議会前の風景―そして本番 その9 小児科救急医療体制 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

議会前の風景―そして本番 その9 小児科救急医療体制

 消えた行政医師の意見―小児科救急医療体制で重要なのはワクチン対策
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日本小児科学会長 五十嵐 隆先生は、予防接種強化が小児救急医療体制崩壊を予防すると発信している。


日本はワクチン後進国である。そのことは今年の2月、瀬谷区で発生した麻疹感染で思い知らされた。神奈川県の麻疹累積報告数は47都道府県中日本一だし、2回接種率にいたっては最下位。この問題に対して公明党の高橋 稔

県会議員も議会で指摘をしている。


 公明党はHibワクチン助成を含め、日本脳炎ワクチン、子宮頸がんワクチンの助成を国に対して要望してきた。


また、9月26日には細菌性髄膜炎を防ぐHibワクチンや、子宮頸がん、おたふくかぜなどの予防ワクチンの任意助成のありかたを考えるセミナーが県医師会、神奈川小児科医会の共催で、医師や行政担当者が参加して行われたことが報道された。


 106日の局別審査で私は、

“小児救急医療対策の根本的解決のひとつにHibワクチン、肺炎球菌ワクチン接種が効果的であると思うが、その助成を本市として行なうのかと質問した。

本市の回答は“今後の国の動向を見据えて、検討していきたいと考えている”と。


 そして、その国の動向が10月26日に示された。

“厚生労働省は、子宮頸がんとインフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)、小児用肺炎球菌の3種類のワクチンの無料接種実施の財源となる基金設立のため、同日閣議決定した2010年度補正予算案に1085億円を計上したことを明らかにした。


 臨時特例交付金として各都道府県に交付され、10、11年度の2年分の費用をまかなう。当初、来年度予算に盛り込む予定だった子宮頸がんワクチンの補助を含め、緊急対策として前倒しした。29日国会に提出するという。


 去年の115日、本市の本庁や保健所にいる医師のヒアリングが、プロジェクトメンバーによって行われた。今回、その内容の資料請求を行った。そこにはしっかりと以下のように明記されていた。


“ワクチンで予防可能な疾患の代表的ワクチンとされている肺炎球菌ワクチンやHibワクチンの効果は、単に疾病予防にとどまらず、肺炎や髄膜炎などの重症疾患の予防による小児救急医療、入院医療への負荷の軽減、後遺症の予防および療育、障害福祉・医療への負荷の軽減、保護者の負担軽減、小児医療費の縮減などの幅広い効果が期待できる“と。

まさに場当たり的ではない将来を見据えた正当な意見だ。



 しかし、49日の都市経営局のプロジェクトの記者発表資料にその大事な意見は存在しない。ひとりも医師がいないプロジェクトメンバーだから、この意見の意味することがわからなかったのか。それとも予算がかかる内容だから、意図的に載せなかったのか、といろいろと疑いたくなる。これが林市長のプロジェクトの結果なのか。・・・残念だが、結果なんだろう。


 根拠となるデータもないのに安心だと言いきったり、医学の領域がよくわかっていないことが結局後で明らかになるのに、安易に医師の意見を取捨選択する自信は、一体どこからくるのだろうか。
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