みなさま、あけましておめでとうございます!

本年もどうぞよろしくお願い致します。
 
昨年のご挨拶では、「鉄道復権を目標に・・・」と壮大なことを申し上げましたが、なかなか個人ベースの活動が多い私では、足を上げはしましたが、一歩目がなかなか出せない歯がゆい状態でした。
 
そのため、今年も引き続き、「鉄道復権」を目標に活動して行きたいと思います。
 
鉄道は、コストが多く掛かってしまうのは周知の事実ですが、コストが掛かるだけに頼もしい存在でもあります。・・・確かに、閑散線区を維持することは、並大抵のことではありません。
 
しかし、鉄道会社が自社の主幹事業である鉄道路線を不採算ということで整理し、儲かる付帯事業で成長して行くというのは、健全な鉄道事業者とは言えないのではないでしょうか?
 
鉄道事業者は、監督官庁の数々の規制や制限のもとで成り立っています。
 
反面、規制が多い代わりに、官庁を始め、地方行政などからも数々の優遇措置や助成を受けています。
 
それは、鉄道という移動手段が、国民のライフラインの一つだからです。
 
その優遇を利用して、鉄道以外の事業で企業成長してゆくのは、利用者や納税者からすると考えものです。勿論、日に僅かな輸送人員しかない閑散線区を全部残せとは言いませんが、少なくとも廃止という選択は、最後の最後であって欲しいものです。
 
例えが場違いではありますが、私たちが使う携帯電話。
全国で56社あるそうですが、この携帯電話料金の明細書をご覧頂くと、「ユニバーサルサービス料金」というものが計上されています。
これは、携帯電話の普及が拡大し、都市部を除く一般の加入電話(NTT)の不採算地域に於ける電話事業を継続するために、会社間関わらず、徴収されている料金です。
 
このようなシステムを、鉄道の運賃に取り込む事ができれば、廃線を少しでも減らせるのではないでしょうか?
確かに現状でも、営業キロの他に、運賃計算キロや擬制キロ、換算キロがありますが、これらの多くは不採算線区を利用される旅客から徴収しています。
元々輸送人員が多くない線区の旅客から徴収しても、多寡が知れています。
 
これらを携帯電話の料金体系に倣い、多い所から少ない所へ廻す、という考えで徴収するのです。
 
これは、少々乱暴なアイデアではありますが、もう少しお付き合いください。
 
例えば、JR北海道のどこかの線区を助けるために、首都圏や大都市圏のJRを含む大手鉄道社局の路線を利用する方から、1乗車あたり1円、きっぷ一枚あたり1円、一か月定期券で30円という風に徴収するのです。
 
ちなみに、東京メトロと東京都交通局だけでも、一日当たり1,000万人の利用があるので、一年で36億5千万円が捻出されます。
この他のJR首都圏を利用されている方や、他の大手民鉄の特定の区間を利用する方からも、同様に徴収します。
 
こうすることで、かなりのお金が捻出できます。そして、この援助は物品で行います。人件費は支援しません。
 
なぜならば、支援される側の鉄道事業者には、自らが創意工夫してお客さまを呼び込むための努力をして頂く必要があると思うのです。
 
お客さまが増えれば、給料も上がる・・・というシステムにするべきです。闇雲な支援は正しくありません。自分たちの手で、お客さまを定着させるという風土を、作って頂くのです。
 
受益者負担という言葉もあります。確かに、京王線しか使わない旅客から、北海道の路線を助けるためにお金を徴収するのは問題もありましょう。
 
しかし、だからこそ「ユニバーサルサービス料金」と釘打って、携帯電話各社が徴収しているようなシステムを行えばよいのではないでしょうか。
 
というアイデアが、初夢 でした。
 
今年は、今までの執筆活動を主にしたものは勿論のこと、少々戦術を変えて、色々な分野で「鉄道復権」を訴えていきたいと思います。
 
どうか、変わらぬ応援のほど、宜しくお願い申し上げます。
 
 
 
線路は続くよ、どこまでも。
 
 
2017年1月3日 渡部史絵 拝