―ダメな自分を救ってくれる存在

・誰の心のなかにもいる力強い味方

 

 「坐禅」の「坐」の字には、「土」の上に「人」が二つ乗っています。これは、現実を生きる自分と、本来の姿である「もう一人の自分」(本来の自己)がどっしりとすわって対話しているさまを表現しています。

 人間というのは「こんなことをしちゃいけないな」と頭ではわかっていても、ついいけないことをしてしまう生き物です。「自分だけが得しようとしてはいけない」と思っても、つい私欲に走ってしまう。「人を傷つけてまで、自分がいい思いをしてはいけないな」と思っても、つい保身に走ってしまう…というふうに。

 そんなときは、行動する前に一呼吸。「もう一人の自分」と対話をしてみてください。必ずやブレーキをかけてくれます。

 人づきあいのなかでもっとも大事にするべきは「もう一人の自分」であることを心に刻みましょう。

 そうして「もう一人の自分」を味方につければ、迷いも悩みも消えて、すがすがしい気持ちで人生を歩んでいけます。