みなさん、こんばんは。


 最近、近所の学校が次々に卒業式を迎え、胸にお花をつけた制服姿の生徒とご両親の姿が、やけに目に止ります。


 ちょうど、卒業旅行の季節でもありますね。


 サンフランシスコの空港にも、大学や高校、専門学校などを、卒業されたと思われる方々がたくさんいらして、新鮮な気持ちになりました。



 さて、海外出張ルポの続きです。



 今回の出張予定は、4泊6日だったのですが、個人的に観ておきたいLRTが、サンフランシスコ近郊にもあり、私は別途延泊をし、あらかじめ現地解散をお願いしており、同じく延泊している数名の取材陣・メンバーと、個人的にLRT視察に行って来ました。


 ところで、宿泊地の、California州Millbrae市は、世界的な観光地San Franciscoや、シリコンバレーで有名なSanta Clara地方にも、20~40分程度で行ける大変便利な所で、治安も良く、私のお気に入りの街となりました。サンフランシスコへ旅行される方などに、お奨めです。







【Millbrae駅】


そのミルブレイ駅から、以前の渡米時にもブログに書きましたが、【Caltrain】という、ディーゼル機関車を一方に付けた、プッシュプル方式の高速列車に乗ります。













【キャルトレインの開放感のある車内】



【Caltrain】は、高速運行にも関わらず、揺れが少ないことに毎回驚きます。

ゆっくり読書をしている方や、コーヒーブレイクしている方を多く見かけました。



 ミルブレイ駅から約40分後、サンノゼ駅に到着。




【San Jose 駅】






この駅は、長距離を走るAmtrakやアルタモント急行の駅でもあります。



 そのため、駅の待合室は、映画で見るような独特の雰囲気で、とても優雅でお洒落。もちろん駅舎も、大変立派な建物です。





【Caltrain】のSan Jose 駅に隣接しているSan Jose Diridon駅に移動。








 このサンノゼ・ディリドン駅から、サンタクララバレー交通局(VTA)が運営するライトレールに乗ることが、今回の個人的な目的です。


 VTAのライトレールは、2路線と1支線からなり、全線約68キロにおよぶ路線を有しています。


 今回は、VTA全線走破を目指します。



VTAの公式HPはこちら→ http://www.vta.org/index






 ところで、このライトレールの興味深いところは、専用の車両(といっても、車両的には同じで、ラッピングで色を変え、大きくEXPRESSと書かれています)で、急行運転があることです。



 VTAには、スケジュールの都合上週末しか行けず、エクスプレスに乗ることは叶いませんでしたが、次回はリベンジします。








 エクスプレスの画像のみ、撮影ができなかったので、時刻表に載っていたイラストと写真を載せますね。

ブルーとオレンジの2色展開で、向きによってカラーが違います。







【サンノゼ駅の券売機】


 各駅には、厳つい券売機が数台設置されており、公用語の英語・スペイン語の他に、なぜかベトナム語の指定ができます。






 私たちは、お得な「Day pass」を$6で買って全線制覇に挑みます。



 とりあえず、EXPRESS用のpassも記念に買いました。(笑)





 ちなみに、サンフランシスコでも、ここサンタクララでも、乗車券は必ず所持していなければならない規則(Proof of Payment)が徹底されていますので、無人駅だからといって、勿論無札乗車はできません。










 さて、いよいよ乗車です。まずは、Winchester駅を目指します。


 車内は、客室の70%が超低床の「一部低床車」で、運転台部分と直後の台車部分は、標準床。乗降口から後方が超低床部分です。





 この電車は、3両3台車の連接車で、A車+C車+B車となっており、A車とB車は電動台車で、C車は付随台車です。


 ところで、このLRVは、なんと近畿車輛さんが製造したものです。






【KINKISHARYOの銘鈑】


 近畿車輛さんは、LRT発祥の地、アメリカでも多くの納入実績がある車両会社です。
日本国内では、新幹線車両や広島電鉄の5100形を製造したことでも有名です。

 以前、近畿車輛さんに取材で訪問させて頂いた際に、このLRTのお話をご教示いただき、ぜひ拝見したいと思っており、このたび、個人的にサンタクララの都市まで足を延ばしました。



 アメリカを走る日本車はクルマだけではなく、鉄道車両も多いんですね。異国の地で乗る日本車も、また格別な感じです。






 運転台へは、車内から入る方式で、且つ客席とは完全に仕切られており、運賃収受等は一切行われません。


 これは、先のProof of Paymentを徹底しているために、運賃収受を乗務員が行わないこと(信用乗車制度)、また恐らくは、夜になると少々治安が悪くなるため、乗務員の安全の確保も視野に入れているのかも知れません。
 

 かぶりつきに座っても、前方どころか、運転室も一切見れません。






 
 写真は撮れませんでしたが、途中で市警察の警察官(旧国鉄の鉄道公安職員のようなオフィサー。ちなみに、サンフランシスコの地下鉄BARTには、専属のBART POLICEもいます)が、車内で検札を行いました。

 Clipperと呼ばれる日本のSuicaやPASMOのようなカードを読み込むカードリーダーを手に持ち、一人づつ検札します。

 私たちは、Day passだったので、提示したら「Okey! Thanks.Have a good day!」とにこやかに言葉をかけてくれましたが、お二人ほど無所持の方(現地のホームレス?)が居て、その人たちは、次の停留所で強制的に降ろされ、取り調べを受けていました。


 こちらのProof of Paymentに違反すると、問答無用に数百ドルの罰金や身柄の拘束が発生するそうですので、くれぐれもご乗車の際は、乗車券のご購入をお忘れなく。








【自転車ホルダー】


中間車の小さなC車には、4席のシートに向かい合わせるように、4台の自転車ホルダーがあります。






 こちらの公共交通のほとんどは、自転車の持ち込みが出来るため、このような設備が用意してあるのでしょう。このC車の窓には、WiーFiが使用できる旨のステッカーも貼られていました。

 さすが、シリコンバレーの近くを通るLRTですね。








【winchester駅】





 終点のウインチェスター駅は、駐車場とバス乗り場だけしかなく、やや寂しい所。
ただ、2~3分歩き大通りに出れば、ショッピングモールなどがありました。


 そしてクルマでしばらく走ると、ライフルのウインチェスターで有名な創業者の家があるそうです。
ウインチェスターミステリーハウスという観光地ですが、私たちはこのまま電車で乗換駅のコンベンションセンター駅まで戻ります。










【convention center駅】



 コンベンションセンター駅からは、サンタテレサ駅に向かいました。






【Santa Teresa駅】


 終点のサンタテレサ駅です。お店などはなく、駐車場の真ん中に駅があります。廻りには、特になにもないので、多分夜は怖いです。(笑)



 乗って来た電車でそのまま折り返します。

運転士さんは、不思議な東洋人だ、と不審な顔?そのまま途中駅のOHLONE駅まで乗車しました。





【OHLONE駅】





 途中のオロー二駅から、2駅だけの支線に乗り換えました。


 電車は、この区間を行ったり来たり、たったの4分間の行程です。一つ目のオークリッジ駅で私たち以外のお客さんが降りてしまい、運転士さんが車内放送で、「Does not get off?」(多分こんな風に言っていたように聞こえた)ってなことを言ってくれましたが、「アルマデンまで行く」と言ったら、「ヘエ~」という感じで笑っているようでした。






【Almaden駅】


 終点のアルマデン駅は、池のほとりにあるアパート街の駅で、降りたのは私たちだけ。(笑)


 運転士さんが、エンド交換で乗務員室から出てくると、「もう少し歩くと、池のほとりからハイキング
コースがあるよ。見晴らしが良いし、空気がきれいで癒される」と教えてくださいましたが、
「電車に乗りに来たので時間が余りありません。また次回楽しんでみます」とお応えしたところ、「電車に乗るのが楽しいなら、VTAに就職すれば飽きるほど乗れるよ。」と、笑顔でジョークを飛ばしてくれました。素敵な桜の風景と、可愛らしいお家が沢山並ぶ街並み。そして、陽気な運転士さんに、とても癒されました。(ちなみに 同行して下さったメンバーの方の訳です。)

 乗って来た電車で、再度オローニ駅まで帰り、今度はALUM ROCK駅を目指しますが、今日はこの辺で・・・。








 つづく





 
ペタしてね 読者登録してね フォローしてね