みなさん、こんばんは。


昨日は、東海道新幹線で恐ろしい犯罪が起こってしまいました。


報道によれば、71歳の容疑者が車内でガソリンのような液体をばら撒き、更に自分にも掛けて、ライターで着火したそうです。


容疑者は死亡したとのことですが、なぜ、関係のない多くの人を巻き込むのか?特に亡くなられた方には、お気の毒で言葉もございません。

さらに、新幹線というシステムに多大な影響を及ぼした容疑者には強い憤りを感じます
ところで、こう云うことが発生すると、航空機のようにセキュリティを厳重にすべきである、という話しが出て来ます。確かに航空機に比べれば、新幹線のセキュリティチェックは甘い…というか、皆無に等しいです。


乗車前の荷物検査などは、中国の新幹線や欧州のTGVなどでは実施されているようですが、1時間に10数本が発着する東京などのターミナル駅では、なかなか現実的だとは思いません。

鉄道営業法では、第三章第三十一条で、旅客の危険物の持ち込みを禁じています。しかしながら、鉄道掛員の旅客の荷物検査などの規定はありません。

つまり性善説的な決まりなんですね。


ですから、危険物を手荷物に隠して持ち込めば、事実上は簡単に持ち込むこともできるのです。


今回の事件は、ここが盲点でした。

平和な日本、常識的な人の多い日本は、もう過去になっています。
鉄道も、時代に合わせた形で、自衛をする時代なのですね。


その上で、国鉄時代に活躍していた鉄道公安職員(国鉄職員による特別司法警察職員)といった専門職がないのも問題ではないでしょうか?・・・鉄道警察があるじゃないか!と?


しかし、鉄道警察隊は、沖縄を除く都道府県の警察官であり、都道府県警察官は、人口に対する要員数が決まっ ています。


そのため、鉄道警察隊の要員数も一般の警察官の数に含まれていますので、公安官時代に比べて決して多くなっていませんし、社会全体が粗暴化している現在、鉄道施設内の治安を守るための、鉄道公安官のような存在を、行政側が、警察官とは別の組織として再度結成すべきではないでしょうか?


昔は、東海道新幹線に警乗している鉄道公安官を頻繁に見掛けました。しかし、現代では、警乗している警察官を見掛けることは稀です。しかも、都道府県の警察官は、管轄がありますから、多くの都府県をまたぐ新幹線には、どこの警察官が警乗するのか?なども縦割り社会では問題になるのでしょう。


制服の警察官は、犯罪の抑止力にもなります。

事実、東急電鉄や京王電鉄では、鉄道警備隊と称した警備員の方 が、目を光らせており、それ相応の成果を上げているとも聞きます。


以前ご案内したサンフランシスコには、BARTという地下鉄のような高速鉄道が走っています。








サンフランシスコは治安が比較的良いのですが、それでもアメリカの街に変わりはありませんので、犯罪は多いです。


そんなBARTの鉄道施設内の治安を守るのが、BART Policeです。







バートポリスは、普通の警察官と全く同じに武装していますし、機動隊(SWAT)も配置されています。各列車内や駅、プラットフォームでも、彼らの姿は頻繁に
見掛けることが出来ますし、沿線をパトカーでパトロールさえしています。


日本の場合も、鉄道警察隊の要員を別枠で増やすとか、別組織の鉄道公安官を再度設立するとか、法律により鉄道掛員の権限を拡張するなど、鉄道の治安の維持を図るべきだと思いました。


それでも、今回のような犯罪は防げないかも知れません。しかし「やらないよりはやるべき!」です。


オリンピックが開催される2020年に向けて、外国からのお客さまも増え、それに伴い予想外のことも考えられます。そして、その対応は国内のみならず世界中からも注目されます。


セキュリティだけは、彼の地の新幹線の方が上だね、と言われないようにしたいものです。