風にのって 天使がやってきた
愛という糸で 紡ぎあげた
真白い衣を 身に纏い
さりげなく 僕の前に
そっと 舞い降りた
けれど その瞬間
天使は すべてを 忘れていた
光り輝く 雲の上も
慈愛溢れる 神様も
ただ ひとりの人の
辛い記憶だけを 手に持って
僕は まるで
気づかなかったのだけれど
僕の魂は 知っていた
彼女が 天使だということを
そして
僕の魂は 語り始めた
彼女の 傷を癒そうと
ゆっくり ゆっくり
僕の 仕事は
まだ始まったばかりだけれど
彼女は すこしずつ
思いだしてくれている
自分が天使で あることを
風にのって 天使がやってきた
まるで偶然を 装うように
愛という糸で 紡ぎあげた
真白い衣を 身に纏い
さりげなく 僕の前に
そっと 舞い降りた