横浜市の対応はなぜいつも同じパターンを繰り返すのか
11月25日、市大センター病院の衝撃的な内容のニュースが新聞に報道された。
横浜市立大学センター病院―麻酔医の麻薬違法使用:永井容疑者、投与前にブドウ糖とすり替え ◇患者は痛みとれず?
「治療患者に投与される前、ブドウ糖にすり替えていた」と供述していることが24日、捜査関係者への取材で分かった。
ブドウ糖はフェンタニルのような鎮痛作用はなく、患者が痛みを感じていた可能性もあり、県警は調べを進めている。
フェンタニルを延べ約100本分吸い上げて流用。集中治療部に異動後は、患者用としてベッド脇に置いてあったフェンタニルを含む、液体50ミリリットルの入った容器を同量のブドウ糖の入った容器に十数回にわたり交換、持ち去って使用していたという。
ブドウ糖に鎮痛作用はないため、本来投与されるはずだったフェンタニルを処方されなかった患者は痛みを感じていた可能性があるが、話ができない重症患者がほとんどのため、痛みを感じても伝えられなかったとみられる。
同センターはこれまで、担当部長らを通じて患者に容体の変化などがなかったか調べたが異常はなかったという。
同センターは「捜査が進みフェンタニルの入手手法が明らかになった時点でより詳しい調査を行いたい」としており、今後、患者への影響を再調査することになりそうだ。(毎日新聞)
使用された麻薬の量が半端な量ではない。患者さんに使う予定の鎮痛薬をすり替えるという患者軽視の倫理感欠如。
さらに驚いたのは話ができないほどの重症患者さんに投与すべき薬が投与されていないにも関わらず、患者に容体の変化などがなかったか調べたが異常はなかったとのいう当局側の回答だ。
約700ミリリットル(350本分)の大量の麻薬が不正使用されていても管理にミスはないとする横浜市である。首をかしげたくなる。
11月26日の翌日には、市大センター病院―再発防止のためと麻薬管理体制の見直しのための調査委員会を設置と発表。
安全にかかわるミスなどもなかったと記者会見で発信したのだから、警察の調査が終わるまで調査委員会を設置する必要はないはずなのだが。
結局、論理の破たんを引き起こし、最後には後手にまわることになる。今回の問題も例外になりえないだろう。