ハイ・ファイ・セット / ハイ・ファイ・セット・シングルズ

「ハイ・ファイ・セット（Hi-Fi Set）」の９９年１０月発表、「ハイ・ファイ・セット・シングルズ」を聴きました。

僕が持っているのは、国内中古盤、３枚組。クレジットはされておりませんが、リマスターはされていると思います。

（ジャケット表）

（ジャケット裏）

（ＣＤ収納部）

（ブックレット）

ハイ・ファイ・セットは、日本の混声コーラス・グループ。

フォーク・グループの赤い鳥が分裂・解散後、メンバーの山本潤子（ソプラノ）、山本俊彦（テナー）、大川茂（バス・ヴォイス）により結成。

このアルバムは、東芝エキスプレス・レーベル時代（７５年～８３年）のシングル

１９枚のＡＢ面を収録した３枚組ＣＤ。
最大の特長は、当時のシングル盤のジャケットを表裏再現し、封入している点にあります。
このシリーズは、これまで甲斐バンド２種類（こちらとこちら）とオフコース（こちらとこちらとこちら）を聴いて、ブログに書いたことがあります。

ちなみに、ＣＢＳソニー時代も網羅したシングル・コレクション「ハイ・ファイ・セット GIFT BOX」も発売されています。

Ｄｉｓｃ１

１曲目「卒業写真」は、デビュー・シングルで、荒井由実の提供曲。１st「卒業写真」収録。

２曲目「美術館」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。１st「卒業写真」収録。

３曲目「エイジズ・オブ・ロック・アンド・ロール」は、「ダイアナ」「ペギー・スー」「ジョニー・Ｂ・グッド」など、往年のロックンロールの曲名が歌詞に登場する曲。１st「卒業写真」収録。ただし、別ヴァージョン。
４曲目「胸のぬくもり」は、１st「卒業写真」収録。ただし、別ヴァージョン。

５曲目「夢うつつ」は、オリジナル・アルバム未収録。ホーンを伴ったゴージャスなアレンジ。
６曲目「夢うつつ(インストゥルメンタル)」は、５曲目のインストゥルメンタル。
７曲目「スカイレストラン」は、荒井由実作詞、村井邦彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。この曲の歌詞は、元はユーミンの「あの日に帰りたい」のメロディに付いていたもの。「あの日に帰りたい」は、ドラマ「家庭の秘密」の主題歌として書き下ろされましたが、歌詞の内容がドラマに合わないという理由でボツとなり、差し替えられました。そのボツ歌詞に新たにメロディーを付けたのがこの曲です。したがって、「あの日に帰りたい」のメロディーで、この曲の歌詞がそのまま歌えちゃいます。イントロのコーラスは、「あの日に帰りたい」に似ていますかね？
８曲目「土曜の夜は羽田に来るの」は、荒井由実作詞、村井邦彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。単純なラブ・ソングかと思いきや、羽田に来るのは「空から帰らないあなたと話すため」という、ちょっと重たいテーマの曲。

９曲目「冷たい雨」は、オリコン３０位。荒井由実作詞作曲。バンバン「いちご白書をもう一度」Ｂ面のカバー。２nd「ファッショナブル・ラヴァー」収録。イントロは、雨音の効果音。
１０曲目「ファッショナブル・ラヴァー」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。２nd「ファッショナブル・ラヴァー」収録。ホーンやパーカッションで軽快なポップス。
１１曲目「幸せになるため」は、荒井由実作詞、村井邦彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。日本テレビ系ドラマ「たんぽぽ」第３シリーズ主題歌。
１２曲目「星降る真夜中」は、荒井由実作詞、村井邦彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。

１３曲目「フィーリング」は、オリコン２位。３rd「ラブ・コレクション」収録。ブラジルのシンガーソングライター、モーリス・アルバートのヒット曲「愛のフィーリング（Feelings）」の日本語カバー。
１４曲目「もうひとつのダンス」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。

Ｄｉｓｃ１は、荒井由実や村井邦彦の作品、松任谷正隆のアレンジが目立つ中、最大のヒット作となるカバー曲の１３曲目がやはり秀逸です。

Ｄｉｓｃ２
１曲目「風の街」は、大川茂・松本隆作詞、山本俊彦作曲。俊彦、大川、潤子の順番で歌い継ぐ上質のポップス。４th「ザ・ダイアリー」収録。
２曲目「クリスタル・ナイト」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。今度は、俊彦、潤子、大川の順番で歌い継ぎます。３rd「ラブ・コレクション」収録。
３曲目「メモランダム」は、４th「ザ・ダイアリー」収録。
４曲目「個人的メッセージ」は、４th「ザ・ダイアリー」収録。

５曲目「恋の日記」は、４th「ザ・ダイアリー」収録。ニール・セダカのヒット曲「恋の日記（The Diary）」の日本語カバー。
６曲目「愛こそすべて」は、４th「ザ・ダイアリー」収録。キャロル・キング「愛だけが真実（Only Love Is Real）」の日本語カバー。
７曲目「少しだけまわり道」は、５th「スウィング」収録。
８曲目「レディー・グレイ」は、山本俊彦作曲。５th「スウィング」収録。

９曲目「あめりか物語」は、オリジナル・アルバム未収録。
１０曲目「夏の別離」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。
１１曲目「熱帯夜」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。Ａ面がこの曲で、Ｂ面が１２曲目だと思うのですが、ジャケット裏面の歌詞の掲載は逆の順番になっています。どうやら再発でＡ面とＢ面が差し替えになったようですが、それと混同されているようです。Discogsを見たら、そちらはジャケット表面の順番が入れ替わっておりました(笑)。
１２曲目「燃える秋」は、オリコン２３位。五木寛之作詞、武満徹作曲。三越・東宝提携の同名映画の主題歌。オリジナル・アルバム未収録。全体としてはムーディーな雰囲気の曲ですが、日本語詞部分は演歌、英語詞部分は洋楽といった趣きです。

Ｄｉｓｃ２は、脱ユーミンを目指し、二番煎じ狙い的なカバー曲も取り上げておりますが、３人のコーラスワークが冴えた曲が増えています。その中で、１２曲目は異色とも言えますが、強烈な印象を放っています。

Ｄｉｓｃ３
１曲目「よりそって二人」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。７th「閃光(フラッシュ)」収録。俊彦がコーラス・アレンジ。
２曲目「月曜日のプロローグ」は、６th「カミングアップ」収録。こちらは、潤子のコーラス・アレンジ。　
３曲目「NOVEMBER RAIN」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。１０th「１＆２」収録。ここからジャズ調の曲が続きます。
４曲目「BYE－BYE BOY」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。オリジナル・アルバム未収録。

５曲目「ハローMr.TELEPHONE」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。１０th「１＆２」収録。
６曲目「故郷からのAIR MAIL」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。１０th「１＆２」収録。
７曲目「miss you」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。１１th「アイ・ミス・ユー」収録。イントロから本格的なオーケストラを導入。
８曲目「下町(ダウンタウン)Loveルネッサンス」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。１１th「アイ・ミス・ユー」収録。東京下町での恋模様を歌う歌詞なので、「仲見世通り」や「もんじゃ焼き」といったワードが登場。

９曲目「心離れるころ」は、南佳孝作曲。１１th「アイ・ミス・ユー」収録。これも、全面的にオーケストラが入っています。
１０曲目「Last Ballad，Last Coin」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。９th「３ＮＯＴＥＳ」収録。
１１曲目「ラブストーリーはこれから」は、大川茂作詞、南佳孝作曲。オリジナル・アルバム未収録。
１２曲目「Blue Dream」は、大川茂作詞、山本俊彦作曲。１１th「アイ・ミス・ユー」収録。３人交代で歌い継ぎますが、大川ボーカル、俊彦＆潤子コーラスのパートが絶妙です。

Ｄｉｓｃ３は、３曲目から１０曲目、１２曲目が、ジャズピアニストの佐藤允彦と組んだジャズ・アレンジの楽曲。
佐藤と組んでアルバム３枚を発表しましたが、当時はあまり受け入れられなかったようです。
ただし、今年になって、その３枚「３ＮＯＴＥＳ」「１＆２」「アイ・ミス・ユー」が再発されており、再評価の機運が高まっています。

Youtubeで「卒業写真」のＴＶライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。