初代ゴジラが世に出たのは1954年。

それが2年後の1956年にはハリウッドで再編集されて、レイモンド・バー演じるニュース記者が主人公スティーブになる形でアメリカ公開されたらしいというのは知ってました。



それが、逆輸入されて日本に帰ってきたのが「怪獣王ゴジラ」で、昨今流行りのアメリカ版 King of the Monstersの名前は昔からあったわけです。

こないだアマゾンプライムビデオをザッピングしていたら、名前しか知らないでいたこの映画を見つけたので、どれどれと見てみることにしました。

基本は日本の初代ゴジラなんですが、初めからなんだか違和感があります。 

映画はアメリカ人ニュース記者(主人公)が破壊された東京の街で瓦礫に埋まっているところから始まります。
つまり初代ゴジラでは、ゴジラが初めて東京に上陸して品川やらいろんなところを打ち壊し、まるで東京大空襲を思い起こさせるような破壊のあの悲しいシーンから始まるわけです。

彼はカイロに向かう途中立ち寄った東京で、ゴジラ被害にあったらしい。

彼が運ばれた病院には河内桃子演じる山根恵美子がいました。


主人公はすでに知り合いになっている恵美子に声をかけ、恵美子が彼のそばに来ます。


恵美子は流暢な英語を話しますが、ややや、なんだか後ろ姿に違和感がある。頬がコケすぎてる気がします。
そうなんですね。別人さんが演じる後ろ姿がなるほどうまく挿入されてます。なかなか似た人を見つけてきたもんだ

おんなじような状況は、志村喬演じる山根博士でも展開されます。
主人公と英語で話をする山根博士はやはり後ろ姿しかでてきません。しかも別人なのがすぐに分かります。
芹沢博士もおんなじです。

しかも日本人同士でも流暢な英語で会話してるので困ります。

そんなことばかり目についてしまう嫌な見方をしてるな、と思いつつ見てると、この怪獣王ゴジラにでてくる日本人は、日本人ではなく中国人俳優とかがやってるのも分かります。

顔が違う、話し方が違う、着てるものが違う、当時のアメリカのイメージする日本人なんですね。

その後、話は日本版ゴジラの流れになり、スティーブも大戸島に行くのですが、なんだか過剰に日本側から気を遣われている形になってます。


敗戦国日本は戦勝国アメリカのたかがニュースの特派員にまでこんなに気を遣うのかいと微妙に鼻白みますが、戦後11年だとこんなもんだったのかしらね?
私はギブミーチューインガム世代ではないのでよく分かりませんが、記者のくせに態度が大きいと、今見れば思います。

彼らは大戸島でなんだか変なアジア系のおじさんに会います。


この俳優さんは明らかに中国系で日本語がままなりません。かぶってる麦わら帽みたいなのもアジア風だし、この真ん中の海上保安庁の人は日本人なんだろうか?

他にも気になりだすと止まらないような場面があり、随分頑張って編集したということはよく分かるのですが、無理があるのもよく見えてしまいます。

まあ、あとはご覧になっていただいた方が良いと思うのでこれ以上はやめますが、主人公のレイモンド・バーって見たことあるようなないようなと思って調べたら、なんと鬼警部アイアンサイドの俳優さんでした。若いから気がつきませんでした。


あの車椅子の鬼警部ね。懐かしいです。

この映画がなければ、日本を代表するゴジラは世に知られなかったんだろうなと思うので、一生懸命ツギハギして作ってくれた映画会社にはやはり感謝せざるをえません。

ゴジラを見るというよりも、戦勝国と敗戦国との上下関係をアメリカ視点で見せられたな〜というのがアメリカ版「怪獣王ゴジラ」印象です。




今日はSDカードでRAW現像したらちゃんと認識してくれました。