最終日の前日に「生誕110年東山魁夷展」を鑑賞しに国立新美術館に行ってきましたので、報告します。
今回の東山魁夷展は評判が高く、ぜひ、行きたいと思いつつ、ぎりぎりの期日での鑑賞となりましたが、本当に素晴らしい作品ばかりで感動の時間を過ごすことができました。
見どころは本画と習作約70件の作品展示と唐招提寺御影堂障壁画の再現展示であります。
構成は次の6章から成り立っており、各章の解説のポイントととくに印象に残った作品は次の通りです。(ポストカードと図録から)
1.国民的風景画家
写生地の特徴を残しつつも普遍化された彼の作品は、日本の風景に親しんだ人々にとっては、よく見知っているもののように感じられ、「国民的風景画家」と呼ばれるようになっています。
・雪降る
2.北欧を描く
北欧の旅からの帰国後、発表された連作に対して、幻想的で清澄な画面が評価され、「青の画家」というイメージが生まれています。
・映象
3.古都を描く・京都
皇室から依頼された新宮殿の大壁画制作の機に日本の古都、京都を描くことにし、「京洛四季」展で大和絵的側面が現れた連作を発表しています。
4.古都を描く・ドイツ、オーストリア
京都では人里近くの自然の方に文化的営みを感じることができ、一方、ドイツ・オーストリアには堅牢な石造りの建物や街並みに文化の蓄積を感じ取っています。
・晩鐘
5.唐招提寺御影堂障壁画
鑑真和上の像を安置する御影堂の障壁画の依頼を受けて、彼は構想から奉納まで10年の歳月をかけています。また、彼にとって、初めての水墨画への挑戦でした。
6.心を写す風景画
70歳を超えて、写生に出るのが難しくなった彼は、自らの心の中に形作られた風景を描き、輝きを増していきました。
・秋思
・夕星(絶筆です)