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不可解な横浜市大医学部長解任問題


横浜市医療政策室は果たして機能するのか? その3

不可解な横浜市大医学部長解任問題





医療政策室の骨子案が発表されている。


 市大・市立病院や中核拠点病院等の医療 機関との連携を一層強化するとともに、専門的な立場か ら助言を行えるよう、行政医師や市大・病院経営局の代表者のほか、外部有識者などがメンバーとなる機関の 設置もあわせて検討しています。






“なぜ、横浜市の医療政策を考える上で市大なのか?不祥事続きの市大で大丈夫なのか?”と総務局の人事課長に訪ねたところ、“市大は非常に優秀な本市の大学病院ですから大丈夫です。”と答えたことは以前このブログで書いた。



その横浜市大医学部でまた以下のような問題が起こっている。



横浜市大:解任通知受け医学部長、地位保全申し立て 416日 毎日新聞


 横浜市大(横浜市金沢区)から医学部長職の解任通知を受けたのは違法として、黒岩義之同大医学部長(64)が横浜地裁に地位保全の仮処分を申し立てた。申し立ては12日付。


 黒岩医学部長の代理人によると、昨年12月6日に東京都内であった食事会で「次期理事長を画策した」として、大学側から今月8日、医学部長の自宅に解任通知書が郵送された。黒岩医学部長側は「解任理由は事実無根である上に、解任手続きや理由も違法であり社会的相当性を欠いている」と主張。横浜市大側は「5月1日付の人事異動に伴い、医学部長に対して解任を通知しましたが、それ以上のことは申し上げられない」とコメントしている。




さて、この記事を読むと非常に違和感を覚える。



 現市大理事長は本多常高元副市長である。平成18年に起きた政治資金規正法違反事件の時の筆頭副市長であった。88人もの市幹部職員の処分者がでたものの、解任などという不名誉な処分は誰ひとりと受けていない。大学側が指摘している“時期理事長画策”と、政治資金規正法違反事件とでは社会的に与えたインパクトは比較にならない。自分のことは棚上げかと批判されかねない。




 12月6日の食事会のメンバーだが、インターネットで検索した記事の中で、現副市長がいたと明記されていることである。これが事実とすれば大変な問題である。医学部長解任だけで処理できる問題ではない。




 また、黒岩医学部長は文部科学省で行われていた“今後の医学部入学定員のあり方等に関する検討会”の委員でもある。平成22年12月20日に第1回が開催されている。議事録で黒岩医学部長の発言は確認できる。全国医学部長病院長議会長として医学部新設に対し慎重な意見を述べている。理事長に呼びつけられ、辞任を強要されたとされる1月28日に、黒岩医学部長は第2回目の委員会に出席している。




 そしてこの4月8日、“規制・制度改革に関わる方針”の閣議決定が行われている。決定事項の一部が“医師不足解消のための教育規制改革”の項目である。その中に “・・・医学部やメデイカルスクールの新設を含め検討し中長期的な医師養成の計画を策定する。”とある。4月21日の全国医学部長病院長会議では、この“規制・制度改革に関わる方針”の閣議決定の白紙撤回を求める声明が出ている。





 去年の2月21日、国際医療福祉大学、北海道医療大学、聖隷クリストファー大学の私立大学3校が医学部新設を目指して準備を始めたと大きく報道されていた。





 さて、医学部新設をめざす国際医療福祉大学といえば、平成14年に開催された“横浜市立病院あり方検討委員会”で関係者が2名も委員となっていた。横浜市保健医療協議会委員名簿にも国際医療福祉大学の看護学科長の名があった。市大取り違え事件を受け、平成12年赴任した横浜市大の橋本廸生医療安全管理学教授は国際医療福祉大学出身である。衛生局時代から、横浜市はなぜ平成7年に設立したばかりの国際医療福祉大学のメンバーと連携したのであろうか。





 横浜市大医学部長解任問題は、果たして単純に大学内だけの問題なのだろうか。法人とはいえども横浜市立大学医学部には相当な額の横浜市の税金が投入されている。市民に対して何も言えないではすまされない。まして、初代の医療政策室長は市大から人事異動してくる。





 こんなごたごたの中で、医療政策室が順調に機能するとは到底思えない。

このことで、また横浜市の人事のあり方が全国から注目されることにもなったようだ。


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