日本路面電車同好会の崎戸さんから、とても嬉しいニュースが届きました。


 ヤマト運輸は、京福電気鉄道(中京区)と京都市・嵐山地域周辺のCo2排出削減をテーマに、京福電気鉄道の路面電車を活用した、環境に優しい宅急便の輸送を5月18日から開始すると発表しました。

 毎日1便、嵐山本線(通称:嵐電)で車両1両を貸し切り、平日は西院発が7時20分、休日は8時5分となります。

 詳細はこちらへ↓


http://www.yamato-hd.co.jp/news/h23/h23_14_01news.html


 宅急便輸送に路面電車を活用するのは、現在では、全国唯一とのこと(過去には、横浜市電・現在は廃止や、西日本鉄道、能勢電気軌道、現・能勢電鉄株式会社などが、荷物電車を走らせておりました)。

事業観光地や嵐山地域の環境保全や渋滞緩和を図るための取り組み、とても嬉しくなりました。


 従来、ヤマト運輸の嵐山への宅急便は、京都府久御山町の物流ターミナルから大型トラックで京都市右京区の嵯峨野センターに運び、2トントラックに積み替えて配達してきました。


 これまで配達に使っていたトラックは、1台当たりCO2を年間約10トン排出しており、路面電車の活用で、トラック台数を抑制できるため、CO2排出量も年間30トン以上も削減できるといいます。



 今後は、宅急便を物流ターミナルから京福電鉄西院車庫(中京区)に運び、リヤカーに装着する集配用コンテナを搭載したヤマト運輸の台車を京福電気鉄道・嵐山本線の路面電車の車両に積み込み(コンテナ最大22個)、ヤマト運輸の社員が同乗し、嵐山駅(右京区)と嵐電嵯峨駅(同区)まで、リヤカー付きの電動自転車に積み込んで個人宅や事業所に配達します。台車は手荷物扱いとなり、車両は貨車扱いとはならないようです。


  電動自転車での配達は、各駅の半径500メートル圏内で行い、それ以上の距離には、新たに導入する軽商用電気自動車を使い、環境負荷を軽減します。


 嵐山駅までの各駅には、現在のところ台車の出入りに適さない構造の駅もあるため、当面は西院駅から嵐電嵯峨駅と嵐山駅でのサービスとのこと。


 また、リヤカー付き電動自転車でカバーできない嵐山周辺を中心とする京都市内エリアでは、商用軽電気自動車「MINICAB‐ MiEV」を本年度(2011年度)中に導入する予定です。


  サービス開始前日の5月17日には、デモンストレーションとして、14:50分にヤマト運輸の台車を西院駅の嵐電へ積み込み、同日15:08分に西院駅を出発し、15:42分嵐山駅に到着。


 台車を積み下ろし、リアカー付き電気自転車で出発する実演が行われました。


 将来的には、宅急便の量や運行状況を確認した上で、全路線、全駅でのサービスも視野に入れているとのこと。


増便も検討されているようで期待が高まりますね。


  ヤマト運輸、代表取締役 山内雅喜社長は、「CO2削減と嵐山の景観保全、渋滞緩和に貢献できる、環境意識が高い京都で行うことに意義がある。世界から集まる観光客にも取り組みをアピールできれば」と話します。     行楽シーズンの嵐山の渋滞に苦労してきたことも大きな要因でしょう。


 京福電気鉄道の代表取締役 西田寛社長は、「同様の取り組みが全国に広がり、中小民営鉄道の活性化につながれば」と期待しています。


 今後も注目してゆきたい取り組みです。