「逃れ場」

 人は皆ひそかに心の中に逃れ場を持っているのではないでしょうか。

 

逃れ場などというと人生の敗北者の弱音といわれるかもしれません。

 

しかし、愛のない人生が生きられないように、逃れ場のない人生も生きられないのです。

 

問題は何に逃れ場を見出すかということ、そしてそこを、不分明な人生の流れに押し流されながらも「生」そのものの意味を問い問われる心のたたかいの場所として、如何に深めるかということです。

 

人生とは、正しい逃れ場の発見と、その逃げ方の探求であるということすらできるのではないでしょうか。

 

 

『灰色の断想』p11 藤木正三著

 

 

ekyoukaiは良い教会(ekyoukai.org)から転載