春の麗の日曜日の午後、痛む腰をいたわりつつベッドでヤフーニュースを見ていたら、歌舞伎町トー横で一斉補導があり、少年少女たちが補導されなかには小6女子もいたとの話。

まあ、この時代、みんな寂しいからとトー横を目指すのね、と思いながら見ていたら、見知らぬ「メンコン」という文字に出会いました。


なんだべ?と思ってググってみると、「メンズコンセプトカフェ」とあります。

分りません。聞いたことがない。

読み進むと、①ホストクラブとは違うが、イケメン青少年たちが女の子たちを接待する場所である、②ホストクラブみたいな売り上げ競争とかはしない健全な店である、③男の子たちが、なんらかのコンセプト(例えば執事とか)のキャラクターとなったりして女の子たちを萌えさせるらしい、④ホストクラブほどではないが、何箇所にも存在するらしい、⑤値段も呆れるような高さではないらしい、とおぼろげな理解ができました。





こんな感じらしい。これがコンセプトの基本にあるらしい。


要は、男性版メイド喫茶みたいなものなんでしょうね。いや、違うかもだけど、高齢者である私にはその程度の理解しかできません。


一番衝撃的なのは、ついさっきまでは見ばえの良さや可愛さを売りにして商売できるのは基本的には「女の子」の独断場だったと理解してたのに、今日(こんにち)ではそれは「男の子」にも適用されてると知ったことでした。


いや、顔とか身体を売りにしている男がいるのは知ってましたよ。

昔からかっこいい歌手とかはたくさんいたし、映画スターもそれに該当しますよね。


少しずれて、ホストクラブの存在は理解してたけど、対象が限定されてると思ってました。

①金持ち熟女、②メンヘラ少女を主な対象にして、シャンパンタワーしたりして男が女(の子)を標的にして搾取する場所だと思っていたから、ある意味、ハマる方にも問題あるんでないの?という偏見?はありました。つまり、顔形を売りにはしてるけど、ホストは日陰の徒花的な存在?


しかし、このメンコンというのがメイドカフェの男の子版だとすると、もっと全然敷居が低い、そのへんの女子小中学生のお財布ででも入れてしまう「居心地の良さげ」な場所を想定してるのかもしれない。

最近は子供を客層に設定した商売が増えてきてます。


しかし、それよりもなによりも「男女の格差是正」という現代日本の方針が生み出したのがこれかい?と思うと半分腰が抜けました。


女性が社会的に重要な地位につくのはなかなか進展しないけれど、男性が「それまで社会的に決して高いとは認識されていない職業」につくハードルは簡単に下がった、という現象を生み出してることになるんですか、この国は?これって、男女格差の是正なのかな?


いや、それを言ったらおしまいなのかもしれません。ディズニーランドやユニバーサルスタジオみたいに「お客様に心地よい体験を提供する」仕事を否定してるように聞こえたら世間様から怒られて、泣く泣く辞任に追い込まれたりするかもしれません(無職ですけど)。


職業に貴賤はない、と頭では分かってるつもりなんですが、でも昔なら額に汗して木を切ったり、マグロを追ったり、畑を耕してたような年齢の男の子たちが、「執事服」を着て、女子小中学生とかに「お嬢様おかえりなさいませ」とか言って(言うかどうか知りませんが)お金を稼ぐのも「職業」にカウントされるのかしら、現代日本では。


そんな意味では「職業」の中身や定義も変わってきたんだろうなと思います。

一次産業は高齢者が担い、二次産業は中年層が担い、三次産業は若者が担う傾向が明らかになり、その三次産業の中では「感情労働」とか呼ばれることの多い看護や介護の仕事の周辺部に、このホスト・ホステスやら執事やらメイドやらの役割が位置づけられてきつつあるようにも見えてしまうのです。


もちろん、ここにあげた四つの「擬似的職業」にはきちんとした教育システムとかはありません。あるとしたら経験に基づく接客マニュアル的なものなんでしょうね。だからもちろん「資格」とかは得られない。「資格」も専門性もないけど、とりあえずニーズがあるからそれを仕事にしちゃうというのは、確かに現代的ではあるんでしょうけど、なんか安直にも見えます。


昔に比べて、「職業」の幅がものすごく拡大してますよね。

いいことではあるんだろうけど、農業、漁業、林業とかに加えて製造業で働く人が減って、流通サービス業だけがやたらとはびこっていくのを見てると、あと少ししたら誰が米作って、牛豚鶏育てて、土木工事して、発電して、車作って、と、なるんだろうと心配になります。

みんなYouTuberとかサッカー選手とか、「執事」とか「メイド」になって、食料も電気も輸入するの?

火事になったらスマホで消すの?


日本という国が存続できないのではないかな〜?


いろんな仕事もどきを作るのもいいけど、基本の仕事を抑えないとダメだと思うんだよな、と一人つぶやく日曜日の夕方です。







普門寺の桜が咲きました。