そして恋が降ってきた【後編】
<第三十三章>BETTER HALF
身体がすっかり溶けてしまったように
脱力した二人は、抱き合いながら眠っていた。
真夜中に博之が、服を着ようと思って
ベッドから抜け出そうとするが、
トモコがぎゅっとしがみついてくる。
「どこにも、行っちゃ嫌。」
全身でしがみついてくるのが可愛らしくて、
彼は動けずにいた。
何とか布団を引っ張り上げて、彼女へとかぶせてから
「わかったよ。」
優しくキスをしながら、トモコを抱き寄せる。
「どこにも、行かない。」
一ミリの隙間も許さないほど、
密着しながら二人は抱き合った。
ようやく片割れを見つけて、完全体になれた。
その幸福が二人を包む。
トモコと博之のパズルのピースが
全て埋まった瞬間だった。