木曜日の今日は朝から快晴で、やはり暑くなりました。

朝に紫陽花に水やりしてからジムに行きました。

こないだ以来、また右膝が不調なので今日はトレッドミルは諦めて、ストレッチやら筋トレやらに終始しました。


帰ってシャワーを浴びて、昨日確認したら金曜日が臨時のお休みの糖尿病内科に今日行くしかないかと、11持前に家を出ました。本当は明日行こうと思っていたのですが、休みだから仕方がない。水曜日の昨日は定期のお休みだから混んでるだろうなと思ったら案の定混んでました。


今日は「この人は明らかに2型の糖尿病だよね」と思う患者さんがいつもより多かったです。なんでわかるかというと、第一身体が大きい。身体は大きいんだけど、太ももはやたらと細いという特徴があるんだと気づきました。運動してないのが一目瞭然。

年取ってから太ももがやたらと細いのはやはり貧相に見えますね。健康にも良くない。


一人、すり足歩行の男性高齢者もいて、あれ、パーキンソン病なのかしら?と最初は思ったのですが、採血してから椅子の隣に座った様子を横目で見たら半身の軽い麻痺がありました。そか、糖尿病からきた脳梗塞なんだと我が身を見る思いがしました。

75歳まではジムを続けようと思いました。


帰ってきてから、ジムの帰りにTSUTAYAで買ってきた週刊新潮を読みだしたら、面白い話が2つ載ってました。


一つは里見誠一先生の「医の中の蛙」です。

話はHIV感染の始めの頃の偏見の話から始まります。

アメリカではHIV感染は当初は「ゲイと麻薬中毒者の病気」と認知され、葬式も出すのが嫌がられたが、シカゴではたった一軒の葬儀屋さんがHIVでの死者の葬儀を3年間、一軒だけで頑張って取り扱った話が紹介されてます。

日本でも似たような話はありましたよね。日本では血友病治療のための非加熱製剤にHIVが混入していて、結果的に血友病の患者さんがAIDSにまで進行してしまうケースがありました。患者さんへの院内での差別(食器はディスポ、箸は割り箸、度を越した隔離など)もしばしば見られ、「なんでうちのお父さんはこんなふうに差別されなきゃならないんだ」と家族に辛い想いをさせたこともありました。


COVID-19の時も同じでしたよね。最初の頃、エジプト旅行から帰ってきた某女子大学の先生が発症してしまい、かなりの非難を受けてそのうち退職してしまいました。かわいそうな話です。非国民扱いされたんだろうな〜。


私はもう退職していましたが、看護師の国家試験の際、この感染症の感染者は①受験できず、②追試験等の救済策もない、というものすごい話でびっくりしました。

「受験の前の健康管理は自己責任」だからという話で、さすがに頭の硬い年長看護師さんたちの作る規則はすごいと度肝を抜かれました。


しかし、看護学部でゼミを持ってる里見先生は「熱が出たら決して検査せず、解熱剤を飲んで受験しろ、なかったら私が送る。これはなんだと聞かれたら生理痛の薬と答えろ」と学生に伝えたようです。

素晴らしい対応ですよね。

誰でもかかりうる感染症。それで受験の機会を逃し1年棒に振るのは意味がないです。里見先生のゼミの学生は幸せだな〜としみじみ思いました。



二つめは、日本全国あっと驚いた、「小学校での健康診断で、パンツの中まで見た検診医」がいた、という話。

私らの時代の小学校の検診は、寒い体育館に2学年くらいずつ集められ、パンツ一丁になった男子児童、女子児童が入り乱れて校医の前に座るという大変野蛮なものでしたが、さすがに、その時代にもパンツの中を覗き込む校医は確かにいませんでした。

したがって、この小学校で検診をした医師がパンツの中まで見た、というのはかなりびっくりする出来事だったわけです。
女の子が泣いたりするのもよくわかります。


このお医者さんは元某大学の大学院医学工学総合研究部の教授として小児内分泌学を専攻していたその道でエキスパートである旨の記事を読んで膝を打ちました。

大学附属病院の教授じゃないんだ。
つまり、臨床を専門にしてる人ではなくて、主に実験室での研究をしてきた人なんだろうな、と思ったわけです。  

医師免許を持ってても、たとえ優秀な論文をたくさん書いてても、この人は臨床には向いてないよな〜と思う医師は実はそれなりの数いるのも事実。

里見先生みたいに患者さんや学生の気持ちを推測できる人ばかりが臨床現場にいるわけではありません。
対人能力があんまり育たないままに受験の成績が良かったから医学部に来ました、という人もいるのが医学部です。
大体は自分でも自分のことをわかっていて、臨床には出ない道を選ぶことが多いのですが、稀に退官するまで時々臨床とつながりのある場に居続ける人もいます。

この元教授の先生もその傾向があったのかな、と思いました。
そういったこと(大学には臨床に向かない医者がいる)についての知識がない教育委員会だか小学校だか、市とかが小学校での健康診断をお願いしてしまうと、「自分の専門分野は内分泌で、思春期の性ホルモンの分泌の度合いを直接確かめる必要がある」と、嫌がる小学生のパンツの中身を見たりすることに結びつくんだと思います。

多分この元教授に悪気とかスケベ心はなかったのではないかとは思いますが、臨床やったことがあんまりない人に、医師免許あるし元教授だから小学生の健康診断くらいできるべ、と安易に頼むとこの時代、問題になりがちなんだと思います。

開業している小児科の先生が少なくなったし、みんな忙しいから、開業の先生に頼みにくい学校の気持ちも分かりますが、やはり情報収集はきちんとしたうえで依頼しなきゃ、の時代なんですかね?






段々姥紫陽花化しつつあります。