僕は過去記事
”メタボ”は”インボー”?!
において

日本版メタボの基準を作った張本人は、
日本肥満学会と 日本動脈硬化学会を牛耳ってきた松澤祐次である、と記した

彼が03年度まで教授を務めた大阪大学医学部第2内科
(現在の大学院医学研究科分子制御内科学)に対する奨学寄付金を調べると、

00年度から05年度までの6年間で8億3808万円で、
そのほとんどが製薬会社からの寄付金
だった。

ずば抜けて多いのは三共(現在の第一三共)1億1600万円で、

この会社は日本で最大シェアを持つ
コレステロール低下薬(メバロチン)の製造・販売で年間2000億円を売り上げている。


臨床学会が診断基準を下げて厳しくすれば、病人と判定される人が増えて、
製薬会社が儲かる。

と雑誌インサイダー編集長 高野猛氏の読売新聞のコラム

読売新聞 2008(平成20)年 3月30日(日)


では中部大学教授武田邦彦 氏のブログを紹介する

 

教授も音声で癒着をほのめかしておられる↓クリック
コレステロール・ショック(6) 血圧の基準と「病気の国民」


前回、奇妙なグラフを示したが
血圧が下がっているのに、降圧剤が売れる」というのはどういう仕組みだったかは
この表紙を見ると一目瞭然だ。

かつて血圧の基準は、(年齢+90)だったので、たとえば60歳の人の標準血圧は150だった。
それがあるときに「血圧は年齢によらない」(正しく言うと「正常な血圧というのは年齢によらない」ということになり、
1990年までは160が基準値で、
「高血圧」という「病気」の人は40歳以上の日本人7000万人のうち、1800万人が該当する
ようになった。

これでも約25%、つまり40歳以上の日本人の4人に1人は「高血圧」という病気とされたが

2000年からは140となった。こうなると4300万人だから

実に61%が「異常か、病気」になったのだから
日本人の体か生活が大きく損なわれていることになる。

しかも、多くの病気のなかでたった一つ「高血圧」だけで半分以上の人が異常なのだ。

さらに2004年からは130に減り、ついに「120を至適血圧とする」ということになった。

130ですら6500万人だから実に93%が「病気」ということになり
ほとんどの人が病院に行って間違って血圧を測定されると、たちまち「降圧剤処方」の餌食になるという状態になった。

血圧のデータもそれほどきれいに揃っていないけれど、おおむね公的なデータは表紙の下のグラフのようになっている。

20歳代の男性は123、女性で119、30歳代で男性127、女性123だから、
もし「120が至適」という基準が適応されていたら、国民全部に降圧剤を処方されるところだった。

巨利をむさぼる寸前だったのである。

これほど奇妙なことが起こっていたのだから、良心的な医師が反撃しなければ医師ではない。

日本人間ドック学会が2014年8月に「健康な男性の血圧の平均は150」というデータを発表した。

遅きに失した感は否めないけれど、狂気の健康指導が、やや正常に戻ったという点は評価しなければならないだろう。

 それにしても、「国民全部が病気」という基準を良くも作ったものだ。

 私が「非科学的」としてこれまで社会に発信してきた
「リサイクルしないとゴミがあふれる(間違い)」
「地球は温暖化の脅威のもとにある(間違い)」
「生物の絶滅で生態系が乱れる(間違い)」
「タバコを吸うと肺がんになって早く死ぬ(間違い)」
などと同じで、主として女性をだますという感じで、とても私はいやな思いをする。

(平成27年5月27日)
ーーーー

僕は過去記事
コレステロールの "ウソ” 学会と厚労省が認める!!
の中で

今の医学は
政、官、業、学、報(学は大学、報はマスコミ)の
五角形の癒着で成り立っているので
検査を受け、医者の言うとおりに薬を飲むと
健康を医者と製薬会社、そして厚労省の天下り役人に明け渡すことになる

と書いた

テレビを見てダマされ、医者にダマされる
ダマされてカネを取られるだけならそこらの詐欺師被害と変わらないが
ダマされて健康まで取られるとなると・・

長い間僕らはマスメディアや医者が
まさかウソをつくとは思わずにいた
それは情報ソースが限られていたからだ

今や本当のことを書いた書籍やNETもあるので
ぜひ自分で調べるクセをつけて欲しい
でないと真に理解し、洗脳から解けることがなく
気がつけば薬漬けになってしまうことだろう


僕がお薦めする本や動画は(できるだけ著書を読んで欲しい その方が動画よりも頭に入る)
いちおう主な動画を下にリンクしておいた
↓クリック
・真弓定夫氏

・内海聡氏

・船瀬俊介氏

・武田邦彦氏

 

自分の健康は、自分で守ろう!

 

新しいテーマ
”便利”「は」”危険”!?
を立ち上げた

昨日届いた(10年前の昨日)
Amazonからのメール

PlayStation Plus 3ヶ月利用権ご注文いただきありがとうございます。

購買履歴を見ると買ったことになってる
クレジットカードで

僕はクレジットカードは 気持ち悪いから持たない
Amazonでの購入はコンビニ払いにしてる


次に来たメール

Amazon.co.jpをご利用いただき、ありがとうございます。

このたびは、ご注文いただきましたデジタルコンテンツの注文確定にお時間がかかっておりますことを、心からお詫び申し上げます。

当サイトでは、クレジットカードにてご注文いただく際には、必ずご利用のクレジットカード会社の請求書が送付されるご住所を、請求先住所の欄に記載するよう お願いしております。
今回のご注文(#250-※※※, 250-※※※)の内容につきまして、ご登録の請求先情報が、クレジットカード会社にご登録の情報と一致するかどうか、確認することができませんでした。

そのため、お手数ですが、ご利用のクレジットカード発行会社へご登録の「ご請求先情報(お名前、ご住所、お電話番号)」を記載の上、このEメールにご返答くださいますようお願いいたします。

<略>

(※注意)
1.   恐れ入りますが、ご注文の処理が完了するまでは、処理を迅速かつ正確に行う関係上、アカウントを一時保留状態とさせていただく場合がございます。
一時保留 状態の場合には、保留状態が解除されるまではアカウントにアクセスすることができませんので、ご注文情報の変更などがございましたら、ご用件をお書き添えの上、このEメールに直接ご返信くださいますようお願いいたします。


何かね、これは?

少なくとも
アカウントサービスをチェックしてわかったことは
購入:僕の名前、Eメルアド、住所
クレジット:聞いたことのない人の名前とクレジットナンバー


カスタマーサービスに電話
「これって、誰かが人のクレジット情報を盗み、僕のパスワードなどを入手して注文を入れたとしか考えられないんだけど」
「はい、その可能性が高いです 担当部署で調査し メールでお知らせします
お客様のクレジットカードではございませんので お客様にご請求が行くことはございません」

-----
先程届いたメール

平素はAmazon.co.jpをご利用いただき、誠にありがとうございます。

※ このメールには、お客様のアカウントについての重要な情報が含まれていますので、最後までよくお読みいただけますようお願い申し上げます。

このたび、お客様のお申し出により、お客様のアカウントを確認いたしましたところ、保有者であるお客様の許可を得ていない第三者が、お客様に無断でお客様のアカウントへアクセスし、注文を行った可能性のあることがわかりました。
不正利用の可能性があると判断された注文のお支払いに指定されたクレジットカードは、このご注文をするために新しく入力されたものとなります。
そのため、お客様が以前からご登録いただいておりますクレジットカードにご請求は発生いたしておりません。(カード持ってないっちゅうんや!!)
<略>
なお、当サイトに既に登録されておりますお客様のクレジットカード番号につきましては、サイト上に表示されることはございませんので、不正アクセスがあった際に第三者がお客様のクレジットカード番号を入手した可能性はございません。
しかしながら、お客様のEメールアドレスと当サイトへのパスワードを入手した第三者が、同時にその他の個人情報を入手している可能性は否定できませんので、念のため、お持ちのクレジットカードのご利用状況をすべて確認し、不明な請求をクレジットカード発行会社(もしくは銀行)に対し調査されることをお勧めいたします。


かくして情報は簡単に盗まれる

クレジットカードで
NETでものを購入するのはやめよう

と思われるだろう
もちろんだ

だが・・
どこかの店で使用した場合でも
記録からクレジット情報が盗まれ
その結果知らないうちに口座から
あなたのカネが盗まれる
そんな事件が相次いでいる

それでも店で購入したものは
記録用紙が手元にあるから確認できる
しかし
NETでの購入については
個々の購入履歴について
いちいちクレジットカード会社に問い合わせなければならない

そして

紛失や盗難でなければ
クレジットカード会社は
責任をとらなくてもよいことになっている


それ以外にも
購入履歴がビッグデータに吸い上げられ
あなたの購買動向や政治思想(書籍の購入)が調査されている
JR のSUICA や ICOCAカードでクレジットカードと連携したものを使えば
あなたが いつ、何時何分に、どこの駅からどこの駅まで乗ったかが
全てデータベースに乗る


気持ち悪いでしょ

他にも
クレジットカードを持ってはいけない理由はいっぱいあるけど
ここには書かないでおく
NETで調べればイロイロ出てくる

とにかく僕は知り合いには
こう、言ってる


今すぐ
クレジットカードは捨てなさい!!

2025.10.17更新

LINEは韓国に
QRコードは中国に
ETCも・・
楽○は、、
他にも・・
スマホにクレジットカードや預金口座を登録したまま
これらのアプリを動かすと・・
最初は少しずつ
毎日さらさらと
アナタの預金は奪われていき・・
ある日
全てを失う?
計画倒産?
 
㊙️僕はDebitカード
それは・・
 
あ、書き過ぎた
あとは自分で考えてね
こころをこめてshig/谷田茂
 

カード

放射能デトックス(毒出し)レシピ
↓(文字をクリックすると 各レシピページにジャンプします)
いかと厚揚げの米ぬか煮     米ぬか入り高菜炒飯

炭入りひよこ豆のカリー&チャパティ    いかと大根と米ぬかの味噌炒め

豆乳パイナップル・スムージー    新玉ねぎの胡麻ソテー

いかげそと玉ねぎの米ぬか煮+炭パウダー   グリーンアスパラのにんにくしょうゆ炒め

生姜とわかめの和風リゾト    ”炭パウダー入り” スパゲティ

玉ねぎいっぱいの玄米炒飯  米ぬか入りシーフードカリー

もずくの天ぷら  かえりちりめんの甘辛煮

に続く第15弾である

今回のレシピは

米ぬか入り茶粥である

どうも
僕の一連のレシピに度々登場する米ぬかに抵抗感を抱かれる方が多いようなのだが
米ぬかって
ぬか漬けや家庭菜園、床や窓掃除、あとは捨てるくらいと思っておられる方も
玄米が体にいいことは常識として持っておられる
でも
玄米ー白米=米ぬか ですよ
もう一度あらためて玄米に含まれる栄養素と白米のそれを比べた表を見てほしい
↓クリック
”身体から放射能を除去する方法” その参 より

玄米と白米の成分比較

  白米100g当 玄米100g当 玄米の栄養比率
      (白米比較)
エネルギー 356Kcal 350Kcal 98.3%
たんぱく質 6.1g 6.8g 111.5%
脂質 0.9g 2.7g 300%
炭水化物 77.1g 73.8g 95.7%
灰分 0.4g 1.2g 300%
ナトリウム 1mg 1mg 100%
カリウム 88mg 230mg 261.4%
カルシウム 5mg 9mg 180%
マグネシウム 23mg 110mg 478.3%
リン 94mg 290mg 308.5%
0.8mg 2.1mg 262.5%
亜鉛 1.4mg 1.8mg 128.6%
0.22mg 0.27mg 122.7%
マンガン 0.8mg 2.05mg 256.3%
ビタミンE 0.2mg 0.3mg 150%
ビタミンB1 0.08mg 0.41mg 512.5%
ビタミンB2 0.02mg 0.04mg 200%
ナイアシン 1.2mg 6.3mg 525%
ビタミンB6 0.12mg 0.45mg 375%
葉酸 12μg 27μg 225%
パントテン酸 0.66mg 1.36mg 206.1%
食物繊維(水溶性) - 0.7g  
食物繊維(不溶性) 0.5g 3.0g 600%

科学技術庁資源調査会《五訂日本食品標準成分表》より


玄米は完全栄養食と呼ばれる
これだけミネラル、ビタミン、食物繊維を含んだ食品は滅多にあるもんじゃない
白米を食べるってことは、玄米が持つほとんどすべての栄養素を放棄しているのだ


だから、自然食の方も、癌にならないシリーズでご紹介した安保教授
玄米食を薦めておられるのだ


しかも、玄米を食べるよりも米ぬかを摂る方が
栄養素は多く摂れる
そして
農薬、食品添加物、放射能物質さえも吸着、排出してくれるフィチン酸まで含有している


ほれ、米ぬかって凄すぎ!!
だから、僕は野菜を買う時、別に無農薬などにこだわってはいない


さらに僕はもっと強力なキレート作用を持つ
↓クリック
炭パウダーも毎日食べてるしね


完全栄養食米ぬか

是非僕の読者の方には日々料理に取り入れて頂きたく思う

炊きあがったご飯にふりかけて混ぜてもいいし
おにぎりにしてお子さんの弁当に入れてあげてもいい
炒飯、味噌汁、カレー、炒め物、煮物・・思いつくまま
僕はスパゲティにまで入れる
料理の持ち味を壊さず、逆にひきたて、体にいい、なんてね


ほれ、米ぬかって凄すぎ!!


減農薬の米ぬかならフィチン酸がその農薬まで除去してくれるから安心できる
実際僕が毎日、朝夕スプーン2、3杯を
豆乳に炭パウダーと一緒に入れて食べている米ぬかは
奥出雲の米農家さんからお米を送っていただく時にタダで同梱してくれる
減農薬、特別栽培米の米ぬか


もう、2年
食べ続けても何ともない、というか益々健康


もし、どうしても無農薬でなきゃ不安だという方は
僕がむかし買っていた無農薬の米ぬかを紹介する

↓クリック
ほんだ農場食べる米ぬか


前ふりが長くなった
では


材料


・残りご飯
(冷凍したものは電子レンジ戻すのはやめましょう 水さえ電子レンジで変質すると言われる)
↓クリック
電子レンジの危険性


・麦茶(静岡産のお茶は残念ながら放射能汚染されている 宇治茶はほとんど静岡茶がブレンドされている)
僕が飲んでるのはコレ
ムソーの麦茶
(産地は徳島、岡山、福井、兵庫 2015.7.3 現在 電話確認済)
国内産・麦茶〈T.B〉http://muso.co.jp/item/41413.html


玄米茶がお好みなら

ムソーの有機玄米茶 有機緑茶(静岡県産)配合だが放射能チェックしていると電話確認済
有機・玄米茶http://muso.co.jp/item/41405.html

 


・生姜 千切り 適量


・塩 少々


・ポン酢 少々


・練り胡麻 少々


・煎り胡麻 少々


作り方


1.鍋に冷ご飯とひたひたの麦茶、生姜を入れ加熱(強~中火)


2.練り胡麻と塩を入れ トロっとしたら完成


3.お茶碗に盛って煎りゴマをぱらぱら
  最後にポン酢をたらすとビックリの味になる


超簡単、あっという間に完成!!
残りご飯を最高に美味しいプチ料理に変えちゃおう!

茶がゆ


本日の放射能デトックス・ポイント


にんにく、一味唐辛子
ニンニク及び一味唐辛子には、放射線防御に有効な含硫アミノ酸システインが多く含まれている

米ぬか
僕の記事でおなじみ放射能デトックス食材
・米ぬかの原材料
参考↓クリック
”身体から放射能を除去する方法” その参

生姜
体を温め副交感神経優位にし、癌を防ぐ
また↓クリック

原発放射線に対する健康自衛策としてショウガ摂取が効果的!商品医学研究所HP

胡麻
米ぬかと同様、キレート作用のあるフィチン酸が多く含まれる
このフィチン酸が放射能をデトックス(排毒)してくれる

旨!!

 

 

 

 

yuuhi.jpg

経島(ふみしま)に落ちる夕陽を見ていた。
天空には筋雲が描かれている。
それを切り裂きながら、鳶が一羽。
時に向かい風の中、空中に止まり、
時に追い風に身を任せ、宙を滑る
その鳶の舞を眺めている。

もう1か月もしたら、空は海猫で埋め尽くされるだろう。
足元は崖になっている。
今日も水平線上に雲が立ち込めている。
出雲に雲はつきものだ。
ここは夕陽の名所だが、雲が多いことでも有名だ。
太陽は雲の中に入ってしまった。

向こうの崖に、佇んでいる女性を見つけた。
じっと動かないと思ったら、靴を脱いだ。
僕はすかさず駆け寄った。
後ろから抱きしめて大声で言った。
「早まっちゃだめだ!」
「お願い、死なせて。もう、生きていてもしょうがないの」
僕は体を離した。
「いいよ。でも、急がなくてもいいだろう。
僕は君の話を聞いてみたい。それから、飛び降りても遅くない。どう?」
綺麗な女の子だった。

彼女はしばらく考えてから、言った。
「あなた、誰?」
「前野春樹。この下にある、日御碕神社の宮司の息子。」
「宮司の・・じゃ、神様にお祈りしたら、彼が帰ってくるかしら」
「それは、どうかな。日御碕神社は縁結びの神様でもあるけど・・
君の名前は?」
「夏美。小椋夏美。その神社、連れて行ってくれないかしら?」
「いいとも。その前に、夕陽を見よう。今落ちたばかりだ。
夕陽はね、沈んだあとがいちばん美しいんだ」

 

展望台のベンチに腰掛け、二人で空を見ていた。
その間、僕らは何も話さなかった。
「美しいわ。哀しいほど」
夏美はそれだけ言った。

寒くなってきた。
「夏美さん、死ぬつもりできたのなら、宿はとっていないよね」
「うん」
「僕の知ってる民宿に泊まればいい。部屋は空いてるはずだ。
神社は明日、案内するよ。」

夏美は素直についてきた。
3分ほどで、御碕屋支店に着いた。
女御主人、野津好子さんが、にこやかに出迎えてくれた。

 

「野津さん、今日、1人泊まれますか?」
「はい、空いてますよ。そちらは?」
「小椋夏美さん。今知り合ったばかり。
灯台の見える部屋、お願いね。夕食は二人分用意してください。」
「はい、わかりました」

部屋で、彼女は長年付き合って、結婚の約束までしていた相手に、
新しい彼女ができたこと。彼から別れを告げられたことなどを話した。

野津さんがお茶を運んできてくれて、部屋を出ると、
「ねえ、煙草持ってない?」と聞いた。
「あるけど、メンソールだよ。ピアニシモ・ワン」
「ちょうどいいわ。それ、私、彼と付き合うまで吸ってたの。
煙草吸う女は嫌いだって、彼が言うから、辞めたんだけど」
僕は箱から一本取り出し、ジッポーで火を点けてあげた。
「ふう」
おいしそうに煙を吐き出し、夏美は目を閉じた。
その間、僕も火を点けて、彼女が目を開けるのを待った。

やがて夏美は目を開け、言った。
「あなたって、不思議な人ね。話しただけで、こころが軽くなったわ。ねえ、彼女いるの?」
「いや、別れたばかり。あなたは優しすぎる、なんて言って去っていった。
よくわからないんだけど」
「ふうん、よく似た境遇ってわけね。ねえ、交換条件があるわ」
「交換条件?どういうこと?」
「私の彼になってよ。なってくれるなら、自殺は取りやめるわ」
「そんな、滅茶苦茶な」
「私じゃ、いや?」
「いや、そういうわけじゃないけど」
「決定!今から恋人同志よ。今日、一緒に泊まってね」
「おいおい・・」
「だめ?それなら、今からまた崖に行って・・」
「分かったよ」
そのとき、野津さんが夕食を運んできた。
ryouri.jpg

甘エビなどの刺身や、サザエ、魚の煮付け、もずくなど。
野津さんの料理はいつも心がこもっている。
僕は少し照れながら、言った。
「野津さん、悪いけど、今日は布団、二つ用意してくれる?」
野津さんはにこにこしながら、了解してくれた。
 
 
hakuan.jpg
 
夕食のあと、それぞれ風呂に入り、浴衣に着替えた。
浴衣姿の夏美はとても色っぽかった。
僕は目のやり場に困った。
妄想を振りほどくように言った。
「障子を開けて、窓の外を見てごらん」
夏美は従った。そして、小さな声をあげた。
「まあ、灯台の光が回ってるわ」
「うん、もう百年以上、海を照らし続けている。消えたことはない。
人生も同じだ。生き続けることに意味がある。
もちろん、生きていればいろんなことが起きる。
でもね、悪いことの次には、いいこともある」
「あの灯台、春樹さん、あなたみたいね。何も言わなくても、暖かさが伝わってくる。
あなたが春で、私が夏。出来すぎだわ。きっと、ここの神様の引き合わせね。
あなたの神社の神様、何というの?」
「スサノオとアマテラス。僕はスサノオの方が好きだけれど」
「その、スサノオとアマテラスって、夫婦なの?」
「いや、昔の書物では、スサノオの姉さんがアマテラスオオミカミ。
天を照らす大きな神って書くんだけど。
僕は天照大神のは、架空の神だと思ってる」
「スサノオって、立派な神様なんでしょうね」
「うん、ヤマタノオロチっていう、悪い大蛇を退治した。
そして、おそらく古代出雲王国を築いた。その王国は全国に広がった。
スサノオ。強く、優しい神だ。」
「ふうん、春樹さんみたい」
「まさか、僕は彼みたいに強くはない。優しくあろうとうは思ってるけど」

灯台を見ている間に、野津さんが布団を敷いてくれていた。
蒲団がくっついて敷いてあるのを見て、野津さんが出て行く時、ウインクをしたのが目に見えるようだった。

その夜、僕らは結ばれた。

僕はできるだけそっと夏美を扱った。
まるで、ガラス細工を相手にしてるみたいに。

愛されながら、夏美はやっと聞こえるくらいの声で言った。
「あなたって、本当に優しいのね」

優しく奏でる、波の音に包まれて、いつしか二人は眠りに落ちていった
 
 
hakuam.jpg
 
目映いばかりの太陽が、部屋を照らしていた。
その光で僕は目が覚めた。
腕時計は6時を指していた。
夏美はまだ、眠っている。

僕は朝の光に照らされて、まばゆく輝く白亜の灯台を見ながら、煙草をくゆらせていた。
不思議な出会いだ、と思いながら。
本当にスサノオの計らいかもしれない。

しばらくして、背中から夏美の声がした。
「ずるい、一人で吸ってるのね。私も」

ピアニシモをくゆらせながら、夏美も灯台を見ていた。
「綺麗ね、こんな綺麗な灯台、見たことない」
「世界灯台百選に選ばれているんだそうだ。石造りの灯台では日本最大だそうだよ。
あとで登ってみるかい?」
「え?登れるの?うん、ぜひ」
「後で行こう。それから、神社巡りしようか。せっかく出雲に来たんだから」
「うん、春樹さんとなら倍楽しいわね」
そう言うと、夏美は煙草を消し、帯を解こうとした。
「どうしたの?暑い?」
「違うわ。出雲の神様に、生まれたての私を見てもらおうと思って」
僕は夏美の手を引いて部屋に戻り、障子を閉めた。
「だめだ。スサノオが君を見染めたら大変だ。君は僕だけのものだ」
夏美は笑いながら、浴衣を取った。
そして、その場でくるりと回って見せた。
「どう?」
「綺麗だよ。海の神スサノオに捧げなくてよかった」
「ねえ、どうして私だけ裸なの?」
僕は浴衣を脱ぎ、夏美を抱きかかえて布団に横たえ、そっと唇を重ねた。
昨夜と違い、今朝は激しく愛し合った。
 
 
karei.jpg
 
気がつくと、もう8時になっていた。
服を着て、広間に行き、席に着いた。

すぐに、野津さんが味噌汁を運んできてくれた。
今朝は、かれいの干物が出てきた。僕の大好物だ。
「どうぞ、ごちそうはございませんが」
「このかれい、美味しい。しじみのみそ汁も」
「このかれいはね、野津さんが一枚一枚、天日干しにしたものだ。
心がこもっているから、美味しいに決まっている」

野津さんが聞く。
まるで初めて泊まったゲストに対するように。
「今日のご予定は?」
「うん、灯台や隠ヶ丘、日御碕神社を案内して、八重垣神社に行ったあと、空港まで彼女を送ります。
大阪行きの4時の便を予約する予定。それから僕は車で大阪へ帰る」

夏美がびっくりした顔をして口を開く。
「え?!春樹さん、大阪の人なの?」
「そうだよ。生まれはここだけどね。僕には宮司は性に合わない。
夕べ君の荷物に大阪空港のタグが貼ってあるのを見て驚いた」
「私は京都よ。嘘みたい。じゃあ、これからいつでも会えるのね」
「もちろん、君が飽きるまでね」
「あなたに飽きることなんてないわ。逆に捨てられないか心配だわ」

野津さんが口をはさむ。
「大丈夫ですよ。この人は決して人を裏切らない。私が保証します」
「嬉しい。生まれ変ったみたい。日御碕って、不思議なところですね。
昨日、絶望のどん底だったのに、今はこんなに幸せな気持ちになっているなんて」
「スサノオの眠る地だからね。それに、野津さんがいるから」
「春樹さん、私は何もできないおばあさんですよ」
「夏美さん、野津さんはね、この近くにある、隠ヶ丘を守っておられるんだ。
それだけじゃない。部屋を一つ、神様のために提供している。
宮大工に頼んで造ってもらった、小型の日御碕神社を毎日祀っておられるんだ」
「部屋を一つ?野津さん、私も見れるかしら?」
「構いませんよ。スサノオさまもお喜びになります」
野津さんについて、階段を昇り、神様の部屋に案内してもらった。
 
 
神様の部屋。
実は僕も入るのは初めてだ。
扉を開くと、小さな木造りの神社が鎮座していた。
素晴らしい出来栄えだ。日御碕大神宮がそのまま再現してある。
野津さんが宮大工に依頼して作ってもらったそうだ。
まだ新しい榊が備えてあった。
元は1階の居間の神棚にあったが、修行を重ねた徳の高い人が、
「こんなところに祀ってあるのはいけません」
というので、2階の客室に移動し、日御碕神社の神官に祓ってもらったと野津さんは語る。
その前で、僕らは正座し、手を合わせた。
夏美は声に出さずに何かを祈っていた。

部屋を出たとき、僕は聞いた。
「何をお祈りしたの?」
「え?それって人に言っちゃいけないんでしょう?秘密だわ」
野津さんが傍らで笑っていた。

支払いを済ませ、まとめた荷物を、野津さんに預けた。
坂道を海に向かって下っていく。

日御碕灯台は、目映いばかりに白く輝いていた。
僕はこれより美しい灯台を見たことがない。
子供のころから、僕のお気に入りだった。

らせん階段を昇り切ると、遠く日本海が見渡せた。
朝の光の中で、海がきらきらと輝いていた。
「うわあ、絶景。朝鮮半島まで見渡せそう」
「さすがに、半島は見えないけれど、朝鮮半島は近い。スサノオは新羅からやってきたらしい」
「へええ。じゃあ、スサノオは朝鮮人なのね」
「いや、詳しい話はまた今度にするけど、遠く西の方からやってきた民族らしいよ。
その民族の王だったんだ」

そこから5分ほど歩いて、小さな森の前に来た。鳥居がある。
「ここはなに?」
「隠ヶ丘。スサノオが国造りを終えて、熊の峰から柏の葉を飛ばし、
『この葉の舞い降りた所に私の魂は眠る』と言った。
その柏の葉が舞い降りたところがここ、隠ヶ丘だ。
僕の大好きなところだ。ここにくると、なぜか心が落ち着く。登ろう。」

そこはまさに神域。
けもの道のような坂を登って行く。
途中、木の鳥居が三つあった。
やがて、開けたところに着いた。
kakuregaoka.jpg

鳥居があり、その向こうは四角い柵で囲んである。
「ここはね、誰も立ち入ってはならないんだ。日御碕神社の神主でもね」
鳥居の横に賽銭箱が置いてある。
「ねえ、この印・・」
「三つ柏。柏の葉が三方に広がっているだろう。
スサノオが飛ばした柏の葉が、ここに落ちたことに因んでいる。
ここから、日御碕神社にスサノオの御霊を移した。
だから、日御碕神社の神紋も同じ三つ柏だ。出雲でも珍しい」

その時、一陣の風が吹いた。
そして、そのあと、僕らは信じられない物を目にすることになる。
 
終章
 
siniki.jpg
 
風が過ぎ去ったあと、夏美を振り返ると、彼女は怪訝な表情をしていた。
12センチくらいの大きな葉っぱを手にしている。
「その葉っぱ、どうしたの?」
「今、足元に舞い落ちてきたの。何の葉?」

僕は夏美から葉っぱを受け取った。
そして、驚いてそれを見つめていた。
「これ、柏の葉だよ。このあたりには柏の木はないはずだ。
どこから飛んできたんだろう?」
「それって、さっき話してた、スサノオが飛ばした葉と同じよね。」
「・・・」
僕は絶句した。しばらく口がきけない。
やがて、やっと出てきた言葉・・
「スサノオ・・こんなことって・・」
「どうしたの?どういうこと?」
「うん、ありえないことなんだけど、現実だ。スサノオからのメッセージとしか考えられない」
「どういうメッセージ?」
「僕と君を結ぶ縁。君、京都のどこに住んでるの?」
「四条河原町。八坂神社の近くよ」
「やはり・・八坂神社にはだれが祀られているか知っているかい?」
「知らないわ。でも、ちょくちょく行くの」
「八坂の八は、スサノオの八人の王子にちなんでつけられた。
八坂神社の祭神は、スサノオなんだよ」
「まさか・・じゃあ、この柏の葉は、スサノオがわたしたちを結びつけたことを示してるの?」
「うん、そうとしか考えられない。二人がここ隠ヶ丘にいるときに、飛んでくるなんて・・」
「お祈りがかなったわ。この柏の葉、宝物ね。大切にしなきゃ」
僕らは柵の中を見詰め続けた。
神域。
スサノオの魂が眠る。
風が海の匂いを運んできた。
夏美がとても愛おしかった。
スサノオの見守る中、僕は夏美をいつまでも抱きしめ続けた。

 
 

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はじめにー谷真館デジタルOPENのご挨拶を兼ねてー

デジカメって・・

「アマチュアがプロ並みに撮れる」
というのがウリ
だそうだ

ところが・・

パシャパシャ撮って
不要なものを消していく・・

これって
”写真”なのかね?

写真とは
自然や造形物と写真家の
一瞬の出会いなんだ

二度と訪れることのない
一瞬の出会いなんだ


昔、そこそこ撮れていた
写真家が
デジカメを手にした瞬間から
腕はひたすら下降を始め

やがて

プロだった写真家が、アマチュア以下に

「プロがアマチュア以下に撮れる」
って・・

はあ、ため息・・

例えば
この写真
二流のカメラマンさんみたくデータや撮影箇所など記さないけど
昔、陰陽師 安倍晴明が
牛車に揺られてはるばる訪れ
瓜を流し
京に雨を降らせた
日本海の寺

機材はPentax67 レンズは・・絞り値は・・シャッター速度は・・
FilmはFUJI crome velvia Professional 220
三脚はManfrotto
被写界深度を最高に高めるため
最小絞り値に設定
手前の岩にピントを合わせた
構図を何度もFINDERで確認
三脚の位置、カメラ位置を変え
水流を絹のように描写するためNDフィルターをかまし
レリーズを親指で押す・・
まず、30秒後に親指を離す
「バシャン!!」
ペンタ67のシャッター音をご存知か?
凄まじい音がする
手持ちだと
よほど高速で撮影しない限り
手ブレする
FINDERを右目で塞いでおかないといけない
余分な光がFINDERから入り込むのを遮らねばならない
ペンタ67のシャッター速度は
1秒までしか設定がない
だから、ミノルタ反射光式露光計は使えない
川の向こうに周れない以上
入射光式露光計もダメ
だから
心の中で
30秒を数え
レリーズボタンを離す

「バシャン!!」
次に45秒、60秒を2度、75秒、90秒を2度、125秒、180秒を2度

撮影終了

リバーサルフィルムは
1本1本微妙に露光感度が異なるから
前後1/3、2/3絞りは
最低押さえておく必要がある
そして、220ロールでペンタ67で撮れるのは
わずか10ショットのみ

カメラを三脚から慎重に取り外し
FILMを手動で巻き戻し
裏蓋を開け
白いシール部分を舐め
ポケットに収める

これで
本当の撮影終了
撮影ポイントを決めてから
10分かかった
もちろん、速い方だ

さて、この撮影済みFILM
帰って
指定のプロラボ、指定のラボ技師に預けることになるのだが
(ラボごと、技師ごとにFILMの現像、紙焼きともに発色が異なる
 銀塩は化学製品だから)

この時点で
ポジの出来上がりを
100%予想できなければ
プロでは、ない

さて
下はラボから受け取った、10枚のフィルムのうち
適正露出と写真家の僕が判断した(現像技術者は撮影現場に立ち会っていないから)ものを
CANONのフラットベットスキャナで読み取り
Macに取り込み
Photoshopで色温度やコントラストなどを調整して
アップしたものだ

このデジタルフォトではわからないが
全紙にプリントすれば
中央右奥の立て看板の文字が
はっきりと読み取ることができる

デジカメでは
絶対に訪れることのできない世界・・
モザイクの集合である
デジタル写真とは
全く次元が異なる・・

それでも
このデジタル写真の中に

1分間の
水流の流れ

その、風に揺れる草木、苔
水の音、風の声、小鳥の歌声・・

すべてが凝縮されているのをお分かりか?

真の写真家は
自分の写真を見直した時

露出値、シャッター速度はもちろんの事
撮影時のおおよその時間、太陽の位置、風向きとその強さ・・
すべての撮影データを心の中に
蘇らせることができる

それが
プロの写真家というものだ

かつてのビッグネームの写真家は
すべて
それが出来た


それができるのは・・

e0370060_08135840.jpg

この紙焼き
全紙大にプリントしたものは
日本一の中古カメラ店
大阪北浜の
ハマムラカメラ

展示してある
ご興味がおありなら
ぜひ
足を運んでください
ハマムラカメラには
何千と
カメラやレンズ、三脚、カメラバッグやパーツなどが
所狭しと置かれている

写真家のパラダイスだよ

ハマムラカメラ
541-0041
大阪市中央区北浜2−6−6
クリスタルタワービル2F
06−6231−6112
06−6201−3408
月〜金 11:00〜18:00
浜村社長まで

では
全世界の
カメラマンよ

御機嫌よう

こころをこめてshig/谷田茂
 

ーーーー
谷真館のURL

 

士農工商穢多非人(し・のう・こう・しょう・えた・ひにん)。

今はどうか知らないが、僕が中学校に通っていたとき、教科書に書いてあった。

 

京都府洛北八瀬に「八瀬童子」という人たちがいる。

「八瀬ことば」と呼ばれる八瀬独特の言い回しで「あんな」「こんな」と言うべきところを、彼らは

「あがな」「こがな」と話す。同じ意味のことを出雲の人が話すとき、

「あげな」「こげな」という。

金刀比羅宮の章でみたように、ニギハヤヒが統治した、愛媛県では、

「ありがとう」を「だんだん」と、出雲の人と同じ意味で使う。言葉は簡単には変わらない。

出雲の「雲」と伯耆の「伯」を取って、雲伯なまりと呼ぶが、このなまり、はるか離れた地でも使われている。

出雲族はなぜそんな遠くに住んでいるのだろう?

そして、八瀬にも出雲族は住んでいた。

「八瀬童子」として古来、朝廷に奉仕した。

八瀬童子について、Wikipediaを見てみよう。

「大 正元年(1912年)、明治天皇の葬送にあたり、喪宮から葬礼場まで棺を陸海軍いずれの儀仗兵によって担がせるかをめぐって紛糾し、その調停案として八瀬 童子を葱華輦(天皇の棺を載せた輿)の輿丁とする慣習が復活した。明治維新後には地租免除の特権は失われていたが、毎年地租相当額の恩賜金を支給すること で旧例にならった。

この例は大正天皇の葬送にあたっても踏襲された。

平成元年(1989年)、昭和天皇の葬送では棺は車輌によって運ばれることとなり、葱華輦は式場内の移送にのみ用いられることとなった。」

非人についての記述を見よう。

「江 戸においては、近世中期に穢多頭の浅草矢野弾左衛門の支配下に入った。弾左衛門の支配下には各地域ごとに非人頭がおり、非人を管理下においた。身分的には 穢多より非人は下位に置かれていたとされているが、これは江戸の事例であり、京都や大坂などでは穢多身分との支配関係はなかった。」

彼らは、古来より、高貴な方の穢れ、すなわち、死の場面において、活躍してきたのだ。

それは、人がする仕事ではなかった。だから、人に非なる者にその仕事をさせた。

八瀬童子。出雲族。突然出雲から移住してきたわけではない。

先に見たように、大和はニギハヤヒのものだった。

そして、古事記では、神武天皇はニギハヤヒの娘、ミトシに婿入りしている。

その後、大和朝廷はなぜか、譲ってもらった大和の拡大の過程において、

スサノオやニギハヤヒのような、緩やかな連合王国など目指さなかった。

蝦夷退治、熊襲退治に見られるように、殺戮と征服を繰り返したのだ。

出雲族は賤しい身分とされ、時に「鬼/オニ」「物/モノ」と呼ばれ、桃太郎の「鬼退治」のように、悪者として伝承させた。物部氏の末裔がどのように処遇されたかは、別の章で明らかにしよう。

 

ところで、エタを調べていると、ある神社の由緒書が、僕の目を点にした。

東京都多摩にある、小野神社。

正和二年(一三一三)秋七月、神主澤井佐衛門助藤原直久の誌した、『式内社小野神社由緒』によると、次のようにある。

「人皇三代、安寧天皇ノ御代、御鎮座、祭ル所天下春命大神也、此御神ハ、神代ニ有テ、天孫饒速日命、始テ河内國土哮ケ峰ニ降臨ノ時、天上ヨリ供奉随身シ玉フ三十二神ノ中、一神ニマシマシ、出雲臣祖、以下略」

さて、ここに出てくる、小野神社の祭神「天下春命(あめのしたはるのみこと)」

彼は饒速日命(ニギハヤヒ)とともに河内の国を治めるために降臨した三十二人のうちの一人だった。

その父親が天八意思兼命(アメノヤゴコロオモイカネノミコト)である。

兄は天表春命(アメノウワハルノミコト)といい、信濃の阿智神社、戸隠神社宝光社の祭神になっている。

川を挟んだ府中市にも、小野神社はある。

そして、この「天下春命」を小野神社に祀った人の名に注目。

 

天下春命の後裔、「兄多毛比(えたもひ)」

僕は言葉を失った。

ニギハヤヒの腹心は遥か関東まで追いやられ、その後裔の「エタモヒ」の名を貶め、最下層に置き、それが1千年をはるか超えて、今なお、被差別民の代名詞として使用されている。

この記述、物議を醸すであろう。

しかし、古代出雲王国。スサノオやニギハヤヒの名誉のため、敢えて発表する。

今、由なく差別されている方々を想う。

是非、誇りを持って頂きたい。

日本の文明のあけぼのを切り開き、民を思い、善政を敷き、征服することなく大倭国を築き、

人々から真の尊敬を集めた

スサノオ、ニギハヤヒ、イソタケル・・

あなた方は、本物のエリートの血を引いているのです。

出雲族こそ、真の日本の建国者なのです。と。

僕は昨日、ある政党の支部に出向き、被差別民について話し、聞いてきた。

彼は言った。

「要するに、差別意識をなくさなければならないんですよ」

差別と言うのは、そんな簡単になくなるものではない。

理由などないのだ。意識下に刷り込まれた、理不尽な気持ち。

 

そして、それが遠く平安の昔まで遡って意図的に出雲族に対して行われたことに怒りを感じずにはいられない。

 

「罪を憎んで人を憎まず」と言う。

 

けれど、僕は憎む。時と空間を超えて。

このような歴史的犯罪を犯した、遠い昔の見知らぬ人たちを。

 

そして、過去に飛んでいけるものなら、声を大きくして彼らに言いたい。

 

「あなたたちこそ、人で無しだ!」と。

54につづく

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昨日に引き続き

病からの奇跡の復活三部作の最後です

「遺言」
重い言葉ですが・・

2008年9月
OcnCafeにて発表したものに若干の加筆、修正を加えました

お気に召せばいいのですが・・

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小説「遺言」 病からの奇跡の復活三部作より