「個人の歴史」
歴史の大きな流れに影響されながら生きていることは事実です。
しかしそれに影響されない、いわば個人の歴史ともいうべきものを、
一人一人が生きていることも否定できません。
小さい歴史かもしれません。
しかし軽視するにはあまりに重大な現実です。
これに比べれば、歴史の流れなど抽象的な観念に過ぎなくなるほどに、
具体的な現実です。
個人の歴史を小さいこととしていたづらに大きな歴史を論じるのは、
永遠を見失った現代人のずるさです。
永遠を見失った時、人は個人の歴史の重大さを見失ったのです。
『灰色の断想』p16 藤木正三著
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