スケジューリングには二つの局面がある。
全てのリソースをゼロから配置する「全体生成局面」と、確定済みの配置を前提として変化した部分だけを再処理する「部分修正局面」だ。
この二つを別々の仕組みで処理するシステム設計が、現場で機能しないスケジューリングシステムを生み出す根本原因になっている。

全体生成局面とは何か。
全てのリソースを変数(探索対象)として定義し、制約を満たす最適な配置をゼロベースで生成する局面だ。
この局面では固定すべき定数は存在しない。

部分修正局面とは何か。
リソース欠損・条件変更・緊急依頼が発生したとき、確定済みの配置を定数(固定対象)として保持しながら、変化が生じた部分だけを変数(探索対象)として再処理する局面だ。
確定済みの配置を崩せば前提崩壊が起きる。
前提崩壊を防ぐためには、変数と定数の境界を正確に定義しなければならない。

この二つの局面に共通しているのは何か。
どちらの局面も「何を変数とし何を定数とするかを決める」という配置問題の構造は同一だ。
全体生成局面では全リソースが変数になる。
部分修正局面では確定済み配置が定数になり影響範囲が変数になる。
変数と定数の定義が異なるだけで、問題の構造は変わらない。

この構造的同一性が、二つの局面を同一の制御構造で処理しなければならない根拠になる。
別々のシステムで処理すれば、それぞれが異なる制御基準で動き、スケジュール全体の整合性が失われる。
業務の状態情報を読み取り、その局面に応じて変数と定数を自動的に決定する単一の制御構造が両方の局面を処理する、という設計原則がここから導かれる。
shiftect.が特願2026-026989として出願している技術の本体は、この「全体生成局面と部分修正局面を同一の制御構造で処理する」という設計原則の実装にある。
全体生成局面と部分修正局面という概念を正確に定義しようとすると、その定義はこの設計原則を持つかどうかに帰着する。