―その時はつらく、苦しくても

・人生は、いいことばかりではないのだから

 

「悪いことが起きませんように」という気持ちは、裏返せば、「いいことばかりの毎日」を願うということです。それは、ある意味でわがままといえます。

 人生は山あり、谷ありですから、そんなことはありえません。しかしながら「いいこと」の解釈を変えると、そんな夢のような毎日が手に入ります。その解釈とは、「いま、このときにしかない経験をさせていただいている。その経験自体には、いいも悪いもない。今後の行動・努力しだいで、なんだっていいことになる」というものです。

 実際、その時はつらく、苦しくても、あとになって「いい経験だったなあ」と思うことは多いはずです。すべての経験がその後の成長の糧となるのです。

 このことを禅語で「日々是好日」といいます。

 日本の暮らしのなかで、今後について「うまくいかないかも」とか「失敗するかも」といった心配がよぎったら、「日々是好日」と自分に言い聞かせましょう。ラクな気持ちで何事にも向かっていけます。