「腰痛と注射、トリガーポイント(その2) | いわき市整形外科「志賀リウマチ整形外科クリニック」のブログ

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(初めての方は「腰痛と注射、トリガーポイント(その1) 」よりお読みください)

また腰痛だけでなく下肢のしびれを伴っている場合は、腰部硬膜外ブロックが有効です。


腰骨の中の神経は脊柱管と呼ばれる部分に入っていますが、腰の神経を包んでいる「硬膜」と呼ばれる膜があります。

この硬膜の外側に局所麻酔剤、ステロイドなどを注射するのを、硬膜外ブロックとよびます。腰部の神経に効果があるため、腰痛だけでなく下肢のしびれにも有効です。また下記の椎間関節痛にも有効と考えられます。

おしりの仙骨孔から注射をする仙骨裂孔ブロックも硬膜外ブロックの一種です。

下肢のしびれが強い場合は「神経根ブロック」とよばれる、腰部神経に直接ブロックする方法もあります。

また、腰椎には「椎間関節」と呼ばれる関節があります。
椎間板の変性(椎間板の水分がなくなってクッション性が悪くなること)などによって、椎間関節に負担がかかるようになり、関節が変形したり、軟骨が減ってきたりすると、椎間関節痛が起こります。
(ぎっくり腰はこの椎間関節のねんざとも言われています)。

この部分に痛み止めを注射するのを、椎間関節ブロックとよびます。
椎間関節由来の痛みであれば、効果的です。

仙骨と腸骨の関節痛の時もあり、この場合仙腸関節ブロックも行われます。

このように腰痛に対する注射と言っても様々です。

症状が腰痛だけなのか、下肢のしびれを伴っているか、腰椎の変形はどのくらいか、股関節は悪くないか(股関節が悪いと腰痛の原因となることもあります)、骨粗鬆症はないか(骨粗鬆症による変形のほとんどない急性期圧迫骨折はレントゲンで、わからないことも多く、診断にMRIを必要とすることがあります。また その後の変形は腰痛の原因となります)など、様々なパターンがあるため、腰痛の注射といってもこのようにたくさんの種類があるわけです。

最も効果的な腰痛治療のための注射ですが、実際、いくつか試してみないとわからないことも多いので、最適な治療を探していきましょう。


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