―「失敗しない人は、仕事をしていない人」

・「失敗の本質」とは?「成功の本質」とは?

 

 ある経営者が「失敗しない人は信用しない」といっていました。失敗がないのは、仕事をしていない証拠だというのです。たしかに、仕事量が少なければ失敗が少ないでしょう。ただ評価の上で減点を減らせる半面、大きな加点はもらえません。

 たとえばフィギュアスケートでは、以前、「難易度が高い技術に挑戦して失敗するより、ミスを少なくしたほうが高い点数を挙げられる」という採点方法でした。勢い、競技がつまらなくなり、技術力アップを目指して頑張ろうとする選手の向上心をも削ぐことになりました。それでも浅田真央選手がどこまでもトリプルアクセルにこだわったように、評価は度外視し、難易度の高い技術に挑戦し続けた選手もいます。結果、技術レベルに応じて大きな加点の付く方式が取り入れられたのです。失敗を恐れずに挑戦したことが、ルールをも変えたということです。

 失敗しないように慎重に行動することは大切ですが、それが保身になると、自分の成長が止まります。成功するまで挑戦し、失敗しても「最終的には、この失敗をなかったことにすればよい」と考えるといいでしょう。減点を上まわる加点が得られます。