「個性」

 

 人にはそれぞれその人だけの歴史があります。

 

異った才能、異った気質を与えられ、異った人に出会い、異った経験をつみ、

 

その人だけの歴史を生きています。

 

勿論共通の点も多くありますし、それを大切にせねばなりません。

 

ことさら奇をてらうことは慎まねばなりません。

 

しかしそれでも、納得のゆくものを誠実に求めて生きるならば、

 

それぞれの歴史から自らなる違いが出てくるでありましょう。

 

個性とは、この自らなる違いであります。

 

それは誇示するものでなく、誠実に負わねばならぬ重荷であります。

 

 

 

『灰色の断想』p17 藤木正三著

 

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