移すことができなかった。物が言えない組織風土があるとすれば、組織上に大いに問題がある。”と批判された。





あれから6年。委員会、研修にと職員の膨大な時間と経費が費やされている。

横浜市はそれから何が変わったのだろうか。市のトップは順法意識をしっかりと身につけたのだろうか。林市長となり本市の人材育成ビジョンが新しく改訂された。そこには組織の長のあるべき姿がたくさん描かれている。総務局の局別審査。その現実の把握に焦点をおいた。





3月11日の東日本大震災後の横浜市の放射線対策の実際の対応。

そして、放射線問題に対する副市長や局長たちの議会での答弁を聞いてきたが、そのあるべき姿とはあまりに程遠い。



本市の失策は、賢明な親の指摘があったにも関わらず耳を傾けないで、給食という半ば強制的な方法で多くのこどもたちに汚染牛を食べさせてしまったとうことだ。



9月28日の決算特別第一、第二特別委員会連合審査会の健康福祉局長の答弁には本当に呆れた。自身の正当性を主張し、謝罪という姿勢など微塵もない。

“食べないにこしたことはないわけですけれども、不幸にして食べてしまったわけですけれども“自身がこどもたちに不幸にして強制的に食べさせた責任者だという自覚が全くない。酷い言い訳だ。



そして、今までの健康福祉局の論調はこうだった。不安に思う親にはメンタルケアが必要だと。このトップの姿勢が、放射線対策の中心である保健所の職員幹部の姿勢に反映しているのだ。



総務局とは、人事、人材育成、職員の健康管理、人権、コンプライアンスと組織のモラルの要となる部門である。つまり、この部門そのものがぶれていたら、組織のモラルなど成り立たない。



いくらきれいな言葉の文書を配布しても、外部組織から講師を呼んで研修をしても無意味となる。改革を行う気があるのか、ないのか。6年の幹部職員の成果はどうなのか。言葉とは恐ろしいものだ。その本質が一瞬にして明らかになる。



さて、11日の健康福祉局の局別審査の自民党高橋徳美議員の質問で初めて、保健所長が横浜市にストロンチウムが検出されていることを明らかにした。

しかし、その事実が公表されるまで、保健所でもある健康安全課の対応には多いに疑問点があった。





港北区のマンションの屋上堆積物を市民の方が、同位体研究所に依頼して検査結果を得たのは8月11日であった。セシウム合計63,434ベクレル/キログラムという高濃度の堆積物だった。



電離放射線障害防止規則では、セシウム濃度が一万ベクレル/キログラムを超えると放射性物質とするとある。



放射性物質を発見した場合、どうするか。


10月14日の世田谷区の高放射線量検出に関するNHKの朝のニュースでも報道されたように、放射性物質等を発見した場合、放射線障害防止法に基づき、許可又は届出が必要となる。



これら許可等を受けていない放射性物質あるいはそれらと疑われる物質を発見した場合には、不用意にさわったり、動かしてはいけない。そして、文部科学省・放射線規制室に連絡しなければならない。



文部科学省のホームページに記載されている。

http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/faq/1261264.htm



従って、堆積物は放射性物質であり、一市民の対応できる問題ではない。


8月25日、最初にその市民の方の意見に耳を傾け、港北区役所の危機対策課長への訪問のきっかけを作ったのが、民主党大山正しょうじ議員である(本人確認済み)ことをここに明記しておく。


困惑した市民の方が、港北区の公明党 望月康弘議員に相談をもちかけることになった。望月康弘議員は、この市民の方をはじめ沢山の地域の皆さまの“声”を横浜市に届けるべく奔走していた。市民の側に軸足を置いて。しかし、行政はなかなか動かなかったようだ。その後、私に相談が。



市民の方がストロンチウムの結果を同位体研究所から受けとったのは9月1日。そして、9月2日には保健所長および放射線対策に関与している健康安全課担当課長らと面談を行っている。危機感をもって欲しいとの内容を伝えたところで、保健所長以下に一蹴されてしまった。




担当課長から、現場の確認を行うというメールがはいったのは9月8日。現場確認の9月12日、担当課長から線量計はもっていかない。採取資料をもっていかないと連絡を受けたので、市民の方自身の線量計をもって港北土木事務所前に向かい、健康福祉局健康安全課、環境創造局の職員と合流。そこから周囲の測定を開始し、土壌を採取する。




線量が大事だと記者会見で強調しているわりには、放射線対策部は、最初から測定するつもりがなかったのか。線量計さえ自ら持参しない。お粗末そのものだ。





そして9月13日、宅急便で高線量が測定されたマンションの堆積物を宅急便で健康安全課担当課長宛てに送付し、ストロンチウムが含まれている可能性を示唆し、ストロンチウムの測定依頼をメールにて送っている。

9月15日にはストロンチウムが195ベクレル/キログラム行が検出されたとメールで知らしている。




ここまでの放射線対策部の対応をみても、電離放射線障害防止規則、放射線障害防止法に順じた対応に全く見えない。危機感のなさには呆れ返る。



また、9月17日、マイクロスポットの記者会見の当日、健康安全課担当課長らは市民の方が測定を依頼し、横浜市衛生研究所で分析したマンション屋上堆積物の検査結果、セシウム合計105,600ベクレル市民の方に伝えている。しかし、同日の記者会見ではその値を公表しなかった。





高い放射線量が測定されたことでとった世田谷区の対応とは明らかに違う。区民の安全を第一に考え、放射性物質の対応を専門業者に依頼している。





ストロンチウムに対する一カ月遅れの対応。そして都合のよい横浜市の公表基準。法令順守の危うさ。問題は山積みである。



総務局の局別審査が終わり、横浜市の調査からもストロンチウムが検出されたという情報がはいった。記者会見にいたらない状況報告が次々とはいってきた。



審査で本市の放射線対策部長およびコンプライアンスの長である副市長に、市民から信頼を失った放射線対策を踏まえ、自身のコンプライアンスに対する姿勢と今後の方針につい質問したばかりというのに。




翌日、記者会見の模様はUSTREAMで確認することができた。



http://www.ustream.tv/channel/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%B2%A9%E4%B8%8A%E5%AE%89%E8%BA%AB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8Bustream




会見でほとんど発言しているのが、健康安全課担当課長。その横に監視等担当部長が座り、時々発言する。おととしまでの瀬谷区の福祉保健センター長だ。


そして、ひとことも発言しないで、健康安全部長が監視等担当部長の横に座っている。ものすごい構図である。健康安全部長が健康安全部人事評価の長のはず。前中田市長が導入した人事考課制度。人事評価でボーナスの査定が行われるしくみが構築されている。





そして、市民の方が表に出ないことを言いことに、マンション屋上のセシウム・ストロンチーム濃度が公表できない理由を市民の方のせいにして一方的に発言している。卑怯である。



“食べないにこしたことはないわけですけれども、不幸にして食べてしまったわけですけれども“ と答弁した健康福祉局長のトップの姿勢をまさに反映した記者会見だった。風評被害をさけることが一番。市民の安全は二の次という。


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