僕がかつて師事した、和漢(漢方を日本流にアレンジしたもの)の師によれば

「減塩は害だ」、ということでした

 

それは、塩は体に必要なものであり、

塩がなければ体液や血は全身に流れない、ということです

小学校、中学校で浸透圧のことを教えられたと思いますが、

細胞膜の前後におけるナトリウム濃度の差で、水分は透過するのです

ですので、塩の取りすぎは

「高血圧」、「腎臓疾患」、「不整脈」「心疾患」などになる、

とかいう「常識」を信じ、

「減塩」に励んでいるからこそ、夏場に熱中症で、室内にいても死者が続発するわけです

塩は、余分に摂っても尿から排出されるものです

もちろん、あまりに多く摂りすぎるのは禁物です

 

問題は、化学調味料にあります

今は名前を「うまみ調味料」と呼んでいますが、

グルタミン酸ナトリウム、MSG、味の素のことです

スーパーで商品のラベルを見ると、

ほとんどの商品に「アミノ酸等」などと記されています

アミノ酸がMSGで、「等」の他の部分は核酸系です

昔は石油から抽出していましたが、現在はサトウキビから汁をしぼったカスに、

塩酸による高圧処理、または酵素分解によって作られています

 

 

グルタミン酸ナトリウムによる、直接の害については、ここでは触れませんが、

味覚を鈍感にする働きは明らかになっています

つまり、化学調味料を使用した食品は、塩分濃度が極めて高いことを示しています

 

さて、肉食ですが、明治になるまでは、禁止されていました

徳川綱吉による、「生類憐みの令」による、と言われますが、

もともと農耕民族である日本人は、牛を大切にしてきたのであり、

食することはなかったのです

せいぜい鶏を食べるくらい、山で暮らす人は野鳥を捕えたり、時にはうさぎや鹿を食べたりはしました

熊や猪も食べたり、ということもありましたが、

それは例外で、一般庶民は、牛や豚は食べなかったのです

 

琉球(沖縄)は日本ではなかったので、やぎ、豚を食べる文化はかなり前からあったようです

 

さて、明治になって、洋食文化が急速に広まり、いつのまにか私たちは豚や牛を食べ始めました

同時に、それまでの医学(和漢)から、西洋医学が主流となり、

和漢の「未病を治す」「医食同源」「地産地消」のような考え方は一掃されたのです

 

近年になって、西洋で色んな病気が塩分過多によるものと発表され、それがそのまま、日本の医師によって、広められたわけです

 

和漢の師は、教えてくれました

 

人間の体に塩分が必要なように、牛や豚にも必要なことはわかるね

だから、牛肉や豚肉には、塩分が豊富に含まれているんだよ

肉食文化の欧米人は牛肉や豚肉から塩分を摂っていたんだ

そこに、調味のために塩分を追加したり、ファーストフードなどを食べたら、

塩分過多であちこち病気になるのは当然だね

日本人は塩分が足りない分、しょうゆ、味噌汁や漬物で塩分を摂ったんだ

現代人の病気は、

肉食や、味の素などをふんだんに使った外食や持ち帰り弁当などによって、

知らないうちに摂りすぎている塩分のせいだよ

そんなものを普段食べないお年寄りが、減塩したら、あっという間に脱水状態になる

塩分なしに、尿も汗も出ないからね