横浜市大医学部になぜ看護師が集まらないのか? | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市大医学部になぜ看護師が集まらないのか?

横浜市大医学部になぜ看護師が集まらないのか?

給与などの待遇改善などが根本的な解決策といえるのか?




1月14日の朝日新聞の記事に以下のように掲載されていた。

看護師の不足から、手術室の稼働率が8割弱にとどまっている横浜市立大学付属病院(金沢区)について、市は優秀な人材確保の具体策をまとめた。9割以上の稼働率をめざすという。市によると、手術室の担当看護師は43人。計画では、これを51人に増やし、2012年度までに手術室(12室)の稼働率を77%から94%にアップさせる。段階的に難易度の高い手術を経験させ、4年間かけて手術室担当のスペシャリストを育てていくという。


具体的な確保策は、市大病院を希望する看護学生に60万円貸与看護師寮リフォーム内定辞退防止のため懇談会や講習会の実施――など。退職を防ぐために、あいさつ奨励など明るい職場づくりや院内保育所の充実(3歳未満保育を5歳児まで拡大)、夜間看護手当の増額、手術室勤務奨励金の創設なども、段階的に進めていく。 今春の採用数は昨春の74人から89人以上に増やす。年間の退職者も前年より10人以上減らすよう目標も定めた。


12月の市議会常任委員会では、市議から「700人以上が1カ月以上の手術待ちというのは異常。看護師だけでなく、医師増員や手術室増設も進めてほしい」「他の病院もよく参考に」などの注文が出ていた。


さて、平成18年度の決算特別第2委員会の都市経営局の局別審査で私は、看護師確保の問題をすでに質問をしている。当時附属病院の特別室病床が看護師不足のために一部休止を余議なくされたといことが報道されため、調査し質問に立った。



私立大学医学部で附属病院を有し、看護学科や看護短大などを有しているところでは、その卒業生である看護師の大部分がまずその大学の附属病院への就職する中で、市大には医学部看護学科があり、看護師養成を行っているにも関わらず、卒業生の市大病院への就職率が低いことを指摘し、その低い理由を質問している。


横浜市の税金を投入して育てた看護学生が、その教育機関である市大病院に就職しないこと、それ自体に根本的な問題があると思われたからだ。

看護学生の市大病院での教育はどうなっているのか、

(田中克子事務局長に)、附属病院が、看護師確保

にあたっての魅力に乏しいのではないか、

(折津礼子看護部長に)質問している。



現在も市大病院の看護部長である答弁を以下に添付する。

◎(折津公立大学法人横浜市立大学附属病院看護部長) 給与等の勤務条件や教育、研修制度によります人材の育成、指導体制、またキャリアアップを図る取り組みなどにつきましては、他の病院と比較して劣っているとは考えておりません。


 当院は、本市で唯一の特定機能病院としまして、高度な先進医療を提供するという役割を担っておりますので、今後ともそのような機能を果たせる看護師の育成に一層努めてまいりたいと考えております。 危機感を露ともみせない看護部長の答弁であったことを記憶している。



あれからすでに4年の歳月が経過している。さぞかし市大の看護学生の大学病院への就職率が増加し、高度先進医療を提供する本市唯一の特定機能病院としての教育を受けるため外部からの就職の倍率も高いことであろうに。しかし、現実は深刻な看護師不足が未だに継続していることだという。自分が質問した以上、資料請求を行いその後の状況を再確認する必要があると思った。


さて、本市の税金が横浜市大の二つの病院にどれだけ投入されてきたのか。参考に当時の議事録を添付しようと思う。

◎(佐竹大学担当理事) 18年度の運営交付金の総額は1206,638万円余で、このうち大学につきましては775,518万円余、附属病院は32970万円余、センター病院は19150万円余でございます。


◆(加納委員) 多額の運営交付金が入っているのですけれども、市大附属病院は市内で唯一の特定機能病院でありますが、それでは市大附属病院の果たすべき使命と役割は何か、佐竹大学担当理事にお伺いいたします。


◎(佐竹大学担当理事) ちょっと答弁の前に先ほどの運営交付金の総額を確認いたしますけれども、1286,638万円余でございます。
 それでは続行いたします。 本市といたしましては、法人に対して、市会の議決を経た上で中期目標を示しております。その中で、附属二病院につきましては、大学の附属病院として、医療安全管理の徹底及び患者本位の医療に配慮しつつ、高度医療の提供、医師を初めとする医療関係者の育成及び医学研究開発の推進を担うと掲げております。


 特に、市大附属病院は、医療法に基づき、高度医療の提供や研究開発などを行う機能があると厚生労働大臣から認められた特定機能病院であり、高度先進医療を推進することにより医療の質的向上に貢献し、患者の皆様に質の高い医療を提供すること、また、医学、医療に貢献していこうという志を持った医療人の育成に力を注いでいく使命を持っていると考えております。



投入されている額も非常に大きかった。
また、答弁をした以上、それができうる限り現実に即したものでなければ単なるその場限りの詭弁でしかない。その後の学位審査謝礼金問題の医学部の混乱や元センター病院長の不祥事などを大学理事は市民に対してどう説明するのでろうか。


私がこどもの親の立場なら、看護師が麻薬取締法違反で逮捕され、それでも管理上ミスはなかったと公言する病院への就職はまず躊躇するであろう。


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