病気づくり、病気の押し売りとは | 渋谷区 精神保健福祉行政オンブズパーソンのブログ


 病気づくり、病気の押し売りとは
 (Disease Mongering)

 
 四歳児が薬物の過剰投与により死亡した事件が報道されていた。
なくなった子供には、複数の抗精神病薬等が慢性的に投与されていた。
主治医の精神科医は医師資格の停止措置を受け、両親もこどもをはやくねつかせようとむやみに薬を追加投与したとして刑事告訴されていた。
死亡した子どもが三歳から躁うつ病と診断され、複数の抗精神病薬等の投与を受けていたことには愕然とする。
この子には他に二人の兄弟がいるのだが、やはり小児躁うつ病の診断で同じような薬物治療を受けていた。


米国では1994年から2003年までの十年間で、未成年で躁うつ病と診断された患者が40倍に増加した。
精神医学の常識では、幼児や児童が躁うつ病を発症することは非常に稀と考えられていた。

90年代になると、
薬価の高い抗てんかん薬や非定型抗精神病薬が躁うつ病治療薬として承認されると、米国の製薬会社は一斉に躁うつ病のキャンペーンに乗り出した。

啓発:「躁うつ病に気づこう」「小児躁うつ病を見過ごすな」

その結果、わが子が躁うつ病ではないかと心配した親たちは、子供達を連れ次々とと医療機関を受診するようになった。

『なぜうつ病の人が増えたのか』 冨高 辰一郎(精神科医)






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『ブランドンくんと双極性障害の熊』 Tracy Anglada





医師の多くは高いモチベーションをもっていて、患者の利益を最優先した行動をとろうとしている。そういう医師たちと業界とのつながりは、不適切な商業関係を反映しているのではなく、職業的連帯感を反映しているだけなのかもしれない。

『怖くて飲めない!―薬を売るために病気はつくられる 』   
レイ モイニハン アラン カッセルズ








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