ヒブと肺炎球菌ワクチン接種率の確保
ヒブと肺炎球菌ワクチン接種率が確保できなければ効果は期待できない
ー横浜市議案関連質問からー
2月10日、公明党代表として議案関連質問に立った。
髄膜炎などの小児にとって極めて死亡率の高い重症の感染症を引き起こすヒブと肺炎球菌ワクチンの定期接種化は日本の小児科医達の悲願でもあり、去年10月6日の健康福祉局予算特別委員会でも指摘したように、まさに小児科救急医療体制の基本軸でもある。今回のヒブと肺炎球菌ワクチン接種無料化の緊急促進事業は実をとる林市長の英断だからこそ実現できたものだと思っている。
去年、市長のもとで立ち上がった産科・小児医療・救急医療体制充実プロジェクトではワクチンの言及はひとこともなかった。保健所の医師は予算がないから無理の一転張りだったし、今回の無料化の話が実現した時は正直非常に驚いた。
そもそもワクチンの接種費用が、たとえばHibワクチンとなると、1回約8,800円程度であり、4回接種ともなると約35,200円。家計にとっては大変な負担となる額である。しかし、ヒブと肺炎球菌によって命を落としたり、後遺症を引き起こす症例は毎年報告され、その数は少なくはない。ヒブワクチンの効果は100%に近いとすでに世界的に認められている。命に格差があってはいけない。
さて、今回、無料化した中で、ヒブと肺炎球菌ワクチン接種率が確保できなければ、感染症発生の減少効果は期待できないといわれている。はしかのワクチンが良い例である。ホームページやちらしでの発信だけではなかなか接種率が上がらなかった本市の実情がある。だから、ヒブと肺炎球菌ワクチン接種率の調査と勧奨は、受診率90%以上を示す本市の乳幼児健診の現場で行い、それをデーターベース化することが効率的だと思う。
すでに、こども青少年局は乳幼児健診のデーターベース化を勧めている。まさに、市長がめざす縦割りの弊害を超えて、共通領域はお互いに協力し合うことを期待し、以下のように質問させていただいた。また、副作用の調査も重要である。
ヒブと肺炎球菌ワク接種率確保および副作用の調査、感染数の減少の把握について伺います。
結局、回答は保健所が今までやってきたとおりの方法と変わり映えがなかった。高い予防接種率を保つ自治体は予防接種台帳を作り、個別に勧奨をしていると聞く。保健所をたったひとつにした横浜市の感染症対策のどこか強化されたのか。もう4年も経過したがその成果が全く具体的に見えてこない。
また、今回のワクチン接種事業については、国の予算は平成23年度までしかない。費用対効果を把握するシステムを構築しておかないとせっかくのワクチン無料化も来年度限りにもなりかねない。
政策を作るが、その成果を具体的に示すシステムを構築してこなかった横浜市の政策と財政。そろそろ現実を見据えてほしいと思う。