横浜市会議員の放射能対策
横浜市会議員の放射能対策
3月11日以降大きく変わったこと。
それは、今まで以上に若い世代の市民が、市会議員 及び行政のしくみにより関心を寄せるようになったこと。そして知り得た情報をブログあるいは ツイッターを通して発信されるようになったことだ。
インターネットというツールを通して、老若男女が情報交換を行う。対応した行政マンのやりとりまで詳細に掲載されている。組織として対応することを基本軸として責任の所在をあいまいにしてきた行政機関にとって、否応なく組織体制が公開されるようになってきて、その基本姿勢が言及されるようになってきた。この変化に対し、どれだけの上層部が危機感を抱いているのだろうか。
地方自治体の議員は、国会議員よりはるかに市民と密接である。だから、その変化に本市の議員達も機敏に対応している。ブログ、ツイッターなど非常に充実していて、それぞれ読ませていただくととても勉強になる。自分が一期生の時には考えられないような変化だ。以前は行政側に聞かないと出てこなかった情報も今や、簡単に検索できる。
"流通しているものは安全である"という横浜市のロジックが壊れた後、どの議員も地元での対応は大変だと思う。
緑区の自民党斎藤達也議員のツイッターを読ませていただくと、中部大学の武田邦彦教授(内閣府原子力安全委員会元委員)を本市に呼んで講義をお願いしようとしていることがわかる。安全論に傾倒しつつある横浜市の放射能対策。
青葉区の横山正人議員は、健康福祉局常任委員会の副委員長であるが、ツイッターで本市の放射能対策に対する厳しい言及を行っている。
さて都筑区の草間剛議員の8月11日、8月12日のブログはすばらしい。
横浜市主催「知ろう 学ぼう 放射線!!」9月5日開催と、8月11日の講演会の講師名を公開している。コメントが面白い。
“講師の井上教授は議会でもご説明いただいた方です。
議員にどんな説明をしたのか、この会で分かると思います。“
極めて市民が客観的に情報を得られる手段をさりげなく提供している。
第1部
講師 井上 登美夫 横浜市立大学医学部放射線医学講座 教授
第2 部 講師 寺田 宙 国立保健医療科学院主任研究官
第3 部 15:30~16:30 パネルディスカッション
「放射線とその影響を考える」
コーディネーター 唐木 英明 東京大学名誉教授・日本学術会議副会長
寺田 宙 国立保健医療科学院上席主任研究官
豊澤 隆弘 横浜市保健所長
本市の放射能対策部メンバーの意見を聞ける機会でもあることもわかる。
8月12日、“9月5日講演会告知から、放射線問題の多事総論。”と翌日に更にブログが書かれている。この講師名公開で、市民からのレスポンスが色々とあったことが記載されている。
そして感心するのは、衆議院厚生労働省委員会との比較である。講師である唐木 英明氏のビデオが添付してあるものの、以下のように他の委員名も添付してある。バランスのある講師の人選である。横浜市は国とも違う人選であることがよくわかった。
7月27日に行われた衆議院厚生労働委員会は非常に有意義です。
明石真言
(独立行政法人放射線医学総合研究所理事 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会委員)
唐木英明(日本学術会議副会長 東京大学名誉教授※9月5日講師)
長瀧重信(長崎大学名誉教授)
沢田昭二(名古屋大学名誉教授)
児玉龍彦(東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)
今中哲二(京都大学原子炉実験所助教)
このメンバーをネットで検索していったとき、児玉龍彦教授の委員会での発言をyoutubeで観ることができた。非常に勉強になる内容だった。
http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo&feature=related
さて、7月の温暖化対策・環境創造・資源循環委員会の視察の懇親会では、本市の放射能対策に関して、党派を超えて大いに意見交換を行った。福島原発事故問題は、非常にわからないことが多く、党派を超えて慎重に議論しなければいけない問題だ。
みんなの党では泉区の横山勇太朗議員が放射能対策担当で、非常によく勉強されていた。7月26日、みんなの党は横浜市内放射能対応への緊急要望書を市長に提出している。汚染牛が横浜市の給食に使用されたことが記者発表される前の要望書である。そのスピード感には感心した。そして、そのスピード感と行動力の情報は市民のツイッターで広がってゆく。時代とともに社会的背景は刻々と変化しているのだ。議会による監視の目は非常に厳しい。
そして、最初かこの問題に取り組んでいる他の政党議員の活躍も忘れてはならない。
以前、北海道の高橋はるみ知事について言及させていだだいた。
プルサーマル 計画を凍結するのが筋(6月23日)(北海道新聞 社説)
高橋はるみ知事は、北海道電力が泊原発3号機で計画しているプルサーマル発電について、安全性が確認されない限り認められないとの考えを示した。多くの道民も同じ思いだろう。(以下略)
ところが、である。
【特報】泊原発 高橋知事と北電の蜜月関係(8月17日)(東京新聞)
北海道電力泊原発3号機は営業運転再開へ動きだしたが、最終判断をした高橋はるみ北海道知事の、北海道電力との蜜月ぶりには驚かされる。
同社幹部からの政治献金は毎年の恒例。
北電元会長が資金管理団体の会長も務める。
原発「全機停止」の事態を避けたかった経済産業省にとって、これほどの“人材”はなかったはずだ。
二か月の転身ぶりをメデイアは見逃さなかった。今後、道民が知事をどう評価するか静観したいものだ。
横浜市の放射能対策のゆくえ。それは今後の市議会における切磋琢磨の姿勢にかかっているのだと思えてならない。