「ジェフ・ベック(Jeff Beck)」の75年3月発表、2nd「ブロウ・バイ・ブロウ(Blow by Blow)」を聴きました。

僕が持っているのは、05年発売の紙ジャケット、01年リマスター。

ジェフ・ベック2-1
(ジャケット表)
英国初回アナログ盤ジャケットを再現。日本盤LP帯付。当時の邦題「ギター殺人者の凱旋」をそのまま掲載。

ジェフ・ベック2-2
(帯を外したジャケット表)

ジェフ・ベック2-3
(ジャケット裏)

このアルバムは、「ベック・ボガート&アピス」解散後に発表された、ソロ2作目(全米4位・オリコン27位)。
プロデューサーは、ビートルズでお馴染みのジョージ・マーティン。
曲間無しで続く、全曲インストゥルメンタル・ヴァージョン。

1曲目「分かってくれるかい(You Know What I Mean)」は、ファンキーなナンバー。
2曲目「シーズ・ア・ウーマン(She's a Woman)」は、ビートルズのカバー。
3曲目「コンスティペイテッド・ダック(Constipated Duck)」は、ゴリゴリのファンク・ナンバー。
4曲目「エアー・ブロワー(Air Blower)」は、キーボードが前面に出て、よりフュージョン色の濃い曲。
5曲目「スキャッターブレイン(Scatterbrain)」は、冒頭から目くるめくように弾きまくるナンバー。中盤のキーボードとストリングスの絡みや終盤の曲展開も素晴らしいです。
6曲目「哀しみの恋人達(Cause We've Ended as Lovers)」は、泣きのギター・ソロ・インストゥルメンタル。スティーヴィー・ワンダーの提供曲で、スティーヴィーの「トーキング・ブック(Talking Book)」の時にも書きましたが、「ベック・ボガート&アピス」へ名曲「迷信(Superstition)」を提供しましたが、自身のヴァージョンが先に大ヒットしてしまったため、この曲をお詫びに提供し直したそうです。また、原曲は、スティーヴィーの元妻シリータ・ライトの曲。ボリューム奏法、ピッキング・ハーモニクス、チョーキングなどの技法を駆使しており、同じような演奏を行っていた、アメリカのブルース・ギタリストのロイ・ブキャナンに捧げるとジャケットに書かれています。それに対し、ブキャナンは「マイ・フレンド・ジェフ(My Friend Jeff)」というアンサー・ソングを発表しています。
7曲目「セロニアス(Thelonius)」は、6曲目に続いて、スティーヴィー・ワンダーの提供によるファンク・ナンバー。
8曲目「フリーウェイ・ジャム(Freeway Jam)」は、タイトに締まった演奏を聞かせる曲。
9曲目「ダイヤモンド・ダスト(Diamond Dust)」は、ジョージ・マーティンによるオーケストラの入った壮大なナンバー。8分を超える大作。

ジェフ・ベックが1月に78歳で亡くなりました(合掌)。
これまで、60年代の「トゥルース(Truth)」「ベック・オラ(Cosa Nostra Beck-Ola)」、80年代の「フラッシュ(Flash)」しか聞いたことがありませんでした。
このアルバムは、70年代前半のジャズ・ミュージシャンによるロックへの接近(ジャズロック)に対する、ロック側からの返答と言われております。
特にベックが影響を受けたのが、フュージョン、ジャズ・ロックの草分け的バンドであるジョン・マクラフリン率いるマハヴィシュヌ・オーケストラ。
このバンドの4作目「黙示録(Apocalypse)」をジョージ・マーティンがプロデュースしているのが、彼の起用のきっかけのようです。

Youtubeで「哀しみの恋人達(Cause We've Ended as Lovers)」のライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。

 


同じくYoutubeで見つけた「シーズ・ア・ウーマン(She's a Woman)」のライヴ映像です。
 


同じくYoutubeで見つけた「分かってくれるかい(You Know What I Mean)」の音源です。