小学部1年生の9月の実験は磁石がテーマです。
今日はその風景をご紹介いたします。
まずは、みんなのおうちにある磁石を教えてもらいます。
「みんなのおうちに磁石はあるかな?知ってる?」と質問すると子ども達は
「そんなの知ってるよ、当たり前!」と言わんばかりに、おうちにある磁石を教えてくれます。
「冷蔵庫にメモを止めるのがくっついているよ」とまず第一声があがり、
それから「それなら、ばあちゃんの家にもあった。」と口々に磁石の使い方や、どこにあるのか説明をしてくれます。
「じゃあ、なんでくっついているのかな?」と質問すると、急にシーンとなり、
「磁石だからじゃないの?」と自信なさげな答えがポツリとあがります。
そこで、講師は磁力の話をします。
「磁力は見えないけど、確認することは出来るよから、今日はちょうちょを飛ばす実験をしてみたいと思います。」と投げかけた講師に、子どもたちのキラ~ンと輝く視線が集まってきます。
実験装置は簡単なものです。
薄紙で出来た「ちょうちょ」をクリップにはさんだものに糸がついています。糸の端を机にテープで固定してから、強力磁石でちょうちょ付きクリップをそーっと持ち上げるのです。
「ねえ先生、クリップは磁石にくっつくものだから、実験にならないよ!」と不満げな子どもたちの声…。期待はずれな雰囲気が流れます。
子どもたちはクリップ付きちょうちょをくっつけて持ち上げることを「ちょうちょを飛ばす」と考えたようです。
しかし、七田の実験は違うのです。「あっ、これね、すごくコツがいるの。普通にしても飛ばないのよ。ちょっと先生やってみるから。」と磁石を持ち上げると、磁石に引っ張られ、1センチほど磁石から離れたところでくるくる回る「ちょうちょ」を見たとき、子ども達の反応がガラッと変わります。
子どもたちの知っている「くっついている磁石」でなく、「引っ張っている磁石」を見た驚きに「早くやってみたいよ!先生。」の声が上がります。
実際にやってみるとクリップと磁石が引き合う不思議な感覚が手を伝わって理解できます。
既に知っているものでも見方を変えることでその不思議さを知ることが出来る。
この感動が子ども達の科学の芽を育てていきます。毎月「先生、今度の実験は何?」と目を輝かせて聞いてくれる子ども達の笑顔。
多くの学びが詰まっているレッスンの、ほんのひと時をご紹介しました