前回のお話は⇒ アフリカ、未知の大陸第一歩エジプト;アフリカ1周取材旅行通訳兼雑用係(その2)

 

 

エチオピアはアフリカ最古の独立国で

列強により植民地とされたことのない国です。

 

ハイレ・セラシエ1世の帝政が崩壊寸前で

治安は悪くクルーは

数少ない日本の商社駐在員に

お世話になりました。

 

長らく続いた交流も今は途絶えましたが、

ご親切に厚く御礼申し上げます。

 

アジスの市場で発見、仏頭と岩塩

 

アジスアベバでは市内各所の

小さな裁縫工場や手工業の工房などを

見学したあと、

 

巨大な市場に案内されました。

「これがえらく美味しいんです。

今夜のデザートにいいですね」との

アドバイスで「シャカトウ」初体験。

 

 

デコボコを、1房ずつはがしながら食べると

白いクリーム状の果肉がねっとり、

ほんのりした甘みと少し酸味もある。

おししい初体験フルーツでした。

 

もう一つは岩塩です。

「これはダナキリからだよ」

そう言われて「ラクダに揺られてきたか!」

エジプトで乗ったばかりのラクダ・・

(アサレ湖から岩塩を運ぶラクダのキャラバン)

 

ダナキル砂漠のアサレ湖(塩湖)は

岩塩採掘場として世界的に有名です。

夏の気温は50度以上、冬でも40度以上になる

 

灼熱の炎天下、長方形の岩塩を採掘し、

100~1500頭のラクダに背負わせ2日間、

近くの街まで運ぶと聞いていたあの塩でした。

 

どれだけ買いたかったことか!

 

ブルーナイル&ヤギを担いで山を越す

 

「ブルーナイルまで行ってみましょう」

どこまでもご親切なSさんでした。

それにその名も「ブルーナイル」

 

クルーとて「いえ結構です」などと

遠慮はしません。「恐れ入ります!」

 

・・・

何という壮大な大地でしょう!

アメリカの自然も壮大ですが、

ここは手つかずの大地がどこまでも

どこまでも続いていたのです。

 

運転中、Sさんが

「9月半ばに日本から赴任したとき

機内で思わず後ろにのけぞりました。

黄色い花が地平線まで延々と

敷き詰められているんです」

 

その花こそ「マスカル」です。

花の季節に訪れたことがない

私にとって幻の花です。

 

・・・

その頃は、観光業者も活躍しておらず

ブルーナイルまではさすがにこないとみえて、

行き交う車両も少ないドライブでした。

 

 

息をのむ感動でした。

古代エジプト文明は言うに及ばず、

ナイル川は今も流域諸国の母です。

 

壮観な景色に加え、

自然や人類への恩恵の壮大さを

見せつけられた滝でした。

 

その帰途、

みはるかす動くものとてない車道の

そばの山道をヤギを担いで歩く

青年が見えました。

 

「あした、市場で売るんでしょうね」

 

壮大な原野風景に溶け込んで、

真剣に山を越していく青年

心にしみいる大事な記憶です。

 

1600年以上続くマスカル祭り

 

 

お世話下さったSさんが

「のけぞるほどの美しさ」と

語ったマスカルの花の草原は

残念ながら幻のままです。

 

今回、マスカル祭りの動画を見つけました。

キリスト正教徒の篤い信仰に支えられた

1600年以上続くお祭りです。

 

解説なども合わせて御覧ください。

エチオピア最大のお祭りマスカル祭は

ボーボー燃えてヤバかった!(動画)

https://www.youtube.com/watch?v=7G_Kf0hsh5Y

 

(その3)了

 

次回のお話は

 

⇒アフリカ1周取材旅行; 大地溝帯生まれの人類&ケニア「我踊る故に我あり」

 

 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

シイラ慈子(しげこ)