―「淡交」という人間関係の極意

・普段は「つかず、離れず」の距離感で

 

 たとえば恋人ができたとき、最初のうちはそれこそ”蜜月時代”。毎日のように会ったり、日に何度も電話やメールをしたりで、「べったり」したつき合いに終始するものです。ただ「べったり」は、長続きしません。上手に「さっぱり」にシフトチェンジしていかないと、愛を育むまでに至らないことがほとんどです。

 これは、男女関係に限らず、人づきあい全般に当てはまることです。どんなに気の合う友人でも、「べったり」より「さっぱり」のほうが長続きするのです。実際、親しい人と一週間・二週間の長旅に出たら、関係がぎくしゃくしてしまった、というのはよくある話。関係を修復するには、しばらく会わない時間が必要になります。

 大事なのは、メリハリです。普段は、「つかず、離れず」。ある程度の距離を置く。それでいて、頻繁に連絡を取り合ったり、助け合ったりする必要のある時だけ、「べったり」でいく。そのくらいのバランスがちょうどいいかと思います。

 人づきあいはすべからく「淡交」―淡い交わりを基本とすると、いい関係を長続きせることができます。それがまた、「縁」を大事にするということなのです。