【軽度知的障害・精神障害】 累犯障害者・ホームレス問題 | 渋谷区精神保健福祉オンブズパーソン

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累犯障害者 

知的障害などがあって犯罪を繰り返す「累犯障害者」の救済の動きが広がりつつある。だが、共通するのは「孤立」や「貧困による生きづらさ」を抱えている点で、刑務所は身寄りのない人々にとって“安住の地”という声もある。

東京都葛飾区の社会福祉法人「原町成年寮」が運営する都内60カ所以上の施設には、知的障害者344人が暮らしている。2011年以降は累犯障害者7人を受け入れ、新たな人生の伴走をしている。

ノボルさんも腕が動かなくなって日雇い労働ができず、飢えをしのぐために盗むようになった。

 2年後、それまでは家賃5万円の滞納に目をつぶってくれていた親戚に家を追い出され、仕方なく公園内の小屋へ移った。生活保護を受けようと役所に2回ほど相談に出向いたが、「まだ働けるのでは」と言われて帰ってきた。冬の厳しい寒さで両足の指が壊死し、病院に運ばれて切断した。入院費を支払うために生活保護を申請してもらったが、退院後に受け取り方がわからず、それっきりになった

 数年間にわたるホームレス生活は、スーパーの警備員に万引きを通報されて逮捕、実刑判決となり、幕を閉じた。ノボルさんにとって刑務所とはどんな場所だったのだろうか。




社会福祉法人 原町成年寮

http://www.haramachiseinenryo.com/

就学社会生活能力向上のための支援
豊かな人生を送ることへの支援
地域社会への貢献




私が「10回服役、44年間刑務所暮らし」の男の身元引受人になった理由


NPO法人北九州ホームレス支援機構理事長の奥田知志さんは彼らの責任だけを問うのは問題だとこう話す。


1988年から北九州を中心にホームレス支援をしています。炊き出し、居住支援、就労支援、最近は子どもの貧困対策として学習支援もはじめました。

 2006年1月、JR下関駅が放火されました。犯人は当時74歳の男性で、刑務所出所後8日目の犯行でした。22歳で最初の放火事件を起こし、それまでに10回服役、実に44年間を刑務所で過ごしてきました彼は、過去の公判で知的障害を何度も指摘されていますが、いまも療育手帳を取得できていません。裁判は法務省、障害福祉は厚労省。制度の狭間に置かれてきたのだと思います

 彼は事件直前まで北九州にいました。「出会っていれば……」という悔いもあり、下関署を訪ねました。「お金も行き場もなく、刑務所に戻りたかった」が放火の理由でした。8日間の足取りを追うと、警察、病院、役所と接点がありましたが、彼を引き受けるところはなかった。放火は犯罪です。しかし私たちは他の選択肢を彼に示すことができなかったのです。あの日、彼にとって帰る場所は刑務所だった。

 官民恊働で「ホームレス自立支援センター北九州」の運営をしています。毎年100人程度自立しますが、全体の5割以上に知的障害あるいは精神疾患があります。私たちと出会うまで、ほとんどの人が障害認定を受けていません。セーフティーネットにかからないまま、大人になり、ホームレスになっています。

 いつ誰がホームレスになってもおかしくない時代、貧困も障害も個人の問題とされがちですが、私はそうは思いません。「社会復帰支援」といいますが、そもそも復帰したい社会なのか。社会が問題を生みだしているのではないのか。

 独自の自立支援施設もつくり、すでに2千人以上が自立していきました。しかし昨秋、市内に新しい施設を開設した際、地域から激しい反対運動が起こりました。幟旗には「取り戻そう!安心して住める街」とある。“ホームレス=危険”という差別意識が垣間見えます。社会的排除の現実を放置したまま、自己責任だけを問う社会は問題です。

 その後、私は下関駅に放火して服役中の男性の身元引受人になりました。手紙のやりとりが続いています。彼は繰り返し

「ぼくを支えてくれる人は一人もいませんでした」

と書いてきます。2年後の出所の日、彼を迎えに行こうと思います。





NPO法人北九州ホームレス支援機構
理事長 奥田知志

http://www.h3.dion.ne.jp/~ettou/npo/top.htm
 

ひとりの路上死も出さない ひとりでも多く
一日でも早く、路上からの脱出を
ホームレスを生まない社会を創造する
 




転載元・記事全文は

週刊朝日
http://dot.asahi.com/news/domestic/2014011500052.html
http://dot.asahi.com/news/domestic/2014011700047.html



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ホームレス者が路上死し、老人が孤独死し、若者がブラック企業で働かされる日本社会。人々のつながりが失われて無縁社会が広がり、格差が拡大し、非正規雇用が常態化しようとする中で、私たちはどう生きればよいのか?本当の「絆」とは何か?いま最も必要とされている人々の連帯とその倫理について、社会的に発信を続ける茂木健一郎と、困窮者支援を実践している奥田知志が論じる。


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深層心理学者・河合隼雄さんが小学生に授業をします。
テーマは、命を助けるということ。
自分の「助けて」をつたえる勇気、相手の「助けて」を感じ取る心。
その開発を呼吸法や体育の授業さながらに実践します。


内容はこんなかんじです。

死んでしまうから「助けてー」という。
「助けてー」という言葉は、よっぽどのことがないと出てこないよ。
そしてね、自分の前の助けてくれる人に、
本当に心が届くように、「助けてー」と言えるかな。
ハイ、「助けてー」と言うよ。1,2,3・・・。

▶「助けてー」という子どもたち。

あかんな。ちゃんと言えそうな人いる?
みんな心に届いた?
今度こそ届くように言ってみよう。

通じないというのは、心と心通じないということだね。
心と心が通じるということは、なかなか大変だ。
しかも、いまは言葉で「助けてー」といったでしょ。
今度は言葉を使わないで、顔を見てるだけ、
姿を見てるだけで心を通じ合わせる事ができるかな。
難しい?それでは、こうしてみようか。

〈中略〉


これから震災があるとは限らないけれども、
人間というのはどこで頼りなく絶えるかわからない。
そのとき、みんなが今日ちょっと練習したように、
心と心がピタリと合ってくれたら、
言葉が通じなくても心が通じる。
心が通じたら、命を助けたい、人の命も大事だけれども、
自分の命も大事だ。
そういうふうなことを、
今日は、からだを使ってみんなにわかってもらおうとしたんだけれども、
やることが少し難しかったかもしれません。
・・・。