続・父の友人Tさん(4) | 鹿吉の徒然なるままに by Shicayoshi Cake Lab.

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ひとつひとつを丁寧に、食べてくださる方を想って焼き上げる、を信念に掲げた焼き菓子屋の徒然なる日々を綴っております。

続編のように父の友人Tさんシリーズを始めましたが、実は前出のTさんたちとはまたもや別人であることをはじめから明かそうと思う鹿吉です。

こんばんは!

 

父の友人Tさんシリーズはどの方も個性的な無意識面白人間でございまして、私個人としては抱腹絶倒の話ばかりにございました。今回のTさんは無意識面白人間とは少々毛色が違いますが、こちらもこちらでいつかは書きたいと思っていた方にございます。

 

参照記事は下記

父の友人Tさん(1)

父の友人Tさん(2)

父の友人Tさん(3)

 

ということで本日は父の甘酸っぱくも切ない(?)青春時代の話をひとつ。

 

東京の大学へと進学を果たした父は都会と田舎の中間地点に下宿を定め、学生生活を真面目に送っておりました。高校時代よりも勉強したのではないか、と自画自賛するほどに勉学に励む色気のない真面目学生だったそうにございます。

 

そんな父の学友たちはやはり都会を選ばず、程よく便利で中途半端な街を選んで住むような比較的真面目学生が多く、互いの下宿先へ雪崩れ込んでは賄いをみんなでいただくような生活だったとか。

 

なかでも友人Tさんの下宿先はご飯が炊飯器にモリモリ炊かれており、ほぼ食べ放題の状況だったため、お腹を空かせていた父は足繫く通っていたのでございます。

 

あまりにもたくさんのご飯を食べるので、とうとう下宿先の大家さんから文句が出て

 

「おまえがあんまり食べるから盛りきりになっちゃったじゃないか!」

 

とTさんから苦情が申し立てられるくらいには入り浸っておりました。

 

そんな仲良しだった父とTさんは同じ大学に通う仲間でもあったので、大学内でもいつも一緒に過ごしておりました。それこそ「実はデキてるんじゃないか?」と噂が立つほどに…

 

ある日、父は帰宅途中でショッピングセンターに寄りました。

何気なく寄った店先にはワゴンセールが開催されておりまして、覗いてみればごちゃごちゃとTシャツが詰め込まれていました。

 

その金額100円!!!

 

これは絶対に買う一択だろう、と父は様々なデザインや色の中から、これぞ!という一着を決めたのでございます。

 

それはあくまでもシンプルな柄の、色だけは鮮やかな黄色のTシャツにございました。

 

とてもいい買い物ができたとホクホクの父は気分よく帰宅し、翌日さっそくそのTシャツに袖を通しました。新しいものを着ると気分が上がります。

父は機嫌よく、大学へとその日も向かいました。

 

「おはよう」と声を掛け合う教室内へと足を踏み入れた父は気分上々のまま、友人たちの元へと足を進めました。如何にも朝らしい、耳に心地のいい喧騒をかき分けるようにして向かった先に、仲良しTさんはおりました。

 

そしてその場の空気が瞬時に凍り、互いに絶句してしまったのでございます。

 

周囲は無言のまま、けれども心の内では雄弁に言葉を紡ぎながら確信した瞬間でもございました。

 

デキてるかも、とは思ったけど、お揃いかよッ???!!!

 

なんとTさんも父が購入したTシャツの、柄も色もまったく同じものを着て登校していたのでございます!!!!!

 

申し合わせもせずに、同じ日に同じTシャツを着る、奇跡!偶然!!

 

これは凄い確率ではないかと存じます。

近所に住んでいるのですから、同じワゴンセールを目撃するのはあってもおかしくはありません。むしろ100円ですからね、学生には有難いセール品ですから買わないという選択はないでしょう。

 

でもワゴンの中には数々のデザインがありました。

その中で同じ柄を選ぶのはあり得るかもしれません。なんとなく趣味趣向が似ているからこそ友人関係が成り立つ可能性もなくはないのですから。

 

そして同じ柄を選んで、さらに同じ黄色を選ぶのも、かなり確率は低いかと思いますが、まったく可能性のない話ではありません。

 

けれどですよ?

まさか同じ日に着てくるとか、これだけ偶然が重なるのはこれはもう奇跡じゃないですか???

 

そりゃあ、友人関係以上の噂も信憑性が増しますわ~(笑)

 

Tさんがそのときどう感じたのかはわかりませんが、父は居た堪れないほどに恥ずかしかったそうです。お揃いコーデですからね、しかも無意識で。

 

だからといって電車に乗って下宿まで帰って着替えるわけにもいきませんから、その日は別々に行動するしか抵抗の術はなかったのではないかと推察いたします(笑)

 

仲が良いとこんな奇跡が生まれるんだな、と感心してしまった私は腱鞘炎で右手首を庇いながら今日も元気に焼いております!

 

本日はちょっとしたプレゼント用に焼菓子を作って欲しい、とご注文をいただき、そのつもりで試作していたものがあったのでございますが、その写真が消え失せました……

 

小さな花の焼菓子を作ったのですが……ちょっとショックで心が折れそうにございます。

まさか写真が消えるとは思ってもおりませんでしたので、焼いたお菓子は試食に食べてしまい、再度写真を撮り直すこともできないでおります……

 

美味しかったですけどもッ!

 

どうするんだ?私????と少々パニくっております。

ということで、本日の写真は商材から……

あんバターと鹿吉サブレの組み合わせが堪らないサブレ・オ・ジャポネーゼにございます!

 

無添加で焼き上げたお菓子にご興味を持っていただけた方はどうぞこちらをぽちっとな、宜しくお願いいたします~♪

皆様のご来店を心からお待ちしております!!!

 

ちなみに父とTさんの話を思い出したきっかけがございました。

 

先日、車を走らせているときに学生街を通りました。

信号待ちをしていると右から左から様々な学生たちが楽し気に横断歩道を渡っておりまして、その姿をただ微笑ましく眺めておりました。

 

その中に歩行者信号が点滅を始めたために急いで渡ろうと小走りに行くふたりの男子学生がおりまして、それがまた双子さんかと思うほど、体型から雰囲気、着ているものまでそっくりだったのでございます。

 

薄いグレーのパーカーに濃いベージュのスラックスを着たその子たちを見て、ふと私は思ったのです。

 

「Tさんとパパもあんな感じだったのかなぁ…」

 

その呟きを聞きつけた母が無事に信号を渡り切った彼らに視線を向けながら


「違うわよ、あんなにキレイなカップルじゃなかったもの」

 

と軽やかに笑いました。

 

昨日のブログの、父への辛辣な言葉とあまりもな父の行動の暴露に「笑えない…」と私に自重を求めていた母の言葉も大概かと存じます(笑)

 

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

明日もまたいらしてくださいませ~♪

お待ち申し上げております!!!