夢を見たんだ


僕は話し始めた
太陽が雲の向こうに 落ちようとしている

想いでの海岸に人はいない 君と二人だけ

別れを告げるのに こんな場所を選ぶなんて
よけい 忘れられなくなるじゃない


出会ったとき 僕たちはやっと 見つけたと思った
運命の透明な糸


ひとは赤いと言うけれど
透明 何故かそう感じた

君と僕を繋ぐ糸


いつの間に切れてしまったんだろう
いつの間に君は離してしまったのか


透明な糸 もう探せない


夢の続き 僕は再び語り始める


あのね 神様が糸を繋いでるんだ
男と女の透明な糸

そして うまく繋がると
えいって 地上に投げる

二人は生まれ 約束の糸の先にある
運命の人を 探し始める


でもね やっと出会ったと思ったら
ぷつり 糸は切れる


そして その瞬間 また 別のひとと繋がる


ゲームなんだって


神様が作った 素敵なゲーム

恋をくり返し いつも新しい糸をたぐり寄せる


神様も 時々 人間に生まれ
このゲームに参加するんだって


だからね どうか 気にしないで

心変わりを告げるのに
夕陽は似合いすぎだよ


大丈夫
今は 君のことしか考えられないけれど
僕ももう 君との糸を離す


きっと 別の糸 もう 持っているもの


君が先に 見つけただけ

新しい 透明な糸


僕も そのうち 探し始めるからさ

心に絡まった 古い糸をゆっくり 解きほぐしながら


ごらん 夕陽が落ちる


新しい朝なんて 想像も出来ないけれど


今は ね

sunset