議会前の風景―そして本番 その5(周産期医療体制) | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

議会前の風景―そして本番 その5(周産期医療体制)

莫大な税金投入した病院に政策医療を行う義務はないのか


 平成148月、中田元市長のもとで“横浜市立病院あり方検討委員会”が開催された。当時は旧衛生局所管の委員会であった。医療経済や病院経営の専門家8名で構成された委員会で議論されたわけだが、誰がその8名のメンバーをどういう理由で選定したのか、あまり聞いたことがない。


 病院経営局三病院の現状をみると、経営のみならず政策医療としての責任を果たしているかどうかも問われている。今となっては一体彼らが何を検討して良くなったのかと思うほど、現状は思わしくない。


 当時の朝日新聞は、中田流―公と民分担模索と大きく報道された。その後、市立病院であった港湾病院は指定管理者制度が導入され、みなと赤十字病院となった。みなと赤十字病院には515億円が税金で投入されている。政策的医療交付金も配布されているのだ。


 また指定管理者業務に関する規定に母児二次救急医療がある。平成20年度の横浜市包括外部監査報告書では、市民病院とみなと赤十字病院の救急の搬送の拒否の実態調査が示され、拒否する理由は一般市民に納得しうるのではないと言及してある。


 今回の調査でも市民病院とみなと赤十字病院が、市内の分娩医療機関未定の妊婦さんを1例も受け入れず、横浜市でない圏外の他の自治体病院に引受けてもらっている事実が明らかになった。本当に驚くべき実態である。


 中区の市民はみなと赤十字病院ができた時、どれだけ期待をしたか。また、平成20年度に母児二次救急システム中止し、補助金の効果を明確にするために始めた横浜市周産期連携病院事業に、この二つの病院が入っていてゼロなのだから、さらに驚いた。


 決算審査の基本軸は莫大な税金を投入している事業が、市民にとって有益であるかいなかを審査することである。一方、当時ありかた検討委員会の結論を賛成した議会にも責任はあるはずだ。まして医療行政とは、市民の生命に関わる重大な問題だからだ。


今回の質問は

“未受診妊婦あるいは重症例は市民病院、みなど赤十字病院など本市の税金が投入されている病院が、積極的に受け入れる体制を組むべきと思うが、副市長の見解はいかがですか?”


 検討を行うという答弁。検討を行う間、いったいどれだけの期間、横浜市の圏外の自治体病院にお願いするのであろうか。一方、港湾病院の指定管理者制度導入に賛成した議会の責任と、その後の審査はどうであったのか。


多数決が必ずしも正しいことではないことは、ギリシャの時代からもそうであったということを歴史は教えてくれている。特に医学領域の判断は、議員も慎重にならなければいけないと思う。

・・・・私自信、いつも反省するばかりである。
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