だいぶ前ですが、本を拾いました | よきかなのブログ

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数年前、一般ゴミの日に、他の本と一緒に捨てられていました。

とても古い本ですが、古風な趣に心惹かれました。

大好きな漱石先生の本ですからね。

 

 

後表紙もありません。背表紙もボロボロですがなんか、手作り感満載で、見捨てがたい趣きでした。

 

 

調べたら、ネットオークションでもときおり取引がある、大正8年前後に、春陽堂と言う所で出版された本らしいです。

 

「三四郎」 「それから」 「門」 の三作を集めたものです。それぞれの始まりの頁に次の標題が印刷してありますが、印刷と言うよりは「版画」みたいな趣があります。アールヌーボー真っ盛りと言った感じの意匠です。

タンポポとトンボ。おしゃれです。

 

これは、林でしょうか。あっさりしています。「それから」が今とは逆に描いてある所が良いですね。

 

 

これぞアールヌーボーの線! おしゃれですね。

 

 

表紙をめくった所に、最初の蔵書者の印鑑でしょうか。これもおしゃれです。

中川さんと仰ったのですかね。大正8年か。大正七、八年て、シベリヤ出兵の年でしたか。米騒動の原因となりました。この後大正デモクラシーの発現をみます。約100年前です。この本はどういう経路で、平成の終わりごろ、相模原の片隅ですてられたのだろうか。捨てる時に悩んだ形跡があります。そんな感じがしました。

 

是と同じ本、ネットで調べてみると、完本というのだろうか、そこそこ原型をとどめた形で、今も売りに出ているみたいです。1万円しません。案外安いです。多分、この時期、出版界に最も顕著に表れた「文化の大衆化」を感じます。

 

 

 

 

相変わらず、肺炎に苦しめられています。なかなか回復しません。明日も、予約外で病院で診てもらう予定です。早朝に病院に行って受付だけ済ませて、一旦家に帰ってくるつもりです。まったく、「元気でないと病院に行けない」と言うのは本当です。